宝塚歌劇団宙組公演『黒い瞳』 WOW
OW『宝塚への招待』で放送を前に愛月
ひかる&蒼羽りく収録レポートを公開

WOWOWが、宝塚歌劇の各組選りすぐりの公演や大劇場公演を放送する『宝塚への招待』。2022年8月27日(土)午後0時15分より、2019年に宝塚歌劇団宙組で上演された『黒い瞳』を、昨年宝塚歌劇団を退団した元星組・愛月ひかると、元宙組・蒼羽りくの同期生2人の副音声解説付きで届ける。
1998年に月組が初演し、2011年に雪組が再演したミュージカルを、2019年に宙組が博多座で上演した『黒い瞳』は、文豪プーシキンの「大尉の娘」をモチーフとしたミュージカル。18世紀の帝政ロシア時代に起きた「プガチョフの乱」という歴史上の事件を背景に、恋と友情の物語が描かれる。
宙組トップスターの真風涼帆が、身分も民族も異なる女性との純愛、そして敵将となる相手との男同士の友情という二つのドラマに翻弄される役どころをみごとに演じ切る。愛月はプガチョフを、蒼羽はマクシームィチ伍長を演じている。
副音声の収録中「懐かしい!」と感激した様子の2人は、仲間たちの姿が映し出されるたびに「この踊りはすごい」「この衣装の着こなしはなかなかできない」等々、作品の裏話に花を咲かせており、収録を心の底から楽しんでいる様子だった。
収録を終えた愛月は「副音声収録ということで、フルで喋り続けるというのはどんな感じだろうと思っていました。はじまる前はちょっと不安でしたが、そこは(蒼羽)りくと、お互いちゃんと補いあって助けあえたので本当にありがたかったです」と満足げな表情。
それを横で聞いていた蒼羽も「わたしもどうなるかなと思っていましたが、愛ちゃんが本当に細かくいろいろと覚えていて、すごいなと感じました。わたしは見ながらいろいろと思い出していったのですが、こういうことがあったなとか、この時こうだったなっていうのがすごく懐かしかったです。でも、二人で久しぶりに作品を見ながら喋っていると、本当に当時のことや作品のこと、組のことなどを思い出して楽しかったですね」と続けた。
愛月にとっては組替えが決まった宙組最後の作品、そして蒼羽にとっては退団公演となる『オーシャンズ11』の直前の作品ということで、2人にとって「とても思い入れが強い作品」だったという。
愛月ひかる
「やはり自分にとっても宙組を出るというのはものすごい決断でしたし、不安もありました。でもそれこそ同期のりくたちが一緒にいてくれたということもありますし、何か背中を押してくれるような作品だったなと思います。プガチョフという役は本当に難しい役でしたが、真っ正面から取り組んだことで、今振り返ると、自分の今後の宝塚生活に生かされていたなと思います。自分が最終的に目指すべき男役像の基盤となったというか、そういう意味でも大切な作品だった」という。
その言葉に「ファンの方たちもこの先、愛ちゃんが専科に異動するのは分かっていた。そういうのを踏まえて、この舞台を見ていた部分もありますよね」と付け加えた蒼羽。自身にとっても退団直前の舞台となったが、「わたしも『黒い瞳』の時には、自分が卒業することは分かっていたので、本当にやりきろうという気持ちがすごく大きかった。いただいた役も、すごく心を動かす役でしたので、向き合っている時間が楽しかったです。それと楽屋が同期の男役3人でしたが、みんな一緒に頑張ってきた同期ですのですごく楽しい公演だったことを覚えています」と述懐。
蒼羽りく
その言葉を聞いた愛月は「わたしも確かこの公演中に、りくから次で退団するという話を聞きました。だから自分だけでなく、りくもそういう思いで臨んでいたというのを知りました。元々、りくは面倒見がいい人ですけど、この時はより一層、下級生に何かを伝えなきゃということがあって、お稽古中に熱心にアドバイスをしている姿はよく見ていたなと思い出します」としみじみ振り返った。
2007年、宝塚歌劇団に93期生として入団した2人は、お互いのことを「一番の戦友だと思います」と語り合う。この日の収録も和気あいあいとした様子で、深い信頼関係を結んでいる様子がうかがい知れた。

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