猫耳と尻尾が揺れ動く、ヒューマンド
ラマ満載の異能群像劇~小波津亜廉、
横田龍儀ら舞台『ノラネコシティ』ゲ
ネプロレポート

舞台『ノラネコシティ』が2022年12月3日(土)、東京・新宿FACEにて開幕した。原作は『博多豚骨ラーメンズ』や『マネートラップ』などを手掛けた木崎ちあきによる同名小説。違法ドラッグと超能力が跋扈する犯罪超過都市・通称『ノラネコシティ』で繰り広げられる異能群像劇を、久保田唱の脚本・演出で描き出す。前日に行われたゲネプロ公演の様子をお伝えしよう。
ステージ全体に映像が投影され、開演前からすでに混沌とした雰囲気が漂う。小粋なBGMが収まり、やがて静かなバーカウンターが浮かび上がる。語り合う2人の男には、猫耳と尻尾が生えていた。
Ψ(サイ)と呼ばれる特殊能力を持つ者たちが集まる街に、1人の男が流れ着いた。バー【Pussycat】の前で行き倒れているのは、薄汚れた格好の『黒猫』。クロ(小波津亜廉)を見つけたバーの美しき女店主・ドーラ(飯窪春菜)は、半ば威圧される形で面倒を見ることに。腹を探り合うような会話劇は、鮮やかなセリフ回しが心地良い。
ストーリーは、短編が連なるように進んでいく。軍警察麻薬局所属のアビー(三井淳平)や新人のブルース(田中晃平)は、絶対に捕まらないと噂される薬の密売人を追っていた。バディものの醍醐味でもある凸凹なキャラクター性が、徐々にピタリとハマッていく空気感はたまらない。
軍警察捜査局の特別捜査官・ベン(新井將)と警護官・ウィッカーシャム(神里優希)は、新人女優・ヘレン(北澤早紀/AKB48)のストーカー対策にあたっていた。Ψの有無は配属や出世にも関係するらしい。いくら努力をしたところで、生まれ持った才能にはわない――何かを目指したことのある人なら、一度は味わったことがある敗北感だろう。
見た目通りの猫らしさが存分ににじみ出るキャラクターも。舞台映えする物語や設定、登場人物たちのビジュアルにインパクトがあるからこそ、人間関係や心理描写が繊細に浮かび上がっていく。やがて、ある悩みを抱えたスーパースター・アッシュ(横田龍儀)に変化が訪れたことで、物語が大きく動き出す。
交わらなかったはずのクロとアッシュが、次第に交錯していく。後半は怒涛の展開。あちこちに張られた伏線が明かされていくのは痛快だ。多彩な要素が詰め込まれた内容だが、身を任せているうちに自然とストーリーが入ってくる。約125分のあいだに繰り広げられる群像劇を、存分に堪能してほしい。
取材・文・撮影=潮田茗

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