FUNKY MONKEY BΛBY’SとCreepy Nut
sが対バン、『SOUND CONNECTION~GR
EAT RESPECT~』でリスペクトと熱い
想いを届け合う

『SOUND CONNECTION~GREAT RESPECT~』2022.7.2(SAT)大阪・大阪城音楽堂
MBSテレビが関西のイベンターやエンタテインメント業界とタッグを組み、関西から音楽シーンを盛り上げる音楽イベント『SOUND CONNECTION』。NulbarichVaundyが出演した5月の第1弾に続く第2弾は、「GREAT RESPECT」をテーマに、昨年再始動した2MCグループ・FUNKY MONKEY BΛBY’ Sと、HIP HOPユニット・Creepy Nutsによる2マンイベントで開催。史上最速で梅雨明けし、記録的な猛暑となったこの日は、少し暑さが和らいだ16時30分に開場し、大阪城音楽堂にたくさんのお客さんが集まった。
FUNKY MONKEY BΛBY’ S
FUNKY MONKEY BΛBY’S
先攻は、2021年3月からグループ名の表記を変え、ファンキー加藤モン吉の2人で活動を再開したFUNKY MONKEY BΛBY’ S。サポートDJのバカムスコ翔が中央のブースで盛り上げると、「サウンドコネクション!」と叫びながらファンキー加藤とモン吉が両サイドから勢いよく登場。久しぶりにライブを観るであろう10数年来のファンも、初見のCreepy Nutsファンも秒で巻き込む国民的ヒットナンバー「ちっぽけな勇気」の求心力はすさまじい。
FUNKY MONKEY BΛBY’S
白Tとデニム、麦わら帽子という夏の装いが似合いすぎるふたりはステージの端から端までとにかく全力疾走。衰えることのないガッツあふれる全力パフォーマンスを最初から見せられたら盛り上がらない訳はない。総立ちのオーディエンスの手が左右にふられる景色は壮観だった。「会いたかったよ! みんな元気にしてた!? その拳に無限の可能性が秘められていることを忘れないでください!」曲終わりにたくさんの拳が天に掲げられた光景は、早くもこのイベントの成功を予感させた。

FUNKY MONKEY BΛBY’S

そしてハンドクラップから夏にピッタリなドライブ感が心地良い「ナツミ」へ。もうワクワクが止まらない展開。「みんなが暑い中来てくれたから、前半の2曲でみんなと同じだけの汗をかいてみました!」とファンキー加藤。ワンマンライブのような完璧な一体感で会場がひとつになったオープニングだった。イントロのピアノで思わず歓声がもれたミディアムナンバー「告白」では、ふたりの声が重なったときの独特の響きとオーラに改めて惹きつけられる。MCでは「今をときめくCreepy Nutsさんと2マンライブができるなんて光栄」(ファンキー加藤)、「おれたちシンプルにファンだから」(モン吉)とラブコールを送った。
そして6月29日(水)に発売したばかりの「ROUTE 16」も披露。NMB48・渋谷凪咲のジャケットやMVでも話題となった新曲は、二度と戻れないあの季節に寄り沿うサマーチューン。懐かしい2ndシングル「恋の片道切符」へと続き、心地良い風に吹かれながら、せつない夏の想い出に思いをはせる時間が愛おしい。
FUNKY MONKEY BΛBY’S
「会いに来てくれてありがとう! 夢や希望が持ち辛い世の中でも、心が折れても立ち上がる力を失っちゃダメ。俺たちは音楽で応援していきたい。応援ソングばっかりと言われるけど、俺たちは本当にみんなが明日に希望を抱けるようにと願ってる。みんなの明日に一筋の光が舞い降りるようにこの曲を」
そんな真っすぐなファンキー加藤の語りが感動を呼び「あとひとつ」でたくさんの人差し指が空に。応援ソングとして普遍的な魅力を持つ国民的ヒットナンバー。今までたくさんの人たちの背中を押してきた美しいメロディーが包容力たっぷりに会場に響き渡る。みんなの手がまっすぐにのばされて、これからの時代に希望を見出すような景色がつくられた。
FUNKY MONKEY BΛBY’S
後半戦を前に、ステージ上で酸素吸入&入念にストレッチをするふたり。終始、一切手を抜かない全身全霊のパフォーマンスをくりひろげているのだ。「もう若くないからね(笑)」(モン吉)、「まだ元気残ってる?いけるか大阪!? 手を上げたりタオル回したりしよう!暴れる準備できてる?」(ファンキー加藤)。後半戦は、最後の力を出しきるかのように曲毎に座り込むほどのパフォーマンスを見せるファンキー加藤。ふたりの熱いステージングにオーディエンスも負けじと手拍子のコール&レスポンスで応戦した。

FUNKY MONKEY BΛBY’S

今までさまざまな制限がある中ライブをしてきたが「きょうは野外だからタオルふりまわしてOKだって! ちょっとずつ俺たちのライブを取り戻していこうぜ!」と改善しつつある状況に喜びを語るファンキー加藤。ラストナンバー「悲しみなんて笑い飛ばせ」で、色とりどりのタオルが空を舞うシーンは感動的。タオルを回してみんなで身体を動かすことがこんなにも楽しいものだったとは。
FUNKY MONKEY BΛBY’S
「オイ!オイ!」「yeah!」と我慢できずに(マスクを着用した上で)みんな声が出てしまっていたけど、これこそが音楽のパワー。<前に進んでいけばいいさ>という歌詞のとおり、ちょっとずつ状況が変わっていけばと願わずにはいられない。音楽の持つ眩しいほど純粋な力を改めて教えてくれたふたりだった。
FUNKY MONKEY BΛBY’S
Creepy Nuts
Creepy Nuts
「俺がお客さんやったらあんな最高なライブされたらもう帰る!」(R-指定)
「俺も。全員(お客さん)帰るかと思った」(DJ松永)
「すごいもん見せられた。俺らが学生のときからヒットチャートを賑わしてる人たちが俺ら相手に死ぬ気できてくれましたね…。胸借りてカマしましょか!」(R-指定)
最大級のリスペクトを込めた宣戦布告とともにはじまったCreepy Nutsのライブ。まだまだパワーがあり余っていそうなお客さんに安心しつつ、1曲目は当然「板の上の魔物」。心なしかアクション大きめなDJ松永のプレイ、反撃体制のR-指定のライム。士気あげられまくりのパフォーマンスだけではなく、アレンジもアグレッシブに進化を遂げている。ふたりの挨拶変わりの超絶技巧に圧倒されながらも、ハンドクラップでくらいつくオーディエンス。「ベイビーズ(ファンモンのファンの総称)のみなさんにも俺らのヤバさがバレる!」と煽った「バレる!」へ続き、会場は、涼しくなっていく夕刻の気温に反して熱気が増していく。「合法的トビ方ノススメ」で、合法的にジャンプでぶっとんだ完璧な盛り上がりに「めちゃくちゃええ感じです! 大阪城ありがとう!」R-指定は満面の笑みを見せた。
Creepy Nuts
そして6月1日(水)に配信されたシングル「2way nice guy」の爆上げパーティチューンが華やかに会場を彩り、4つ打ちビートが野外音楽堂をダンスフロアに。リリース前からライブで大盛り上がりだったというこの曲。彼らのひき出しの多さに驚かされる、これからのフェスで大活躍しそうなナンバーだ。
Creepy Nuts
前半4曲をとばし、ここで水分補給タイム。MCでは敬愛するファンモン兄さんたちに再度物申す2人。「後輩相手にやりすぎやんな? 一緒に飛び跳ねたかった。あのテンションで最後まで。あれだけの熱量で伝えられるのがとんでもない」(R-指定)、「あのロケットスタートみた? 山本KID級! 国民的ヒットはすごいよね」(DJ松永)とファンモン愛にあふれたトークが止まらない。さらにキャッチーなメロディーやポジティブなメッセージ以外にもライムが変態的!とファンモンファンとしての持論を熱く語るR-指定だった。
Creepy Nuts
「みんなを後押ししてくれるファンモンに対して、我々はアタマからケツまで<俺の話>しかしません(笑)。個人的な話の中に共感する瞬間があるのがヒップホップの醍醐味」と彼ら独自のヒップホップスタイルを語る場面で、スタイルは違えど、別の角度からモチベーションをあげてくれる2組の親和性の高さを感じさせた。そして、マジックアワーが美しい19時すぎ。夜がはじまる最高のタイミングで「よふかしのうた」がスタート。オーディエンスは松永の怒涛のスクラッチにGUN FINGERのハンドサインで賞賛を送った。
Creepy Nuts
中盤、セットリストのサビともいえる重要なつなぎでDJ松永がミスをする場面も。「対バンで緊張してるんか?」(R-指定)と爆笑トークで切り抜ける技はさすがの一言。「この曲は俺の話であり、松永の話であり、みんなの話でもある」と絶妙なフォローで出世作「かつて天才だった俺たちへ」へ仕切り直すとDJ松永は、見事なプレイでミスを取り返した。歌詞の世界感を身をもって体現してみせたが、その後もミスるところも含めて全部演出と言い張ったり、セットリストの調整で小競り合いをはじめたりとふたりの掛け合いでこれでもかと笑わせてくれる。
Creepy Nuts
3月に配信リリースしたシングル「パッと咲いて散って灰に」も披露され、力強いメロディーがポジティブなパワーで満たして、ハンドクラップを誘導。すっかり暗くなった会場に「Bad Orangez」のエモーショナルなメロディーが響く。彼らのアンセムとなりつつある「サントラ」は、R-指定の魂のこもった歌唱がライブごとにドラマティックな瞬間を生み出し続けている。
Creepy Nuts
「いろんな制限があるけど、音楽を生で届ける灯を消さないでおこう。ちょっとずつ以前のような光景に近づきつつある」とライブシーンへの希望と想いを告げるR-指定。予定終演時間から20分オーバーとなった濃密なライブのラストを飾るナンバーは「のびしろ」だ。「みなさんの未来には「のびしろ」しかありません!」コロナ禍の制限の中、オーディエンスが習得した身体のレスポンスを最大限に発揮し、ハンドクラップが鳴り響く中、「GREAT RESPECT」というテーマにふさわしい2組と音楽の未来をつないだイベントが幕を閉じた。
Creepy Nuts
取材・文=岡田あさみ 写真=オフィシャル提供(松本いづみ)

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