特別展『大地のハンター展』を探検、
案内役の漫画『BEASTARS』キャラに注
目してると……気付いたときには食べ
られちゃう!? 

大地のハンター展 ~陸の上にも4億年~ 2022.7.16(SAT)〜9.25(SUN) 大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール
大阪市立自然史博物館ネイチャーホールにて、9月25日(日)まで特別展『大地のハンター展 ~陸の上にも4億年~』が開催中だ。同展では、動物が生きていくために必要な営みである「捕食(捕らえて食べる)」に注目し、彼らの顎や歯、ハンティングテクニックなど、様々なハンターの起源と進化を紹介。展示する生き物たちは、陸に上がって4億年のうちに多様化したハンター(捕食者)たちの標本展示を中心に構成。東京にある国立科学博物館が誇る貴重なコレクションを中心に、大型のワニやヘビ、ネコ科の哺乳類、フクロウやタカなどの鳥類、ハチなどの昆虫類など、200種以上の標本が並ぶ。生態系におけるハンターたちの役割と重要性を解き明かし、ハンターが生きる自然の素晴らしさを体感しつつ、これからの地球環境について考えるキッカケとなる展示だ。今回は実際の会場の様子を一部ご紹介。見どころをチェックしてみよう。
気付いたときには食われてる!? 超大型から超極小のハンターが勢ぞろい!
「ハンター」と聞くと、獰猛で見た目も怖そうな生き物を想像するかもしれないが、その生態系の種類は様々だ。今回の展示では絶滅したものから現生のものまで、哺乳類、爬虫類、両生類、鳥類、昆虫類の標本や剥製を展示。可愛い見た目をしているのに驚きの技で捕食する生き物から、人間の何倍もの大きさをした白亜紀の生き物まで。生き物が陸に上がって進化した4億年もの長い年月のなかで、多様化した「ハンター」たちの生態について知ることができる。
今回展示されている標本は今にも動き出しそうな迫力のあるものばかり。なかでも注目が「ヨシモトコレクション」。ハワイの日系二世の実業家、ワトソンT・ヨシモトが後半生をかけて集めた哺乳類の剥製だ。血管や筋肉など生きていた時のままを再現するような剥製は、他とは違う、生き物の美しさを感じることができるはずだ。
ほかにも、テレビの動物番組に出演し人気を博した「千石先生」こと、動物学者の千石正一が国内外で採集した貴重な両生類や爬虫類標本「千石コレクション」など、価値の高い標本が展示されている。東京にある、国立科学博物館が所蔵する貴重な標本や協力機関が所蔵する重要標本が一堂に会する、ほかにはない「捕食者の展示」はここでしか観ることができないものばかりだ。
また、同展では標本や剥製だけでなく、画像や映像もふんだんに展示。どうやって生き物が捕食するのか、貴重な捕食の瞬間を収めた映像は必見だ。標本や剥製を観て、実際に彼らがどんな動きをするのか気になる人もいるだろう。大阪市立天王寺動物園で実際に飼育している動物を紹介するパネルもあるので、同展のあとに動物園に会いに行くのもオススメしたい。
4つの章で多彩な「ハンター」の魅力に迫る!
同展は「太古のハンター」、「大地に生きるハンター」、「ハンティングの技術」、「フォーエバー・大地のハンター」の4つの章で構成されている。各章の展示の一部を紹介していこう。
梶裕貴による音声ガイド
と、その前に入場時にぜひ手にしてほしいのが音声ガイドだ。ナレーションを担当するのは、大人気声優の梶裕貴。様々なハンターの魅力を詳しく説明してくれるので、より展示を楽しむことができる。
『BEASTARS』のキャラクターたちが案内役として登場
さらに、今回の展示では大人気動物版青春漫画『BEASTARS』とコラボ! 人気キャラクターたちが会場のあちこちに出没し、展示の見どころを楽しく紹介してくれている。ハイイロオオカミの「レゴシ」やアカシカの「ルイ」たちのセリフ仕立てのイラストにも注目してほしい。
恐竜を食べていた!? 「太古のハンター」の迫力にびっくり
第1章「太古のハンター」では、中生代に活躍した両生類や爬虫類、新生代の大地に栄えた哺乳類など、太古に活躍したハンターを化石や骨格標本を通じて紹介している。太古の時代に生きたハンターといわれると、恐竜を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、生息環境の頂点に常にいたのは恐竜ではない。太古の時代には、最強だと思われている恐竜を食べていたと推測されるワニ類や哺乳類もいたらしい。普段は捕食する側の恐竜が捕食される側として紹介されるのも、『大地のハンター展 ~陸の上にも4億年~』ならではだ。
ワニは約2億3千万年前の三畳紀に出現して以来、現生までほとんど形を変えずに水辺の生態系に君臨し続けているハンター。同展では、白亜紀の陸生ワニ形類としては例外的な大型種「デイノスクス」の生体復元モデルを展示。骨格形態の全体像は未だに不明なデイノスクスだが、その推定体長はなんと12m!! 史上最大のワニ類とされ、頭骨長は最大で約130cmにもなると推定されている。
デイノスクスの生体復元モデルの前でぜひ体験してほしいのが記念撮影だ。同展では入場時にフォトスポットでの撮影用QRコードを配布。施設内に3カ所ある撮影スポットで、QRコードをかざすと大迫力の記念写真を撮ることができる。
撮影は何度でも撮りなおしが可能。展示の最後に写真を選び、2Lサイズにプリントしたものを購入できるので記念にぜひ! オススメスポットはデイノスクスの前。ハンターに捕食されてしまったポーズで撮ってみよう。
ほかにも、大阪大学豊中キャンパスで発見された、日本で初めてのワニ類「マチカネワニ」の化石標本(複製)も展示。まさか大阪でワニの化石が見つかるなんて……。太古の時代を想像するだけでもワクワクしてくる。
あっちにもこっちにもハンターがずらり。「大地に生きるハンター」
第2章「大地に生きるハンター」では、さまざまな地球環境に順応している現生のハンターを展示。「水辺」、「森・密林」、「草原」、「荒野(砂漠・岩場)」と、4つの生息域ごとに代表的なハンターを紹介している。
まずは「水辺のハンター」。動物は生きるために必要な水を得るため、水辺に集まってくる。そのため、必然的に多くのハンターも水辺に集まる。ここでは、水辺に君臨する「アメリカアリゲーター」の大型剥製、巨大な「ヒグマ」、動かない鳥として有名な「ハシビロコウ」などの動物を展示。
なかにはミュージシャン、THE ALFEE坂崎幸之助が長年飼育していたワニの個体を、剥製にした標本も展示されているので、ぜひ探してみてほしい。
次に「森・密林のハンター」へ。陸地の3割を占める森や密林にも数多くのハンターが生息している。森に潜んでいるもの、樹上に登り立体的に狩りを行うものなど生き物の種類も様々。ここではネコ科のハンターである「トラ」、群れで狩りをする「オオカミ」のほか、「トビトカゲ」などの珍しい小動物も紹介している。
ほかにも、「草原のハンター」では超有名な肉食ハンター「ライオン」やハイスピードで狩りを行う「チーター」などを紹介。「荒野(砂漠・岩場)のハンター」では「フェネック」や「マヌルネコ」などの見た目も可愛い動物が。「ユキヒョウ」は狩りをする瞬間そのものを剥製標本にしていて、今にも動き出しそうな表情をしている。
生息域ごとだけでなく、「おびき寄せ・待ち伏せテクニック」のコーナーでは道具を使って獲物をおびき寄せるユニークな動物を紹介。「暗闇のハンター」では、20種類以上の世界中のフクロウの標本を集めた特別展示に。日本に生息する世界最大級の「シマフクロウ」は羽を大きく開いた瞬間を剥製標本にしていて、その大きさは迫力満点だ。
さらに、ここで注目してほしいのが、生き物たちの紹介カードだ。生き物たちの名前、分類や学名などのほか、どこに生息し、どんなものを捕食しているのか。そしてどんな方法でハンティングするのか。同じ鳥類でも、捕食方法や食べるものが異なっている。今にも動き出しそうな標本や剥製を見比べながら学べるので、想像力も高まりそうだ。
テクニシャンなハンターが勢ぞろい! 「ハンティングの技術」
アリだけを食べる「オオアリクイ」
第3章は「ハンティングの技術」について紹介。ハンターたちは獲物を狩るために最適な体の仕組みや技術を獲得、進化させてきた。ほかの生き物にはない特別な能力を持つハンターから、特定の獲物だけを狙う「偏食」なハンター。毒を狩りに利用するハンターなど、多彩な狩りのテクニックに驚くばかり。
大きな体をしているのにアリだけを食べる「オオアリクイ」。想像するとちょっと怖い、体液や血液を吸う「タガメ」や「ナミチスイコウモリ」。ここでびっくりしたのが、人間の血を吸う「蚊」も立派なハンターとして紹介されていること。観ているだけで思わず腕が痒くなる……。
このエリアでは昆虫類のハンターたちを数多く紹介。「クモ」の展示では、世界最大から水中に生息するもの、ゴキブリを食べちゃう種類など、見た目はちょっと背筋がゾワゾワしちゃうけど、意外な捕食方法でハンティングするクモたちを紹介。
「ハチ」では世界最大のススメバチから、美しい色をしているけれど毒で捕食するハチ、エサをゾンビにして捕食してしまう恐ろしい技を持つハチまで登場。普段は目にすることがない、多様性を持った生き物たちがずらりと並んでいる。
人間は残念なハンター!? 生態系のバランスについて考えてみよう
最後は「フォーエバー・大地のハンター」。これまでに紹介した生き物たちはみなどれも生態系のピラミッド構造をなしている。肉食動物は草食動物より数が少ないし、より高次の捕食者は草食動物を狩る一時捕食者よりも数が少ない。そのため、最高層の動物の減少は生態系のバランスに大きな打撃を与えることになってしまう。
人間による思慮のない活動のために数を減らしたハンターがいれば、逆に生息域を広げてしまったハンターもいる。ここでは、人間によって絶滅してしまったハンター、人間の手によって持ち込まれた外来のハンターを取り上げている。人間と地球の生き物たちとの持続可能なバランスある関係作りに向けたメッセージに触れてみよう。
ハンターは身近な場所にも! 夏休みの自由研究にもオススメ
動物園や水族館で気軽に観られる動物から、公園や庭にもいる身近な昆虫まで。同展を通じて、実は意外な場所にハンターたちが生息しているのが分かるはず。同展をキッカケに、狩りの方法をもっと詳しく図鑑で調べてみたり、野外観察に行ってみるのもおもしろいかもしれない。夏休みの自由研究として、ハンターたちの多様性に触れてみるのもオススメだ。
同展の最後のコーナーでは公式図録や人気イラストレーターのカナヘイとのコラボグッズなどを販売しているので、ぜひともこちらもチェックを。大人から子どもまで世代を問わず楽しめる、特別展『大地のハンター展 ~陸の上にも4億年~』。この夏休み、もっともっと生き物が好きになりそうだ。
取材・撮影・文=黒田奈保子

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