笑い飯×好き好きロンちゃん 新宿L
OFTのイベントで異色の共演を果たし
た二組が語り合う、“笑い”とは? 

ロフトグループの音楽ライブハウス4店舗(新宿LOFT、下北沢SHELTER、渋谷LOFT HEAVEN、下北沢FLOWERS LOFT)が今春、16日間にわたり開催した2マンシリーズイベント『ATTACK FROM LIVEHOUSE』。コロナ禍で大打撃を受けるライブハウスの現状でも、ライブハウスからもっと音楽を発信していきたいという強い想いを抱え、世代やジャンルを超えたバラエティーに溢れるアーティスト達の組み合わせを実現した。その出演陣のなかでもひときわ話題になったのが、笑い飯と好き好きロンちゃんの共演だ。イベント当日、笑い飯は長尺の漫才を、ロンちゃんは音楽ライブを披露、さらにセッションも行ない異色の共演を果たした両者に改めて集まってもらい、当日の感想から双方の印象、今後の野望までを語り合ってもらった。
――4月20日(水)新宿ロフトで開催された、好き好きロンちゃんと笑い飯のツーマンライブ。ライブも最高でしたが、ライブ後もロンちゃんと西田さんのツーショット写真がバズったりと大きな話題を呼びました。一緒にライブをやっての感想はいかがでしたか?
ロンちゃん:好き放題やらせてもらって楽しかったですし、笑い飯さんの包容力に感激しました! あの夜はお二人に抱いていただいた感じでした(笑)。
西田:あはは。僕はやる前は得体が知れなかったんですが、やってみたら楽しかったし。ロンちゃんも愉快な人だったなぁという感想でした。
哲夫:ロンちゃんのことはライブに呼んでいただくまで存じ上げなかったんですけど、“下ネタとラーメンの歌を歌ってるアイドル”ということで、とんでもない人がいるなと思いました。(4月20日の)ライブは僕ら、長尺でネタをやらせていただいたんですが、お客さんもノリが良くてすごく楽しかったですし、良い空間だなと思いました。
――1本目のネタが終わった時、アンコールの手拍子が起きましたからね。
西田:あれは劇場では、まず無いですからね。
哲夫:「さすが、下ネタとラーメンの歌で盛り上がってるお客さんやな!」と思いました。
ロンちゃん:ちょっとアホなんです、みんな(笑)。
――確かにこの二組でツーマンと聞いて、「面白そう! 行かなきゃ!!」と思う人って、変わり者といえば、変わり者ですよね(笑)。
ロンちゃん:そうですね。でも、僕の名前と笑い飯が並んだ時、「絶対に見たい!」と思ってくれる人がいるだろうなとは思いました。僕はもともと、「西田さんに似てる」とよく言われてまして、自分でも似てるなと思ってたんですけど。BOBOというドラマーがいて、彼がテレビに出た時に、「笑い飯 西田に似てる」とネットで話題になって。BOBOの方が注目され始めたら、凄く悔しくなっちゃって。「本当の西田は俺だからな!」と、本人と言い争いにもなったんですけど(笑)。BOBOはすでに西田さんに実際に会って、対談もしてて。その時、BOBOが僕の事を西田さんに話してたんですよね?
西田:そうなんです。「もう一人いるんです」という話は聞いてました(笑)。
ロンちゃん:で、それに対して、西田さんが「そういうこっちゃない!」と言ってたって聞きました(笑)。
西田:あはははは。
ロンちゃん:でも今回、ご一緒する機会が出来て、実際に会っても「似てるな」と思ったし。ライブの時に、僕と西田さんが並んで撮った写真の顔を入れ替えてSNSにあげたら、それがバズったんですよね。知り合いが作って送ってくれたんですけど、最初は自分でも全然気付かなくて。「なんでこの写真を送ってきたんだろう?」と思ってたら、「実は顔が入れ替わってます」と言われて、「マジで!?」って(笑)。あの写真、全く一緒でしたもんね?
西田:一緒でしたね。だから顔認証とか、あんなん危ないですよね?
ロンちゃん:多分、携帯とか開くと思います。「双子より双子だ」って言われましたから(笑)。
西田:サイズ感とかも絶妙な感じで似てて。
ロンちゃん:そう、姿勢とかも似てるんですよね。
■似てる似てるって言われてる人って、実際に並んでみるとそんなに似てなかったりする事もあるんですけど。「こんなに似てるんだ!」ってなりましたね。(ロンちゃん)
――顔の入れ替え写真は、バンドマンがすごく反応していましたね。
ロンちゃん:みんなビックリしてました。似てる似てるって言われてる人って、実際に並んでみるとそんなに似てなかったりする事もあるんですけど。「こんなに似てるんだ!」ってなりましたね。その後、BOBOと会う機会があったので並んで写真を撮って、顔を入れ替えてみたんですけど、それはあんまり似てなかったですね。僕とBOBOは違う顔でした(笑)。
――「俺の方が似てるぞ!」ってことも、証明できましたね(笑)。哲夫さんはライブで二人に挟まれた時、「両方に同じ顔がおって、気持ち悪い」と話してましたが?
哲夫:コンビって立ち位置があって、僕はいつも向かって右側に立ってるので。それが入れ替わっただけで違和感があるんですけど、挟まれて立たれた時は立ち位置が変わった違和感プラス、「いや、両サイドかぇ!」みたいな違和感があって(笑)。そう思ってしまうくらい、そっくりさんでしたね。
笑い飯/西田幸治
――ロンちゃんはご自身の歌で《僕は笑い飯じゃないよ》と歌われていますが。西田さんは歌にされていたこともご存知なかったんですか?
西田:知らなかったです。BRAHMANは知ってたけど、好き好きロンちゃんは知らなかったので。似てる似てないの前に、「本当にBRAHMANの人?」って驚きがありました。
ロンちゃん:一応、別人っていう設定ではあるんですけど……俺、本当はRONZIなんですよね……。
――わははは! 設定ではあるけど、言っちゃうんですね(笑)。
西田:それで、ライブで歌ってる姿を見たら、歌ってる内容もBRAHMANとあまりに違うから、「本物かなぁ?」ってまだ疑ってたんですけど。ライブにメンバーの方が来てらっしゃったので、「あ、本物かぁ」ってようやく信じました。メンバーの方が来られてなかったら、まだ疑ってたと思います(笑)。
ロンちゃん:歌で西田さんの名前を使わせていただきながら、許可をもらっていなくて本当に申し訳ありませんでした!
西田:いえいえ。僕らもネタで色んな人の名前を使わせていただいて、許可をもらってはいないので全然構わないです。
――では、ここで晴れて公認ということで良いですかね?
ロンちゃん:いや、分かりませんよ? 対談が終わった後、「おい、テメェ!」ってなる可能性もありますからね。
西田:それは無いです(笑)。
■本当に好きなものを言うのって、めっちゃ恥ずかしい。風呂場で歌うとって、出て来た時にお母さんから「あんた上手に歌うてたやん」と言われる感覚に近くて(笑)。(哲夫)
――笑い飯のお二人は普段、音楽はよく聴いているんですか?
哲夫:僕はよく聴きますよ。
西田:僕はだんだん聴かなくなってきてるかも知れないですね。僕はヘヴィメタとか激しいのが好きで、学生の時は筋肉少女帯とかが好きで聴いていたんですけど。
ロンちゃん:あ~、やっぱり同世代ですね! 僕も筋少は大好きです。
西田:学生の頃から髪が長かったんですけど、髪の毛長いのもそっちの影響が多少あって。
ロンちゃん:あ、そうなんですね! やだぁ、すごい親近感湧く(笑)。
哲夫:僕は結構、オールジャンルで聴いてて。ロックもクラシックも好きですし、カッコつけてジャズも聴いたり。音楽は洋楽邦楽問わず、全般的に好きですね。
――学生時代に夢中になったアーティストとかいました?
哲夫:ジェネシスっていう、イギリスのプログレ系のバンドは好きでしたね。あとはエリック・クラプトンとかも好きやし、邦楽で好きなアーティストもおるし……でも、「俺、これが好きやねん!」とか言うのって、めっちゃ恥ずかしいんですよ。ジェネシスとかも大人になったから言えますけど、本当に好きすぎるものを言うのって、めっちゃ恥ずかしい。だから、「好きな音楽は?」って聞かれるとちょっと誤魔化したり、みんなも好きそうな人を言ったりして。本当に好きな人ってあんまり言えないんですよね。「レッド・ツェッペリンが好きです」とかやったら言えますし、実際に聴いてたんですけど。それが自分の究極のツボかと言われたら、ちょっと違って。本当に好きなものって、言いにくいんです。
――あ~、でもその感じは分かる気がします。
哲夫:仏教もそうで、好きすぎるから人に言いにくかったんです。本当に好きなものを人に言うのって、風呂場で歌を歌うとって、出て来た時にお母さんから「あんた上手に歌うてたやん」と言われる感覚に近くて(笑)。「これ好きやけど、上手にそれをしてて、バレた時に恥ずかしいな」って思ってしまうんですけど、それくらい音楽は好きやってことです。
西田:それで言うと、好き好きロンちゃんは人に言うのを隠される方ですよね? 「私、好き好きロンちゃんが好き」って大っぴらに言うのって、なかなか根性がいるというか。
ロンちゃん:ま、そうですね。友達に「こいつ大丈夫か?」って思われちゃいますからね。
哲夫:それは僕の言ってる話とは、ニュアンスがちょっと違うんやけど……(笑)。
好き好きロンちゃん
――あはは。ロンちゃんは昔、弾き語りで自分で曲を作っていたのがルーツになってると聞いてますが。曲を作っていた過去は隠してたんですか?
ロンちゃん:いや、別に隠してはいないんですけど、特別言う事も無かっただけです。大した事をやってたわけじゃないし、まぁ今も別に大した事はやってないんですけどね(笑)。
――今の曲って、学生時代に作った曲が元ネタになってる曲もあるんですよね?
ロンちゃん:学生時代に作った曲はさすがに恥ずかしくてやってないです。恋の歌を歌ってたんで、それはちょっと恥ずかしすぎる。僕の下ネタって照れ隠しなんで、下ネタに乗せないと言いたい事を言えないんです。
――恋の歌を真っ直ぐ歌うのが恥ずかしいから下ネタを入れてしまう、という感覚って、哲夫さんが本当に好きなアーティストを言えないって話に近いですよね?
哲夫:そうですね。僕は「仏教の本を書け」って会社から言われた時、ホンマに恥ずかしくて。交換条件として、次にエロ小説を出させてもらったんです。仏教だけやるのは恥ずかしいから、エロ小説を書く事でチャラ、みたいな(笑)。
ロンちゃん:じゃあ、根本は一緒ですね。
哲夫:ホンマですね。照れ隠しの下ネタと一緒の発想です。
■いいですね、下ネタに人が集まってくれて。下ネタに集まる人はええ人が多いと思いますよ。(西田)
――今日、それぞれの下ネタ感については聞きたいなと思ってて。笑い飯は2009年の「M-1グランプリ」で、伝説のネタと言われてる「鳥人」を披露した後、「チンポジ」ネタを披露して、物議を醸したじゃないですか?
哲夫:あれは照れ隠しじゃないですよ!?(笑)
――あはは。もちろん、照れ隠しではないと思うんですが。「M-1で下ネタってどうなの?」っていう意見もありましたよね?
西田:そうですね。でも、僕ら的にあのネタは下ネタだと思ってなくて、ラグビーのネタだと思ってますから。
哲夫:そう。最後はチンポジの応酬ですけど、それだけじゃないボケもありますからね。でもよく言われましたね、「わざと優勝を外しにいったやろ?」とか。でも全然そんな事なくて、正面から優勝を狙いにいって、あれやったんです。
ロンちゃん:僕は面白かったですけどね。僕のあの時の優勝は笑い飯でした!
――そうですよね。僕も結果、面白ければ下ネタだろうと何も問題ないと思うんですが、今、世の中的には過度に下ネタを嫌がる傾向もあって……。
ロンちゃん:え、最近は下ネタを嫌がる傾向があるんですか!? 全く気がついてなかったです……(笑)。
――いや、ロンちゃんはこれで正しいと思います。ま、「紅白歌合戦」に出るとかになったら、色々問題が出てきそうですけど(笑)。
ロンちゃん:紅白に出たら親にこれをやってる事がバレちゃうんで出ないと思います。親に内緒でこの活動してるんで……(笑)。親の前で下ネタって言えないですもんね。
哲夫:それはキツイですよ、一生無理です。
ロンちゃん:しかも女装ですからね。「こいつ、どうしたんだ!?」って事になりますから。
――あはは。でも、“面白い”を突き詰めたら下ネタだったとか、下ネタを介しているからこそ、本当に伝えたい事を伝えられるという表現方法もあると思って。
ロンちゃん:そうなんです。意外と歌ってる内容って、社会の事だったりするんで。それをおちんちんとか、うんちってオブラートに包んで……。
西田:それ、オブラートがだいぶ、おかしな事になってますけど。
ロンちゃん:はい、オブラートにしては味が濃すぎますけど(笑)。
哲夫:でも確かに曲を聴かせていただいて、メッセージは感じさせていただきました。歌詞に想いがこもってるなと思いましたよ。
ロンちゃん:それを感じ取ってもらえるとありがたいです! そこがなかなか伝わらなくて、「ふざけてるだけだ」とか、「下品な野郎だ」と思われる事も多くて……ま、その通りではあるんですけど。そこに想いが入っている事を感じてもらえると嬉しいです。
西田:キメの部分や繰り返しの部分に、たまたま下ネタが多いだけですよね。
ロンちゃん:そうです、そうです。
笑い飯/哲夫
――やっぱり伝わる人にはちゃんと伝わるんですね。笑い飯のお二人は『ATTACK FROM LIVEHOUSE』のライブで「Welcome to Ronzi's Home」もセッションして。曲を理解されてる上に、実際に歌ってますしね。
ロンちゃん:あ~、そうでした。本当にありがとうございました!
西田:僕らの「鳥人」のネタもアレンジしていただいて、一緒に参加してもらってね。やる前にちょっとした打ち合わせをしただけなので、思ったのと違うところもあったでしょうけど、大丈夫でしたか?
ロンちゃん:いえいえ、めちゃめちゃありがたかったです! ただ、VTRで見返すと、反省点もいっぱいありました。漫才中、ちょっと俺ヘラヘラしてるんですよね。やっぱり笑い飯さんとやる時は笑顔になっちゃダメだなと思って。薄笑いも浮かべない方がいいですね(笑)。
西田:あ~、言い合いの感じを出すのにね。
ロンちゃん:はい。だから、その辺はちょっと反省しました。
哲夫:あ、そんな漫才寄りの反省やったんですね(笑)。
ロンちゃん:いや、漫才をやるって本当に大変な事で。タイム感だったり、表情だったり、台詞だったり、色んな事に意識を回さなきゃいけないって事が、実際にやってみてよく分かりました。やっぱり笑い飯ってすごいですよ、日本一ですから! その横に並ばせてもらうには、もうちょっとちゃんと練習しなきゃいけなかったなと思いましたし。僕を受け入れてくれた、笑い飯の包容力の凄さに感心しました。
西田:いやいや、ロンちゃんが書いてくれた台本が、ちゃんとありましたから。
――でも台本に無かったであろう、西田さんとロンちゃんの言い合いのところも息が合ってて、すごく面白かったですよ。
ロンちゃん:まぁ、素人レベルですけどね。
西田:いや、面白かったですよ。お客さんにもよう笑ってもらいましたしね。
哲夫:反省されたってことでしたけど、全然堂々とされてたと思いますよ。変に緊張してたら、ウケるものもウケなくなったりしますけど、「さすが舞台の人やな、堂々と演じられてるな」と思いながらやってました。
西田:ライブ全体で見ても、お互いに歌を歌って、ネタをやって。一緒にネタをやって、歌を歌わせてもらってという流れがすごく良かったなと思いましたし。見てる方はだいぶ楽しんでもらえたんじゃないかな? と思いますよ。
――笑い飯のお二人はライブハウスで歌うのも珍しいと思いますが、歌はいかがでした?
西田:歌は緊張しましたね! 間違えないようにって、頭がいっぱいいっぱいでした。
哲夫:ライブハウスで歌うことなんて、無いですからね。
ロンちゃん:でも、バッチリでしたよ!
哲夫:ちゃんと色分けしてパート分けしてくれてあったので、分かりやすかったです。
ロンちゃん:どうやったら伝わるかな? と思って、歌割りの歌詞を色分けして送りました。歌でも漫才でも、人に伝えるのって難しいですよね? ネタを考える時も、口頭でしか無理ですよね?
西田:そうですね。書いてとかよりは、実際やってみてですね。
ロンちゃん:すごいなぁ。僕はね、やっぱり漫才が一番すごいと思いますよ。僕の音楽はわりとガチガチに決まった事をやるんですけど、漫才はそこじゃないエッセンスがすごく必要になってくると思って。そのスキルがね、僕にも欲しいです。
哲夫:あはは。漫才って言うたら、普通に喋ってることの一番先の方にあるぐらいの感じやと思って。師匠とか見てると、「あ~、こういうのを上手くやらはったんやな」と思うこともあるんですけど。音楽もリズムであったり音符であったりが大事やから、それをやらはるのはすごいなと思いますよ。それは僕らはできないことですからね。
ロンちゃん:でも、歌は完璧でしたよ。僕がやって欲しいと思ってた通りの事を、そのままやって下さいました。だから、やっぱ天才なんだな! と思いました。
哲夫:お~、じゃあ歌って良かったです(笑)。
西田:あの曲、ライブでも歌ってたじゃないですか?
ロンちゃん:あれ? あの日、歌いましたっけ?
――TOSHI-LOWさんと一緒に歌ってました。
ロンちゃん:あぁ、そうか!(笑)
西田:だから、「あ、これ俺らが歌う曲だ!」と思って、「なるほど、ここは野太く歌うのか」とか思いながら見てて、お手本が寸前にあったからできたんですけど。事前に見てなかったら、あの感じで歌えてなかったと思います。ただ、「お手本として歌ってくれてるんや、優しいな」とずっと思っていたら、そうじゃなかった事が、いま分かりました。
ロンちゃん:全然、そんなつもりはなかったです(笑)。
――あはは。あとあの日、たくさんお客さんが集まってくれて。コロナ禍になってから見ることが無かったくらい、お客さんがフロアを埋め尽くす風景を見れたことも嬉しかったです。
哲夫:そうですよね。僕らもコロナ禍になってから、あれだけ人がバーッて入っているのは久しぶりに見た感じがしました。
西田:お笑いの劇場もゴールデンウィークくらいから満席になったりしましたけど、それまでは半分入ってたら、「今日は入ってるな」って感じでしたからね。やっとお客さんが戻って来つつあって、良かったなと思いますし。ライブハウスが久しぶりやったんで、すぐに反応が帰ってくる感じもすごくええなと思ったし、楽しいなと思ってやってました。オンラインの仕事も多くて、それはそれで面白さもありましたけどね。
――去年、笑い飯が全国ツアーを発表した時、「配信ライブが増えている中、お客さんの前でやる生の舞台の大切さがわかった」と話してましたよね?
哲夫:そうですね。やっぱり、反応が直接返ってくるっていうのが良いですよね。
西田:僕ら単独ライブをやると、年配の人や、孫とおばあちゃんが来てくれたりしてるんです。そこで自分らでも「こんな年配の人も来てくれるんや」って驚いたりして、そんなんが見れるのも良いですね。この間のライブはBRAHMANのお客さんも多かったんですか?
ロンちゃん:どうなんですかね? それももちろんいると思うんですけど、コロナでライブハウスに行きたかったけど、なかなか行けなくて、「これなら見てみたい!」って思って来てくれた人も多かった気がして。というのも、ステージに立った時の固唾を呑んで見守るみたいな感じが凄かったんです。だから、最近はコロナ禍でずっと我慢してて「でも来たい」って思った人が来てくれたんじゃないかな? と思いました。前はライブをやってる時ですら、もうちょっと見てる人の気持ちがバラけてるんじゃないかなって感じはあったんですけど。本当に全員の視線がステージに向けられてるのが分かったので。期待感というか、「待ってました!」という雰囲気はやっぱりすごかったですし、お客さんも満足されたと思います。
哲夫:お客さんがみんな良い顔してましたもんね。僕らが漫才する前にさんざん下ネタを聴かされてるお客さんやから、どんだけ汚れた顔してるかと思って見てみたら、みんなホンマにええ顔してて。「うんこ投げられた後やのになぁ」と思って見てました(笑)。
――あははは。終演後のロンちゃんのチェキ会もすごい行列ができていましたね。
ロンちゃん:西田さんがいたら、もっとすごい事になってたと思いますけどね(笑)。
西田:グッズはどんなのを売ってるんですか?
ロンちゃん:グッズはTシャツですとか、タオルですとか……。
西田:良かった、アダルトグッズではないんですね(笑)。
ロンちゃん:僕の中に一応、線引きがあって。品のない下ネタは言わないようにしているんです。うんちとかちんことかは言うんですけど、セックスとは言わないとか。だから、アダルトグッズを売るとか、ちょっと品がない事はしたくなくて。グッズはTシャツとかタオル、あとラーメンアイドルなのでレンゲがあったり。チェキはプリティな感じで一緒に撮って、お客さんを騙してます(笑)。
西田:言い方が悪いですね(笑)。でもいいですね、そうやって下ネタに人が集まってくれて。下ネタに集まる人はええ人が多いと思いますよ。
ロンちゃん:心に余裕がありますよね(笑)。あと子供ですね。僕、4歳児にすごく人気があるんです(笑)。3歳でも5歳でもなく、4歳がちょうど良いみたいです。
哲夫:物事を理解し出した頃にある、一番身近な笑いですよね。
ロンちゃん:そうですね。理解し出してるけど、そこまで深く知ってないくらいの感じが良いんじゃないですかね。だから、大人で僕の事を好きでいてくれる人は、4歳くらいの感覚の人なんだろうなって。良い意味でいうと純粋、悪い意味でいうとバカっていう(笑)。
西田:ロンちゃんはうんこちんこみたいな、ギャグマンガも好きやったんですか?
ロンちゃん:『おぼっちゃまくん』とかは見てたし、面白かったですけど、単行本を買ってまでは読まなかったですね。買って読んでたマンガは『ドラゴンボール』なんで。西田さんはギャグマンガは読まれてました?
西田:好きでした。『コロコロコミックス』のうんこだ、おならだって下ネタが、笑いのベースになってます(笑)。
ロンちゃん:おならってちょうどいいですよね。どんな真剣な事を言ってても、“プ~ッ”って音が出たら、それだけで場の空気が楽しく変わるじゃないですか。だから、そういう事なのかな? って……ま、どういう事なのかは分からないですけど(笑)。
哲夫:いや、屁に勝るものはないと思いますよ。老若男女、みんな笑ってくれるのは屁やと思うし。子供と屁で遊んでたら楽しいですしね。僕は毎回、屁をこいたら子供のせいにするんですよ、「おまえ、屁こいたやろ?」「違う、お父ちゃんや」って。それを毎回やるんですけど、楽しいし笑ってくれますもんね?
ロンちゃん:そうですね、平和な笑いですよね。でも、奇しくも今、戦争してる人がプーチンというね。プーでチンなんだから、もっと面白くしてくれればいいのに……って、不謹慎ですみません。ちょっと社会派な面が出ちゃいましたね……。
哲夫:やっぱり、下ネタにも想いがこもってるんですね(笑)。
■またご一緒したいと思うんですが、大事なものにしたいので安売りはしたくない。ただ、笑い飯さんの全国ツアーのツアーファイナルの日はたまたま空いてます(笑)。(ロンちゃん)
――あはは。ツーマンライブをやって、こうして対談をやって、せっかく仲が深まったので、また共演の機会があると良いですね。
西田:そうですね、ぜひぜひ。
哲夫:ぜひ、お願いしたいです。
ロンちゃん:僕もまたぜひ、ご一緒したいと思うんですが。大事なものにしたいので、安売りはしたくないという気持ちもありますね。ただ、笑い飯さんの全国ツアーのツアーファイナルの日はたまたま空いてるので……(笑)。
西田:あははは。そんなん、出てもらったりしても良いんですか? まだ出演者が固まってないので、なんとかねじ込む方向で考えさせていただきます(笑)。
ロンちゃん:あと、このご時世ですので、コロナとかで出れない人がいたら、前日のオファーでも良いので、言っていただければホイホイ伺います。
西田:出れなくなるのが僕かも分からないですからね。僕の穴埋めをしてもらうかも分からないですよ?(笑)
ロンちゃん:その時は一生懸命やらせていただきます! とりあえず哲夫さんの横に立ってれば、バレないかも知れないので(笑)。
哲夫:お客さんが「ちょっと、ちゃうけどなぁ」と思いながら見てても面白いですよね。
取材・文=フジジュン 撮影=MAYUMI
撮影地=新宿LOFT http://www.loft-prj.co.jp/LOFT/

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