クラシックギタリスト・猪居亜美「ク
ラシック、ロック両方のファンに楽し
んでもらえるコンサートに」~地元大
阪で『CLASSIC × ROCK』を開催

クラシックギタリスト・猪居亜美が、2023年2月12日(日)大阪 あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールにて、『猪居亜美 CLASSIC ✕ ROCK』を開催する。この度、公演について聞いたインタビューが届いたので紹介する。

猪居亜美は、昨年7月、最難関のギターコンクールである、GFA(ギター・ファウンデーション・オブ・アメリカ)コンクールで第4位に入賞し、注目を集めている気鋭のギタリスト。昨年8月には、Hakujuギター・フェスタ2022にも招かれた。
大阪出身。ギタリストの父(猪居信之)にギターの手解きを受け、いくつものジュニアの大会で優勝。大阪音楽大学では、藤井敬吾、福田進一に師事した。2月12日のフェニックスホールでのコンサートは、GFAコンクール入賞後、地元大阪で初のリサイタルとなる。
ーー『CLASSIC✕ROCK』というタイトルがついていますが、プログラムについて教えていただけますか?
前半はクラシックの作品を、後半はロック・バンドの曲をギター1本で弾きます。
『CLASSIC✕ROCK』は、1回目を昨年3月に大阪で、2回目の昨年10月に東京のHakuju Hallでやりましたから、今回が第3弾となります。
ーーご自身のロックの経験は?
高校3年間、軽音楽部でエレキ・ギターを弾いていました。コピー・バンドで、ONE OK ROCKの曲とか、やってましたね。あと、YouTubeでエレキ・ギターを弾いたり。
私は、父がギタリストで、4歳からクラシック・ギターを学んでいました。それで、高校生のときにロック・バンドでエレキを弾いていましたが、大阪音楽大学に入学して、クラシックに戻りました。今も普段聴くのはロックばかりです。
クラシックとエレキは、同じギターといっても、楽器の構造が全く違います。一番違うのは右手ですね。クラシック・ギターは指で弾きますがエレキ・ギターはピックを使います。
猪居亜美   (c) Yusuke Ozawa
ーー前半のCLASSICはどのように選曲しましたか?
パガニーニをテーマにして、パガニーニの「カプリース」の第24番、そして、パガニーニへのオマージュ的な作品であるカステルヌオーヴォ=テデスコの「悪魔の奇想曲」を弾きます。前半のCLASSICでも、技巧的でロックに近いものを取り入れたと思ったからです。個人的に、パガニーニのテクニックには、ロックの要素を感じますし、そのテクニカルな部分に惹かれます。生で、パガニーニとロックを合わせてみたいと思いました。
ーー確かに、パガニーニも長髪でヴァイオリンの超絶技巧を駆使して当時の聴衆を熱狂させていたわけですから、今のロック・スターの先駆ともいえる存在かもしれませんね。
まさにパガニーニは「悪魔」と呼ばれていましたから(笑)、そんな感じだったのでしょうね。
そのほかに、GFAのコンクールでも弾いたブローウェルの「オリシャたちの儀式」を弾きます。
ーー後半のROCKでは何を弾くのですか?
X JAPANの「紅」、「ENDLESS RAIN」、メタリカの「マスター・オブ・パペッツ」を弾こうと思っています。それから、もう1,2曲入れようかな。
昨年は全曲自分でアレンジしましたが、今回は、X JAPANの曲で峯吉奏典さんのアレンジを使います。自分のアレンジだけだと偏るので、他の人のアレンジも弾くことで幅が広がると思いました。
基本的に歌が入り、できる限り原曲のメロディを残したいと思いますが、バンドのヴォーカル、ギター、ベース、ドラムスのどれを取ってクラシック・ギター1本にまとめるかはとても難しいですね。
ロックをクラシック・ギター1本で弾くのは挑戦です。
ーー昨年入賞されたGFAコンクールについて、教えていただけますか?
世界中のクラシック・ギタリストにとって憧れであり、最高峰のコンクールのひとつです。毎年、違う場所で開催されていて、昨年はインディアナポリスでありました。
課題曲に、現代曲や委嘱作品があるのが特色で、クラシック作品を弾く能力だけでなく、新しい作品の楽譜を読む能力も試されます。
現地で一次があり、いろんなコンクールで優勝してきたような、既に有名なギタリストたちが、20数名集まってきて(コロナ禍前は4,50人集まっていましたが)、誰が勝ってもおかしくないようなレベルの高さでした。
私は、本選では、スカルラッティのソナタ、ジュリアーニの「ロッシニアーナ」第5番、ヨークの作品などを弾きました。
猪居亜美   (c) Yusuke Ozawa
ーー猪居さんは大阪のご出身なのですね。
地元の大坂では、コンクール後初めてのソロ・リサイタルになります。
(東京ではHakuju Hallでやりましたが)。
ーー今でもお父様からアドバイスを受けたりされるのですか?
父が師匠だったのですが、「もうオレの教えられることはない」という感じで、大阪音楽大学で福田進一先生と藤井敬吾先生に師事しました。福田先生からは仕事でご一緒することがあり、今もアドバイスをいただいています。
ーー今年の予定や、将来について話していただけますか?
もう一度、今年6月に、GFAコンクールに挑戦して、できれば4位以上の賞をとって、コンクールは終わりにしたいと思っています。
コロナ禍もあり、今までは日本だけの活動でしたが、これからは、海外での演奏活動を増やしていきたいと思っています。そのためにコンクールでアピールして、結果を残したいのです。そして、コンクールだけでなく、アーティストとしてコンサートに呼んでもらえるギタリストになりたいですね。
日本での活動としては、クラシックだけでなく、エレキ・ギターの方との交流を増やしていきたい。
将来的には、クラシック・ギターといえば猪居亜美ってやつがいたな、と思われるギタリストになれればいいなと思っています。
ーー最後に今回のコンサートに関して、メッセージをお願いいたします。
クラシック・ファンにも、クラシックはあまり聴かないロック好きの人にも、両方の方に楽しんでいただけるコンサートにしたいと思っていますので、気軽に足を運んでいただけたらうれしいですね。

猪居亜美   (c) Yusuke Ozawa

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