70年代末の
ニューウェイブ期に突如現れた
テクノポップ(ロック)の
巨星ディーヴォのデビュー作
『頽廃的美学論』
もっと評価されていい曲作りの巧みさ、
アグレッシヴな演奏力の凄さ
バンドはその後もコンスタントに活動するものの1990年代に入ると所属レーベルとの問題、テクノポップが廃れてきたことも遠因し、バンドはいったん活動を休止する。ところが2000年代に入るとディーヴォは活動を再開し、2003年には『SUMMER SONIC』に出演するために来日している。中年になり、腹のまわりが膨張したマーク・マザーズボウがお馴染みのコスチュームを身につけてコミカルなパフォーマンスを示しているのを観ると、その人間臭さというか、テクノポップ(ロック)の推進者でありながら、そのイメージに反発するようなところに、何か愛おしいものを感じてしまう。スタジオアルバムは『サムシング・フォー・エヴリバディ(原題:Something for Everybody)』(2010)以降途絶えているが、そのぶん発掘ライヴ音源など、次々とライヴ盤がリリースされている。最新のものが『Hardcore Devo Live!』(2017)だが、コロナ禍もあってか、近年はライヴの噂も耳にしないが、 正式な解散表明が出されたとは聞いていない。思わぬタイミングで、またあの黄色いコスチューム(紙製)で騒がしてほしいものだ。
TEXT:片山 明