堀江由衣

堀江由衣

【堀江由衣 インタビュー】
いろいろな受け取り方が
できるところがいい

自分のライヴ音源を出すのは、
今でもちょっと恥ずかしい

同日にはこの春に開催された『堀江由衣 LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部II〜放課後リピート〜』のライヴ音源も配信されます。謎解きゲームとライヴというふたつのエンタメを同時に楽しんだ感覚で、2倍の楽しさがありましたね。最後に伏線回収の説明をされていましたが、伏線の細かさから堀江さんのライヴにかける熱量が感じられました。アイデアは基本的に堀江さん主導で?

そうですね。2019年に開催した『堀江由衣 LIVE TOUR 2019 文学少女倶楽部』で作った幕間の映像が発端で、その時は映画の予告編のような意味深な台詞だけを言って、何となくストーリーっぽくなっているものを作ったんです。今回はしっかりとストーリーとして作って、前作からもつなげつつ、たまたま自分が観て面白かった映画がタイムリープするお話だったので“タイムリープを取り入れたい!”と。で、さらに“全体にエモい仕上がりにしたい”ということをテーマにして、構成の諏訪 勝さんと一緒に考えていきました。

そうなんですね!? 誰か謎解き監修の方がついているのかと思いました。

入ってくれていたら、どれだけ楽だったことか(笑)。というか、物語を作るのってすごく大変なことなんだと身をもって経験しました。特に時間の概念が入ってくると分からなくなっちゃうんです。“この歴史を変えたらここにはつながらない”とか、そういうものが積み重なって、どんどん分からなくなっていって。“タイムリープものは、何て難しいんだ!”と頭を抱えました(笑)。

その幕間の映像がライヴステージにも反映されていて。

そうなんです。幕間の映像で起きていることをステージにもリンクさせたら、きっと面白いんじゃないかと。それでバンドのみなさんにもスカートを履いて出てもらったり、いろんなことをしました。

伏線を確認するためにも何度も観たいと思ったライヴでした。

そこがツアーのいいところで、1回観るだけでも成立するし、2回目、3回目で伏線を確認してもらうみたいなことができたらいいなと思っていました。ミステリー映画は何度も観たりするじゃないですか。ああいった感覚で2回目以降は1回目とは違った見方ができて、何度観てもらっても面白いと思ってもらえるものを意識しました。

配信は楽曲のみでMCなどは入らないとのことですが、そういう部分では純粋にライヴ感のある歌と演奏を、このツアーならではのセットリストで楽しんでもらう感じですね。

セットリストは1stアルバムの収録曲から最新の曲まで、いろんな時期の楽曲が満遍なく入っているから、アニメのタイアップ曲もまあまあやったので聴いたことのある曲もたくさんあると思います。

最近はライヴ音源をリリースすることが珍しいので、とても貴重なことだと思いました。

私自身、正直なことを言うと恥ずかしいんですよ。前回出した時も“ちょっとどうかな?”と思ったんですけど、お客さんがとても喜んでくださったので、それなら私の恥ずかしさくらいどうってことないと思って。ただ、私自身が聴く側として考えた時に、好きなアーティストさんがライヴ盤を出してくれたら“聴きたいな”と思います。レアだし、昔の曲を今どういう感じで歌っているのかを知りたいし。なので、自分なら嬉しいと確かに思うんですけど、自分のライヴ音源を出すのは、今でもちょっと恥ずかしいです。

演奏はライヴアレンジだったりするのですか?

多少違うところはあるかもしれませんけど、バンドのみなさんも私が歌いやすいように、お客さんが聴きやすいように、お客さんそれぞれで好きな音もあると思うから、それを崩さないように意識して演奏してくださっています。でも、どこかの公演で「YAHHO!!」を歌っている途中でパソコンが止まって、シークエンスの音が全部出なくなってしまった時があったんです。

その時はどうなったんですか?

キーボードの方がマニュピレーターも兼ねていて、パソコンが止まったのは自分のせいだと思ったらしく、そこから急にキーボードをガンガン弾き始めたんです。“覚悟を決めたな”って思いましたけど、“パソコンから出るはずだった音も俺が埋めてみせるぜ”みたいな勢いだったので、“パソコンが止まったことをめっちゃ気にしてるじゃん!”と思いました(笑)。でも、おかげで途中で止めることなく最後まで歌いきれたんですけど、まさに生のすごさとか生の良さを感じる出来事でしたね。

人間の手で、その場で奏でられるものの良さがありますね。

やっぱり違いますよね。以前はカラオケでダンサーさんが多めのステージを作っていくことが多かったので、そうするとオケってずっと同じだから、そういう意味での新鮮さはなかったんです。生のバンドで演奏していただくと、私自身も新鮮に聴こえますし、音源と同じように弾いていただいたとしても、やっぱり新鮮さがまったく違いますね。「YAHHO!!」の時は正直に言うとすごく楽しかったので、いつかわざと止めて、ミュージシャンの方がアワアワしながらどんなアドリブを繰り広げるのか聴いてみたいと思いました(笑)。

それだと、ただのたちの悪いドッキリですよ(笑)。そのマニピュレーターさんのアドリブ演奏は収録されていませんが、聴きどころが満載のライヴ音源なので、これを聴いて次のライヴに行きたいと思ってくれたらいいですね。

前回はお客さんのかけ声も入っていたんですけど、今回はコロナ禍での開催だったので、かけ声を出してもらえないぶん、当日いろいろなことをやってもらったんです。ペンライトの色を変えてもらったりとか。そういう部分でのライヴの盛り上がりが音源でどう伝わるのかは未知数ですけど、みなさんのペンライトから出ていた音がかすかにでも入っているかもしれないですね。来てくださった方は私からめちゃめちゃ叩き込まれた振り付けを踊るもよしだし、ライヴを思い出しながら聴いてもらえたら嬉しいです。

取材:榑林史章

配信シングル「秘密の庭のふたり」2022年8月7日配信 KING RECORDS
    • ※詳細はオフィシャルHPをチェック
配信アルバム『堀江由衣ライブツアー2022文学少女倶楽部II ~放課後リピート~』2022年8月7日配信 KING RECORDS
    • ※詳細はオフィシャルHPをチェック
堀江由衣 プロフィール

ホリエユイ:“ほっちゃん”という愛称で親しまれ、キュートなルックスに加え、その透明感のある声が魅力的な超人気声優のひとり。代表作に『ラブひな』の成瀬川なる役や『とらドラ!』櫛枝実乃梨役、『化物語』羽川翼役など。ソロアーティストとして多数の作品をリリースしており、2012年9⽉に発売したアルバム『BEST ALBUM』はオリコンデイリーチャートで最⾼3位を獲得。また、ライヴは⽇本武道館、幕張メッセ、国⽴代々⽊競技場第⼀体育館などをはじめ、2018年には『KING SUPER LIVE 2018』で東京ドーム公演や上海公演に出演。堀江由衣 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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