“1933ウクレレオールスターズ” サ
ザン・関口和之呼びかけのもと高木ブ
ー、野村義男、荻野目洋子らが集結、
初のホールワンマンの公式レポート到

サザンオールスターズのベーシストであり、自らをウクレレ愛好家=“ウクレリアン”と称する、キャプテン・関口和之呼びかけのもと、高木ブーを象徴として、ウクレレ王子・野村義男、歌姫・荻野目洋子、口笛女王・分山貴美子、カホン家元・はたけやま裕、バンマス・YANAGIMANという豪華な顔ぶれのウクレレ好きミュージシャンたちが集結し、今年本格始動した“1933ウクレレオールスターズ”。8月10日(水)にリリースしたばかりの関口和之10年ぶりのソロ作品『FREE-UKES』(読み:フリーユークス)の収録曲で、“1933ウクレレオールスターズ”として初作品化された楽曲を引っ提げ、初のホールワンマンライブを8月16日に開催した。本記事では、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

開演時間となり、横浜を象徴する建物のオブジェがずらりと並ぶステージに、関口和之、野村義男、分山貴美子、はたけやま裕、YANAGIMANが登場。関口・野村がウクレレ、分山がウクレレと口笛、はたけやまがパーカッション、YANAGIMANがベースという編成で、バンドの登場テーマ曲として関口が書き下ろしたオリジナル楽曲「宝船来航」からライブをスタートした。
本公演は、関口和之が1933年生まれの伝説のコメディアン・高木ブーと「ウクレレでオーケストラのようなバンドを作りたい」と描いた24年来の夢を実現する形で結成した“1933ウクレレオールスターズ”の初ホールワンマンライブ。今年活動を本格化させた同バンドが3月にBillboard Live YOKOHAMAにて初めて本格的なライブを開催した際、このバンドは“ウクレレ七福神を乗せた宝船”と例え、「また夏に逢いたいなぁ!」とMCで話した、キャプテン・関口の言葉を実現する形で真夏の横浜に再来。その幕開けにふさわしい1曲に、歓声を出すことができない会場からはいつも以上に大きな拍手が湧き起こる。
広い世代に知られる名曲「BITTERSWEET SAMBA」に続けて演奏されたのは、東京から横浜を繋ぐ国道“第三京浜道路”を走る様子をイメージして制作された新曲「恋する第三京浜」。軽快なウクレレサウンドの上に、涼しげな口笛の音色が会場に響き渡る。「第三京浜、大好きなんです。横浜の海に向かっていくワクワク感がね。」と、この日も都内から第三京浜道路を走り会場入りしたという関口のエピソードも挟み、野村義男のオリジナル楽曲「優しい奇跡」へ。4曲披露したところで、「もう一人のお友達を呼んでいいですか?」と関口が呼び込んだのは、“1933ウクレレオールスターズ”の歌姫・荻野目洋子。バンド加入から約1年、「関口さんに声をかけてもらって本当に嬉しかった。初めてのライブはとても緊張したのを覚えています」と当時を振り返る場面もありながら、荻野目をボーカルとして迎えまず演奏されたのは新曲「空の下、星の上」。
1933ウクレレオールスターズ スペシャルライブ「盆ボヤージュ!YOKOHAMA」
関口が約30年前から温めてきたというこの楽曲を、”荻野目ちゃんに歌ってもらえるなら”と、8月10日(水)にリリースしたばかりの関口和之10年ぶりのソロ作品『FREE-UKES』のために完成させ、この日ライブで初披露。荻野目の伸びやかで、子守唄のような穏やかな歌声と、関口のコーラスに観客は耳を澄ませ、演奏が終わると同時に会場は大きな拍手に包まれた。
続けて、荻野目洋子のオリジナル楽曲「虫のつぶやき」に加えて、アニメソングとしても有名な「カントリー・ロード」、The VenturesWalk Don't Run」と、様々な楽曲を披露。多様なジャンルの名曲がウクレレバンドならではのアレンジに昇華され、観客の手拍子で会場が一体となっていった。
「それでは、 “1933ウクレレオールスターズ”の象徴をお呼びしたいと思います。皆さん、準備はいいですか?」と関口が呼び込んだのは、日本のハワイアンミュージックシーンを切り拓いてきた高木ブー。アロハシャツに身を包み、両手にダンサーを従えて登場した高木をボーカルに、ハワイアンソングの定番「ON THE BEACH AT WIKIKI」・「小さな竹の橋」・「珊瑚礁の彼方に」・「ブルー・ハワイ」をメドレー形式で披露。ウクレレに出会って74年になるという高木に、好きなハワイアンソングについて関口が質問するシーンでは、「最近は日本のハワイアンソングを探しています。ソフトで耳障りがいい。高齢者ですから!」と会場の笑いを誘う。フラダンサーもステージに華を添え、常夏のハワイを感じさせる雰囲気へと会場を導いた後には一転、関口による作詞・作曲で高木とその娘さんとの親子愛を描いた楽曲「パパの手」へ。ニューアルバム『FREE-UKES』に収録された音源はストリングス中心の伴奏が心に響く仕上がりになっているが、本公演ではウクレレと口笛の音色が印象的なライブアレンジで披露された。“1933ウクレレオールスターズ”のメンバーとともに奏でる優しいメロディにのせて、娘とのかけがえのない絆を高木自身がハートフルに歌いあげ、温かな感動が会場を包み込んだ。
ライブ終盤を迎え、ボーカルマイクは再び荻野目に託され、「コーヒールンバ」・「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」をウクレレアレンジで演奏。荻野目の代表曲が“1933ウクレレオールスターズ”のメンバーの手によってトロピカルなアレンジへと生まれ変わり、会場の盛り上がりは最高潮へ。
ラストナンバーとなったのは、ジャズのスタンダードナンバー「ブラジル」。曲中で関口がひとりずつメンバーを紹介、それぞれのプレイにスポットが当てられ客席からは大きな拍手が送られる。最後に「そして私がキャプテンこと、関口和之でした!この夏はまだまだ続きますよ!」と挨拶、会場を大いに沸かせ本編を締めくくった。
アンコールで再びステージに上がった関口は、コロナウイルス感染拡大の影響で来場がわなかったファンのことも気遣いつつ、「今日皆さんとお会いすることができて、本当に幸せです。ありがとうございます。」と、一期一会のこの夜に感謝の気持ちを伝えた後、横浜を舞台にしたサザンオールスターズの名曲で、新録曲としてアルバム『FREE-UKES』にも収録された「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」のウクレレ多重奏カバーを初披露。原曲に忠実に再現したという心地よいウクレレサウンドと美しい口笛の音色で、会場に爽やかな港の風を吹き込ませたところで、再び高木ブーとフラダンサーを呼び込み、「最後はやっぱりこの歌で盛り上がりましょうよ」と、ザ・ドリフターズのカバー「いい湯だな」へ。御年89歳を迎えた高木の力みなぎる「ビバノンノン」という掛け声を合図にオーディエンスとの一体感を生み出し、ピースフルな空気が漂う中、真夏の一夜限りのスペシャルライブは大団円を迎えた。
1933ウクレレオールスターズ スペシャルライブ「盆ボヤージュ!YOKOHAMA」
先週リリースされた関口和之10年ぶりのソロ作品『FREE-UKES』。“ウクレレの複数形”を意味する“UKES”というキーワードとともに、タイトルに掛け合わされた“FREE”は、言葉の通り“自由”を示している。多くの人々に自由な気持ちでウクレレミュージックを楽しんでほしいという関口の想いが、ウクレレ好き自由人である“1933ウクレレオールスターズ”のメンバーとともに体現された本公演。ウクレレで奏でる音楽をより多くの人々の身近なものとすべく関口が掲げる「日本ハワイ化(ウクレレ化)計画」は2022年、ウクレレ夏の時代の幕開けを告げた。本日の公演名ともなった“盆ボヤージュ!”を合言葉に、“ウクレレ七福神を乗せた宝船”= “1933ウクレレオールスターズ”の航海は続く!

撮影=高田 梓

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