岸田文雄(首相官邸ホームページより)

岸田文雄(首相官邸ホームページより)

岸田政権が支持率低下でも安泰なのは
ツイッターでの政権批判のせい

猛烈批判を浴びる岸田政権 防衛費増額、増税、統一教会問題への対応など、岸田政権の政策に批判が集まっています。ツイッターは岸田政権への批判に満ちあふれており、リベラル左翼層からはもちろんのこと、ネトウヨ保守層からすら「防衛費増額はいいとして、増税はけしからん。国債でいいだろ」などと批判に晒されています。
 結果、内閣支持率も20%台にまで落ち込み、八方塞がりに見える岸田政権。ですが、とはいえ岸田政権が倒閣する気配は微塵も感じられません。どうしてでしょうか。
 もちろん国政選挙のタイミングが遠いことが最大の要因でしょう。また「野党がだらしないから」とよく言われる指摘もあるかもしれません。しかし、それだけではありません。見過ごせない要因の一つは、ツイッターなどで連日繰り広げられている岸田政権批判にもあるのではないでしょうか。
政権の倒閣の気配は微塵もなし インターネットがなかったころは、自分の意見を発信するとなると、リアルな手段を取るしかありませんでした。ですから、政府に不満をぶつけたいとなったらデモを行う、署名を行うといった面倒くさいことをやるしかありませんでした。
 しかし現在、ネット上、特にツイッターは気に入らないことがあるとすぐにそれを書き込むツールと化しています。自分の主張を述べたい人・政権批判したい人にとって、政策やら言動やらちょっと不満があればすぐに政権批判を展開できるツイッターは使わない理由がありません。
 というわけで、ツイッター上には政権批判が満ちあふれるようになっていますが、それによって岸田政権がダメージを受けているかといえば、全くそんなことはないのが現実です。
 なぜか。だって、ツイッターでいくら批判が満ちあふれていようが、ツイッターを見なければ、そんなもの存在しないも同然ですよね。
実は影響力が大きかったSEALDs デモのような直接的行動は邪魔だしうるさいし迷惑。しかし、だからこそデモには訴えかける力があります。国会の前が人で埋め尽くされれば、主張を鵜呑みにはしなくとも、ガン無視というわけにはいかないでしょう。メディアにも取り上げられます。 
 もちろん、左翼くずれのじいさんばあさんが数十人ぽっちでやっても意味がないですが、例えばSEALDs。若者をバカにしなければ気が済まない老害ネトウヨや冷笑系の人々からは批判を受けましたが、若者が政治運動に参加する様子はメディアで多く取り上げられ、実際問題、一定の影響力がありました。
 それに比べて現在のツイッター上での政治運動。界隈で名のしれた左翼インフルエンサーが、うまいこと政権批判して、そのツイートが同じような思想を持つ人によって何百何千リツイート。盛り上がっている風はありますが、それってなんか意味あります?
 コロナ禍当初には、ツイッターデモと称して、ツイッターで給付金を要求する運動がありました。その後、政府は一律10万円給付を決め、それによってツイッターデモ界隈は「自分たちのお陰だ」なんて誇ってましたが、いやいや、たまたま貧困家庭が多く入信している創価学会を支持基盤に持つ公明党が政権に働きかけたからですよね? その後もしばらくツイッターデモとやらは続いていましたが、特に政権の政策に影響を及ぼすことはなかったのがその証拠です。
ネット上での政権批判がガス抜きに ツイッターでの政治的な主張やら、ネット上での署名やら。これらは、やる分には大いに結構なのですが、問題は批判や不満、主張をネット上で表明するだけで満足してしまっている人々が多いことではないでしょうか。
 自分の主張が、所詮内輪に対してとはいえ、たくさんの人にリツイートされれば、共感してくれたことに気持ちよくなってしまうのは否めませんよね。
「それだけでは満足してない!」と主張するかもしれませんが、実際、じゃあネットで意見を表明する以外に、その後何かしているかと言ったらしていませんよね? それ以上の何かをすることに対して、コロナ禍を言い訳にして、面倒くささが勝ってしまっているのではないでしょうか。結局ネット上での政治的運動って、お手軽に皆がやってる感を出して「やるべきことはやった」と満足してガス抜きになっているだけ。政権与党をますます安泰にさせている気がしてなりません。
 政権批判において意味があるのは、政権側がやられたら嫌で、大手メディアも巻き込むことができるリアルな運動のみです。
 コロナ禍によって「なんでもリモートに置き換えればOK!」みたいな風潮が生じましたが大きな間違いです。面倒くさがっていては、何も変わらないし、変えられません。政権に不満がある人は、スマホは……捨てなくてもいいですが、町へ出ましょう。
文/編集部写真/岸田文雄(首相官邸ホームページより)

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