ハンブレッダーズ、『“ライブハウス
で会おうぜ”ツアー』ファイナルでK
OTORIと激アツ対バン「やっぱりライ
ブハウスでやるのが一番気持ちいい」

『“ライブハウスで会おうぜ”ツアー vol.8』2022.8.18(THU)心斎橋JANUS
ハンブレッダーズが8月18日(木)、大阪・心斎橋JANUSで『“ライブハウスで会おうぜ”ツアー vol.8』を開催した。
『“ライブハウスで会おうぜ”ツアー』は、2020年4月に配信リリースされた楽曲「ライブハウスで会おうぜ」のMVに登場する関西のライブハウスを巡るツアーで、約1年ぶりの開催に。前日17日(水)に大阪・梅田クラブクアトロで行われた第7回目にはゲストアーティストとしてナードマグネットが出演。第8回目でありツアーファイナルとなったこの日はKOTORIを迎え、ハンブレッダーズの地元大阪で2夜連続となる熱い対バンが実現した。
KOTORI
SEも何もない静寂を切り裂いた鮮烈なギターを合図に、「さよなら」から始まったのは先攻のKOTORI。地鳴りする極太のビートとシンクロするように拳が上がり、「ジャズマスター」「unity」と、冒頭から「これぞたたき上げのライブバンド」だと音でとことん証明する強烈な説得力だ。
「超いい感じですね、病み上がりのKOTORIです(笑)。(メンバーの新型コロナウイルス感染が判明したため)本当にギリギリ今日から動けたんで良かったです。呼んでくれてありがとうございます! 当初はハンブレッダーズとあんまり仲が良くなくて、今も仲が良いか分からないけど(笑)、この曲が好き過ぎて、俺たちのことをこの曲名で呼んでたらしいぜ?」(横山優也/Gt.Vo、以下同)
KOTORI
蒼き照明に照らされた「トーキョーナイトダイブ」では響きわたる歌声にグッと引き込まれ、その流れで「シャンプー」へ。ハンブレッダーズが彼らに声を掛けた理由が、楽曲を聴けば語らずとも伝わるシンパシーを感じつつ、「一番最近出た曲をやります」と披露したのは新曲の「ツバメ」。きめ細やかに編まれた音色が醸し出すメランコリーが、じわじわと感情を増幅するドラマが胸に浸透していく。ソリッドなギターリフが高揚感を演出する「羽」といい、マッシブな音塊に心地良くぶん殴られる瞬間の連続で、早くもライブは後半戦へ。
KOTORI
MCでは、ハンブレッダーズのマネージャーとフェリーで移動が一緒になった思い出話に花を咲かせながら、夕暮れどきを彷彿とさせる珠玉のスローバラードが一転、疾走する劇的な展開で魅せる「RED」、そのエモーションを抱えたままの魂のシンガロングが聴こえる「素晴らしい世界」「We Are The Future」と畳み掛ける。ラストは、「いつかまたデカい声で歌いましょう!」と約束した後に、トドメの「GOLD」! 激情のドラミングにまみれて<いつかこんな夜が宝物になる日が来るだろう>と高らかに歌い上げたKOTORI。ライブの興奮を、ライブハウスの醍醐味を、改めて思い知らされる最強のトップバッターとなった。
ハンブレッダーズ
そして、メンバー総出で熱唱した「君は絶対」で力強く幕を開けたのが、ハンブレッダーズのライブ。2021年1月の大阪・南堀江knave公演を皮切りに、縁あるライブハウスを回ってきたツアーも一旦完結とあって、「今日はKOTORIより一滴でも多くの汗をこのステージで流してやります。スクールカーストの最底辺から青春を歌いに来ました、大阪のハンブレッダーズです。よろしく!」(ムツムロ アキラ/Vo.Gt)と宣戦布告後も、「再生」「ワールドイズマイン」と、まだコロナ禍ド真ん中だった昨年の初日から、ライブという空間を必死に取り戻してきた日々の頂とも言うべき熱狂がフロアに広がる。
ハンブレッダーズ
ここで、「KOTORIが一番好きな同年代のバンドかもしれない。でも、「そんなに仲良くない」みたいなすかし方をされて(笑)」(ムツムロ)、「ひどくない? 俺たちよりマネージャーとの方が思い出があるって(笑)。確かに、俺と木島(Dr)さんも十何時間フェリーで一緒に帰ったことがあるんですけど、ちょっと仲良くなるのよ(笑)」(でらし/Ba.Cho)と場を沸かせ、「DAY DREAM BEAT」では全方位に手が上がる絶景を軽々作り出す。その後も、ひときわワイルドでへヴィな「ガチャガチャ」、言葉もサウンドもヒリヒリするほどにエッジィな「アイソレーション」と、この2年で培ったバンドのタフネスを感じさせる楽曲が続く。
ハンブレッダーズ
でらしとKOTORIの上坂仁志(Gt.Cho)は同じ栃木県出身で高校時代からの付き合いというエピソードも飛び出し、「JANUSは、大阪のバンドマンからしたら憧れだから。ここでツーマンできたことが、すごく感慨深くて」と語るでらし。その流れでムツムロが、「KOTORIとは長い付き合いなんで、昔からやってる曲を」と、インディーズ時代初期の楽曲「席替え」を久々に披露したかと思えば、10月より放送されるTVアニメ『忍の一時』OPテーマとして書き下ろした、ギターとベースのユニゾンのフレーズも心地いいエネルギッシュな新曲「光」と、新旧の楽曲群で魅了。続いても、TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』エンディング主題歌に起用された「名前」と、アニメとの親和性の高さもうかがえる青春讃歌を届けていく。
ハンブレッダーズ
「KOTORIは4人とも超音楽が好きな感じが伝わってきて、共感する。分かりやすいものだけがいいわけじゃなくて、分かりにくくてもいいものがあるんだけどなって」(ムツムロ)
「「100%シンパシーを感じる」みたいなバンドは、同世代になかなかいないんですよね。あいつらは「時代が……」とか結構歌ったりしてるけど、めちゃめちゃ分かる。またバンドブームみたいなものを起こすためにも、時代を一緒に作れるのはKOTORIとかだなって。そして、あえてライブハウスにまで足を運んでくれる皆さんは本当にすごいんですよ!」(でらし)
そんな感謝とリスペクトを捧げた「見開きページ」で再びオーディエンスのハートに火をつけた終盤戦は、起爆剤的新曲「カラオケ・サマーバケーション」、ぶち上げた「ギター」と、これでもかとアドレナリンを注入する天井知らずのクライマックスへ。
ハンブレッダーズ
「今日、初めてライブハウスに来た人はいますか? ライブの楽しみ方は人の数だけあると思っていて。後ろの方で腕組みしながら見ても、手を上げなくても拳をギュッと握って見てもいい。今はライブというだけで大変じゃないですか。声を出していいのかとか、モッシュ&ダイブ禁止とか、制約もあるし。決して一つになる必要はなくて、何の団結も生まないことが逆に良かったりもする。ライブハウスはそういう場所だよって伝えていけたら」(ムツムロ)
最後の「BGMになるなよ」まで、ライブの楽しみ方は自由で、自由がある場所がライブハウスなんだと、音楽で訴え続けたハンブレッダーズ。自らの居場所だった関西のさまざまな会場で、メジャーデビュー後に改めてステージに立ってきた彼らは、アンコールでも「やっぱりライブハウスでやるのが一番気持ちいいですね」(ムツムロ)とかみ締め、「またこの場所で会えますように」という願いを込めたアンセム「ライブハウスで会おうぜ」、おかわり「フェイバリットソング」の2連発で、2年越しの『“ライブハウスで会おうぜ”ツアー』を見事に締めくくった。
ハンブレッダーズ
なお、今後のハンブレッダーズは全国各地のフェスやイベントに出演後、10日20日(木)愛知・Zepp Nagoyaより対バンツアー『ハンブレッダーズ “秋のグーパンまつりZ”』をスタート。同愛知公演にはKANA-BOON、翌21日(金)大阪・Zepp Osaka Bayside公演にはヤバイTシャツ屋さん、27日(木)東京・Zepp DiverCity(Tokyo)公演にはBLUE ENCOUNTをゲストに迎える。
取材・文:奥“ボウイ”昌史 撮影:松本いづみ

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