中村又五郎が初役で挑む、源氏再興を
目指す人々の物語 令和5年3月歌舞伎
公演『一條大蔵譚・五條橋』を上演 

2023年3月3日(金)~27日(月)国立劇場 大劇場にて、令和5年3月歌舞伎公演『一條大蔵譚・五條橋』が上演される。
本公演は「初代国立劇場さよなら公演」となり、一昨年より始まった「歌舞伎名作入門」の第3回。本編に先駆けて、歌舞伎俳優による作品の見どころを詳しくわかりやすく案内する「入門 源氏の旗揚げ」を見たあと、歌舞伎を鑑賞でき、歌舞伎鑑賞教室では取り上げられない名作や名場面を深く味わえる公演となっている。今回は、『鬼一法眼三略巻』(きいちほうげんさんりゃくのまき)より、『一條大蔵譚』(いちじょうおおくらものがたり)の『曲舞』(くせまい)と『奥殿』、『五條橋』(ごじょうばし)を上演する。
『鬼一法眼三略巻』は、文耕堂(ぶんこうどう)・長谷川千四(はせがわせんし)による合作で、享保16年(1731)9月に大坂・竹本座で人形浄瑠璃として初演された。平清盛が権勢を誇る世に、源氏再興を目指して力を尽くす人々の姿を描いた作品で、牛若丸(後の源義経)が兵法家・鬼一法眼から、兵法書である「六韜三略」(りくとうさんりゃく)を手に入れようとする三段目(通称『菊畑』)のほか、一條大蔵卿と常盤御前が中心の四段目(『檜垣』『曲舞』『奥殿』)、牛若丸と弁慶が出会う五段目(『五條橋』)が有名。今回は、四段目のうち上演頻度が稀な『曲舞』を取り上げて、名場面『奥殿』とともに上演し、五段目『五條橋』で締めくくる。
一條大蔵卿は、平安時代末期(源平合戦の時代)に実在した公家、一条長成(ながなり)がモデル。彼の妻は、かつて平治の乱で平清盛に敗れて非業の最期を遂げた源義朝の妻で、牛若丸の母である常盤御前。物語では、平家全盛時代に、阿呆のふりをして権力者の目を欺くという、異色のキャラクターとして描かれている。愛嬌あふれる風情が前半の見どころ、一條大蔵卿が本心を明かすクライマックスは、一瞬にして姿を変化させる“ぶっ返り” と、胸に秘めた本心を語る“物語”が見どころとなる。
一條大蔵卿長成=中村又五郎
一條大蔵卿に、二代目吉右衛門の薫陶を受けた中村又五郎が初役で挑む。そして常盤御前は、何度もこの役を演じた中村魁春が勤める。常盤御前の真意を探る、血気盛んな忠義の臣・吉岡鬼次郎を又五郎の長男・中村歌昇が、その妻お京を次男・中村種之助が勤めるほか、充実した配役でおくる。
常盤御前=中村魁春
五段目に当たる『五條橋』は、牛若丸と弁慶の五條橋での出会いと対決を描いた場面。人形浄瑠璃から歌舞伎に移されるにあたり、舞踊劇化された。
舞台は京の五條橋。源氏再興を志す牛若丸は、味方を集めるために夜な夜な通行人の腕を試していた。その噂を聞きつけて現れたのは、怪力無双の荒法師・武蔵坊弁慶。弁慶は、自慢の大長刀と七つ道具で襲い掛かるが、 牛若丸はひらりとかわして……。

武蔵坊弁慶=中村歌昇
牛若丸=中村種之助

武蔵坊弁慶を中村歌昇が、牛若丸を中村種之助が勤める。牛若丸と弁慶の逸話を題材にした場面を、若さ溢れる二人が美しく、溌溂と踊る。

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