【Pipping Hot インタビュー】
考えさせられたり、
背中を押されたり、
いろいろな受け取り方ができる
wacciの橋口洋平が書き下ろした先が見えない時代を背景に解き放たれるポジティブチューン「Uncover」をタイトルトラックに配し、男装エンタメプロジェクト『dreamBoat』の一員として活動中のPipping Hotが2ndシングルをリリースする。同プロジェクトのBOPとポイント制で競う企画も並行して行なっており、その10番勝負についても訊いた。
自分たちの言葉のように歌えて
自信を持ってパフォーマンスできる
ニューシングル「Uncover」を制作する前に“次はこんな曲がいいね”とか、何か話し合ったことはあります?
雫月
Pipping Hotはデビューシングル「beyond VANITAS」(2022年7月発表)のように聴かせるタイプの曲が多かったので、次はタオルを回したり、拳を突き上げるような盛り上がる曲がいいって話はしていましたね。ライヴであまり声を出せない状況がまだ続いているから身振り手振りで表現できるような。
「Uncover」は先が見えにくい時代の中で刺さってくる歌詞でありながら、希望を浮かび上がらせるポップなナンバーですね。
碇
歌詞も共感してもらえると思いました。Aメロでは《誰もが心に/痣のように残る/過去を抱えてる/それでも生きてく》と歌っているんですが、サビでは前向きなことを言っていて。サビで腕を交互に突き出してパンチするような振りをしているので、ファンのみなさんも覚えやすいし、元気になるんじゃないかと思います。
雫月
俺は《僕らは愛を命綱にして/歩いている》という箇所を歌わせてもらっているんですけど、人間が愛でつながっていることをこういうふうに表現するって素敵だと感じましたね。
そこ、刺さってきました。
雫月
ありがとうございます。この曲自体、自分自身に言い聞かせるように歌っています。たくみが言っていた拳を前に突き出す振り付けを、ライヴではみなさん一緒にやってくださっているので一体感が生まれています。
八雲
作詞作曲がwacciの橋口洋平さんなので“こんなにすごい方に書いていただけたの!?”って、聴く前から期待度が爆上がりでした! 橋口さんのインタビューも読ませていただいたんですが、応援歌を書くのは苦手らしいんですよ。でも、ちょっとネガティブな性格だからこそ、多くの人に届く歌ができるのかもしれないとおっしゃっていて、「Uncover」を初めて聴いた時にそのとおりだなって。Aメロは僕が歌わせてもらっているんですが、ライヴでも目の前にいるみなさんに届くように歌っています。“心に痣のように残る過去があっても頑張ってね”って思いながら。あと、僕が好きなのはLeeさんが歌っている《愛溢れるため/僕らは生まれた》というところで。
雫月
ありがとう!
八雲
《時々望みを/見失うけれど》という歌詞も自分たちにも当てはまると思ったんです。アイドルとして活動する中、“どうしたらもっとみんなに楽しんでもらえるんだろう?”とか悩むこともあるんですけど、“きっと愛を届けるためにいるんだな”って歌うたびに思って、今、こうやって話しているだけでジーンときていて(笑)。聴く人によっていろいろな解釈ができる素敵な曲だと思います。
有光
曲と歌詞がすごくマッチしていますよね。音も深みのあるところからサビで一気に明るく広がるので、明日に向かっていく歌詞に説得力があって。どんな方が聴いても自分に落とし込めて共感できる曲だと思っています。ジーンときたり、考えさせられたり、背中を押されたり、いろいろな受け取り方ができると思いますし、Pipping Hotが書いた曲ではないのに自分たちの言葉のように歌えて自信を持ってパフォーマンスできるんです。
サビのメロディーも歌いやすいですよね。後半はみんなで歌ってほしいと思っていたら、期待どおりの展開でした。
全員
あははは。
雫月
一番最後はみんなで歌っていますからね。
有光
“言葉を届ける!”っていう想いで全員で歌っているので、すごく完成度が高い曲になりましたね。
逢坂
Pipping Hotのキャッチコピーが “熱いメッセージをキミに。” なので、自分たちに合った楽曲で嬉しかったです。みんなも言っていましたが、ポジティブな言葉ばかりで応援しているのではなく、人間の弱さだったり、ネガティブな部分も描かれているのが共感してもらえるポイントなんじゃないかと思いました。
では、疾走感があって突き抜けるさわやかさがある「HIGH FIVE」についてはいかがでしょうか?
有光
「HIGH FIVE」は完全にポジティブなイメージの曲ですね。メンバーも明るい声のトーンで歌っているので、Pipping Hotの中の光属性の曲というか。
雫月
分かる!
碇
《ネガティブは捨てて》って歌っていますもんね。
有光
どんな時に聴いても前向きになれる、スキップしたくなるような曲ですね。
八雲
常にジャンプしているみたいな感じですね(笑)。
雫月
Pipping Hotらしい明るさが出ている曲でもありますね。《画面スクロール》とか《充電ばかり心配して》など、時代を映した言葉が出てくるので馴染みやすいと思います。
確かに。タイトルには“ハイタッチ”という意味もありますが、Pipping Hotの5人のことも指しているんでしょうか?
碇
それ、Leeさんも言っていたよね。
雫月
“FIVE”は絶対に5人のことだと思っています!
そして、イントロからギターが炸裂していて、一番ロック色が強いのが通常盤のみ収録の「Limitation=Imitation」ですね。
八雲
「HI FIVE」とは歌も曲調もガラッと変わりますね。
有光
むっちゃカッコ良い曲ですね。前身がael-アエル-だった5人だからこそ、歌える曲だと感じました。
一人称も“俺”で強い言葉で描かれていますし。
八雲
自分しか見えていないみたいな主人公だなって(笑)。
有光
自信家だよね。
雫月
いろいろ乗り越えた先にいる人みたいな。
碇
《逆手にとったら/自分の武器も見えてくる》って歌詞もすごい。
八雲
《誰でもないその手で/限界突破口を見つけるんだ》とかね。自分は高いところにいて、“さぁ、這い上がってきな”と言っているみたいなイメージですよね。
碇
僕と八雲とLeeさんが歌うAメロの英詞のあとの“Hey”とか“Ah”は特にニヤつきポイントですね(笑)。
逢坂
聴き終わったあと、ちょっと強くなった気分になれる曲ですね。この曲は真っ直ぐ力強く歌うというより、自分はアクセントとか癖を意識してめちゃめちゃカッコつけて歌ってみました。
雫月
さっくん(逢坂朔玖の愛称)が一番最後のフレーズ《Get set, go!》を歌っているんですけど、いつもと違う雰囲気なので、ぜひ注目してほしいですね。
関連ニュース