『TRIANGLE'22 Keep on Doing in Ze
pp Fukuoka』 日本を代表するライブ
バンド達が集結したイベントの最終日
3日目をレポート

『TRIANGLE'22 Keep on Doing in Zepp Fukuoka』Day.3

2022.08.28(sun) Zepp Fukuoka
8月26、27、28日の3日間、Zepp Fukuokaにて開催された日本を代表するライブバンド達が集結したイベント『TRIANGLE'22 Keep on Doing in Zepp Fukuoka』。ここでは、その3日目の模様をお届けする。
開演時間となり、ステージに登場したのは、KBC九州朝日放送アナウンサーであり、“ヘドバン体操のお兄さん”であるMCの長岡大雅。『TRIANGLE』の説明から、ソーシャルディスタンスを取るため、そして激しいライブに備えての準備体操として“ヘドバン体操”をみんなで楽しく行うと、最終日となる3日目の開幕を宣言する。
Dizzy Sunfist 撮影=かわどう(Tabata Daiki)
3日目のトップバッターは、Dizzy Sunfist。ステージに登場するや、出演がわなかったSHIMAのタオルを掲げたあやぺた(Vo&Gt)が「トップバッター! 代打でホームラン打ちに来たぞー!!」と叫び、「Andy」で3日目の幕を開ける。スリーピースならではの勢いと軽快さで、序盤から観客の心をガッチリ掴んだDizzy Sunfist。疾走感ある「No Answer」で加速度を増すと、「この3人で初めての『TRIANGLE』です!昔の方が良かったとか、言わせねぇからな!!」と熱くエモーショナルな「Someday」を叩きつける。あやぺたのヤーマンポーズで明るくやかましく始まったMCでは、「今日はもう、もう、ムキムキ! 心が。めちゃ温かいやん! 熱量だけは他のバンドに負けてませんから!」と興奮気味に語ると、スリリングな雰囲気を持つ「Life Is A Suspense」、哀愁を帯びたサマーソング「Summer Never Ends」を強烈な熱量で届ける。「新曲持ってきました。ずっとずっと、ウチらに付いて来いって曲やってもいいですか?」と披露した「Hey! Stay by my side!」は、跳ねるビートの明るい曲調で新曲と思えない盛り上がりを見せる。さらに「N.i.n.j.a」では、エガッチョ(SHIMA)がゲストボーカルで飛び入り乱入。「Tonight,Tonight,Tonight」では会場中の手が上がり、その盛り上がりっぷりに「マジでやばい! やばたにえん!!」と大興奮するあやぺた。MCでは「3年前を取り戻すんじゃなくて、イチから作り上げてさ、また、ももち海浜公園で『TRIANGLE』しようね!」と約束すると、「The Dream Is Not Dead」、「SHOOTING STAR」を楽しく激しく届けてフィニッシュ。「『TRIANGLE'22 Acoustic Resort』にも出るんで、あっちでも会いましょう!」と来週への期待を煽った。この日のライブとは全く雰囲気が異なるであろう、アコースティックスタイルでのライブも楽しみだ。
Crossfaith 撮影=かわどう(Tabata Daiki)
Digital Parasite」の不穏なイントロをSEに登場したCrossfaith。打ち鳴らされるドラムと同期して、仄暗いステージに光が当たるたび浮かぶメンバー、そして両手を挙げてその瞬間が来るのを待ち望む観客のシルエット。ステージに飛び出したKoie(Vo)の「やろうぜ、福岡!」の叫びを合図にTatsuya(Dr)のドラムがけたたましく鳴り、シャウト一発、その瞬間が訪れるとみんなの気持ちが一斉解放。「全員跳べ!」の煽りを待たず、フロアがカオス状態になる。「Gimme Danger」、「Kill 'Em All」と続いた前半戦。明るく照らされることなく、青白い光や赤い光が交錯するステージに重低音が響く中、Kazuki(Gt)が頭を振り乱し轟音を鳴らし、Teru(Vision/Prog)が激しくダンスしながらステージ前方に飛び出して観客を挑発する。「Kill 'Em All」の曲中、Koieのカウントで会場中がジャンプを合わせると、フロアはさらにカオスぶりを増す。MCでは「色んなイベントやフェスが始まって来て、ルールの問題も色々あると思うけど。俺はみんなで考えたらええと思うねん。俺たち自身で賛成も反対も考えて、俺たち自身の答えを導き出そうぜ」とメッセージを投げたKoie。「Jägerbomb」で後半戦が始まると、拳を突き上げて頭を振り乱して気持ちを解放しながら、大事な居場所を守るために自制心を持って楽しむ観客の姿がすごく誇らしく見えた。「俺たちにぶち殺されに来たやつ、どんだけおんねん? やろうぜ、中指上げろ!」と挑発して始まった「Countdown To Hell」の極悪サウンドで地獄に叩き落とすと、ラストはさらにギアを上げて「System X」から「Xeno」への最凶コンボが炸裂。「ひとつになろうぜ」と観客に呼びかけるKoieだったが、ライブが始まった直後からすでにひとつになっていたことは分かってたことだろう。
打首獄門同好会 撮影=烈
『TRIANGLE』の火を絶やさないため、形を変えながら音楽イベントを開催してるというこの状況下で、主催者も出演者も観客も誰もが心から思っていることを代弁してくれた「新型コロナウイルスが憎い」でライブをスタートした打首獄門同好会。「今日はいくら激しいバンドが来ても大丈夫。みんなヘドバン体操してるからさ! でも、ヘドバン体操で足りてるのか? 足の筋肉のコンディションがマックスになってないんじゃないか!?」と大澤敦史(Vo&Gt)がネタ振りして始まった「筋肉マイフレンド」で観客がスクワットを合わせたりと、全員参加型のライブスタイルで会場中を巻き込んでいく。「はたらきたくない」、「地味な生活」と誰もが共感出来る曲が続き、会場中が手を振り合わせて一体感を生むと、みんな打首に夢中。MCでは「苦しい時期が3年も続いてますが、「どんな制限があってもやるぞ」ってバンドたちはみんな強靭なハートを持ってるんで。暗い時期が続いたけど、これからは楽しみしかないと思うから。一緒に楽しんで行きましょう」と前向きなメッセージを送り、河本あす香(Dr)のパワフルなドラムとjunko(Ba)の重厚なサウンドも痛快な「きのこたけのこ戦争」を投下。さらに疾走感ある曲調に音頭調のパートも楽しい「歯痛くて」を披露すると、ラストは「日本の米は世界一」でフロアを沸かせる。コロナ禍で色んな武器を奪われながら、ルールの下でバンドの魅力を伝えていく術を模索し、形にしてきた打首。来年はビーチで会場中を巻き込んだ大騒ぎを見て、心の底から笑いたい。
ROTTENGRAFFTY
ROTTENGRAFFTY 撮影=かわどう(Tabata Daiki)
オープニング、爆音を浴びながらN∀OKI(Vo)「俺たちに全部委ねてくれ!」と叫び、テンション上がるギターリフから「金色グラフティー」でライブが始まると、一曲目からこのステージへの想いと覚悟が伝わる、渾身の歌と演奏で観客の心に迫ったROTTENGRAFFTY。観客も拳を突き上げ、クラップを合わせて、その想いに応える。「永遠と影」、「STAY REAL」と続き、激しさを増す演奏に、ギュンギュンと拍車をかけるN∀OKIとNOBUYA(Vo)のツインボーカル。「マナーとかルールとか、色々ややこしいけどさ。ここまで守ってくれてるみんな、ほんまめっちゃカッコいいわ! 「めちゃくちゃヘッドバンキングすること」はルールで許されてますよね!?」とNOBUYAが挑発し、N∀OKIが腕をぶん回して始まった「This World」は、ヘドバンで波打つフロアの観客と攻めまくった歌と演奏のバチバチのぶつかり合いに火花が散る。MCでは「4年ぶりに『TRIANGLE』に帰ってきました。去年も一昨年も色々ありましょうが、最終的には継続することが一番やと思ってます。貫いてあの場所を取り戻しましょう!」と告げたN∀OKI。「ロック好き、ライブ好き、そしてPROJECT FAMIRYに心から捧げます」と、たっぷり気持ちを込めて届けた「Familiarize」に全員が手を振り合わせて始まった後半戦は、四つ打ちの「D.A.N.C.E」で踊り狂って、混乱混迷の世界をここからブチアゲていこうという願いと希望を込めた「ハレルヤ」で熱く激しくフィニッシュ。そう、どんなにシンドく苦しくても、俺たちにはライブハウスがあるし、ROTTENGRAFFTYがいるのだ。
coldrain 撮影=かわどう(Tabata Daiki)
3日間に渡って開催された、『TRIANGLE'22 Keep on Doing in Zepp Fukuoka』最終日もいよいよ大トリのcoldrainを残すのみ。SEと拍手に迎えられ、楽器隊に続いてステージに登場したMasato(Vo)が「『TRIANGLE』大トリ! We are coldrain!!」と高らかに名乗りを上げると、激しくもどっしりと安定感のある歌と演奏で魅せた「ENVY」で会場を揺らす。「REVOLUTION」でさらにフロアを沸かせ、序盤から貫禄のステージで圧倒した彼ら。3カウントでジャンプを合わせて始まった「Adrenaline」は、Katsuma(Dr)とRxYxO(Ba)の重厚かつ疾走感あるビートにSugi(Gt&Cho)とY.K.C(Gt)のギターアンサンブルやヘヴィなリフ、伸びやかなハイトーンからスクリームまで多彩に歌いこなすMasatoのボーカルで、表現力の豊かさとスキルの高さを見せつける。「3日間のバトン、受け取りました。coldrainの答えはひとつ、激しい音楽やって帰ります!」と宣言するMasatoに拍手が起きると、「Rabbit Hole」、「F.T.T.T」と宣言通りに激しい曲が続いた中盤戦。激しさの中にある美しさやエモーショナル、テクニカルな面もcoldrainの大きな魅せ場。MCではMasatoが『TRIANGLE』の思い出や思い入れを語り、「ライブハウスにネガティブな話なんていらねぇと思ってます。ここで感じたことをもって、明日より強く生きて下さい。俺たちはただ、人の気持ちを裏切らないように音楽を届けに行きます」と今の素直な気持ちを伝えるべく、最新アルバム『Nonnegative』から「Before I Go」、「PARADISE (Kill The Silence)」を連投。coldrainの最新型を見せつけた後は、「せっかくなんで、友達と一緒にやろうと思ってます」とKoie(Crossfaith)を呼び込み、「The Revelation」を披露。友情パワー全開、抜群のコンビネーションを見せるツインボーカルで熱く激しくラウドなステージを見せ、感動と興奮のエンディングを迎えた。
イベントの最後。興奮しながら登場した長岡大雅が「明日からそれぞれの生活に戻っていきます。だけどこの3日間、そして今日の思い出と経験があれば、僕たちは絶対、大丈夫です。また必ず会いましょう!」とメッセージを送り、フロアから温かい拍手が起きる。最高に楽しかったライブの思い出をそれぞれの生活の糧にして。そして、9月3日(土)、4日(日)にLASPARK RESORT内特設ステージにて開催される『TRIANGLE’ 22 Acoustic Resort』や、来年の夏こそ完全復活するであろう『TRIANGLE』への期待をそれぞれの生活の糧にして。明日からもたくましく胸を張って、日常を生きたい。

取材・文=フジジュン

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