アルバム『water;echo』ブックレット

アルバム『water;echo』ブックレット

The;Cutlery、
アルバム『water;echo』の
ブックレット発売決定。
漫画家・nifuniとの対談を公開

2020年4月に1stアルバム『water;echo』をリリースしたThe;Cutlery(読み:カトラリー)が、同作のブックレットを発売する。ブックレットのイラストを担当するのは、Cakesにて連載され、『少年ジャンプ+』にて好評連載中のリメイク版『左ききのエレン』(作者:かっぴー)の作画を担当している漫画家・nifuni。かねてより人気漫画『左ききのエレン』のファンだったというThe;Cutleryの福島裕太(Gu)のラブコールにより実現した今回のブックレットは、1stアルバム『water;echo』を手がかりに試行錯誤を重ねた最高傑作に仕上がった。

『左ききのエレン』で漫画随筆デビューを果たし、原作のクリエイターとしての群像劇を描きながら、自身もまたクリエイターとして奮闘するnifuniとThe;Cutleryが共鳴し誕生したブックレット制作のエピソードから、バンドの根底にある想い、互いの現在地に至るまでをThe;Cutleryのメンバー4人と漫画家・nifuniの言葉から紐解く。
アルバム『water;echo』ブックレット

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――1stアルバム『water;echo』の世界をさらに展開するブックレットを発売されるわけですが、漫画家・nifuniさんとのコラボレーションはどのような経緯で実現したんですか?

福島:ブックレットの発案をしたのは僕なんですけど、『少年ジャンプ+』で連載中のリメイク版『左ききのエレン』は毎週の楽しみに読んでいたんです。毎週買うくらいジャンプっ子で、漫画も大好きでいつかアニメの主題歌を担当できればという想いもあったんです。そんな中で、今回自分たちが作品を出そうという時に、CDが売れない時代だから試行錯誤しないとなと感じて。

――確かに、サブスクリプションの出現で、どうCDを買ってもらうか工夫も必要な時代になりました。

福島:RADWIMPSさんがCDは出さずにブックレットを発売するということをやっていて、僕たちも何かやりたいと思った時に思い浮かんで。僕は歌詞は物語だと思っているから、イラストレーターさんとのコラボでも良かったんですけど、今回は漫画家さんのほうがより物語が伝わるんじゃないかと思って人を探しました。そうしたら、リメイク版『左ききのエレン』の作画は原作とは違う人が描いていることを知って、見つけちゃったんですよ…ホームページを。

nifuni:メッセージフォームから連絡が来たんですよね(笑)。

福島:正直、返信は来ないと思ってたんですけど、あの時はタイミングがすごい良かったんですよね。「ちょうど、その週に東京にいるのでお話できませんか?」というふうに話が進んで。

nifuni:どんな仕事でも受けるわけではないので、音楽を聴いて「あわないな」と思ったら断るようにしているんですけど、直感的にピンと来たので引き受けました。どんな想いで活動をしているとか、いろいろなお話を伺いました。リメイク版『左ききのエレン』がデビュー作だったので、最初から大事なアルバムのお仕事をするのも心配があったので、まずはバンドロゴの提案をして、それが受け入れられてもらえたので、ブックレットの制作に取り掛かりました。
アルバム『water;echo』ブックレット

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――そこで信頼を重ねて、ブックレットの仕事を引き受けたんですね。今回のようなコラボレーションは初めて?

nifuni:そうですね。バンドロゴの制作もはじめてで。でも、一緒に作品を創っていけそうな感覚がありました。結構、時間もいただけて。ふみをさんとも世間話をお話ししたりして。制作の話が出たのはもう2年くらい前なんですけど、時間があったので技術的にも成長した部分も反映できたと思います。

――バンドが持つ雰囲気や楽曲の物語性が感じられて、素敵な作品に仕上がってますね。

福島:nifuniさんが、すごい細かい提案をたくさんしてくれたんですよ!

nifuni:前職がジュエリーデザイナーなので、この石はどういう特徴があってといった素材選びからオーダーメイドでお客様の意見をヒアリングしていて。「これがいいですよ」と言うにしても、ジュエリーは高い買い物なので、理由がしっかりしていないと不安じゃないですか。そういった部分が反映されたんだと思います。

――完成したブックレットを見て、率直にいかがですか?

ふみを:純粋に凄く綺麗で、感動しました。CDのジャケットにもなっている紫陽花がモチーフになっていたのも嬉しかったし、第三者から見たThe;Cutleryのあらたな一面にも感じられましたね。光とのグラデーションも開くと分かるんですけど、バンドのことを汲み取っていただけて。一番わかりやすいのは、あの羊のキャラクターだと思うんですけど、私は性別でカテゴライズされることに違和感を感じているところがあって、そのことを伝えました。男らしいとか女らしいに違和感を感じていて、なので多様性というか、どちらにも見えないような感じでお願いしたんです。

nifuni:羊のキャラクターはバンドの全員の要素を含んでいるというか、擬人化したらこんな感じかなというイメージで描きました。お花はライヴを観に行った際にマイクに挿してあったので、大事にされているんだろうなと感じてモチーフにしようと思いましたね。あとは、光というところで月をキーアイテムとして取り入れたりもしています。

Pino:私はバンド内でアートワークを担当していて、今までの経験から、口下手なメンバーの想いを汲むのは大変だろうなぁと思っていたんですけど、最初にnifuniさんからいただいたラフを見た時に、すごく安心しました(笑)。
アルバム『water;echo』ブックレット

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――改めて、今作の世界観が見事に体現されている作品であり、さらなる作品の深化がブックレットからも期待できますね。

ふみを:そうですね。The;Cutleryの作品には “水“がつく作品がいくつかあるんですけど、水って人間に欠かせないものでもあるけれど、水に堕ちていく感覚は苦しくて。それが人間のバイオリズムになんだか似ている感じがするんです。時にそれは命を救うし、脅威になることもある。それは表裏一体であって、自分の感情を一番表現してくれるのも水だと思うんです。それがブックレットでも表現されているので、楽しみにしていてください。

nifuni:私自身、皆さんの音楽をモチーフにこういうふうに任せて描かせていただけることってそんなに無いので、非常にありがたかったです。世界観や伝えたい想いもしっかりしていて、刺激をもらうことも多かったし、私もバンドのいちファンとして、音楽を広められるお手伝いができたならすごく嬉しいですし、自分の表現したいこともブックレットの中で表現できました。相乗効果になるんだったら絵描冥利に尽きるし、そういう想いで挑めたのが、凄く嬉しかったです。

取材・文:後藤千尋

※ブックレットは2022年内中に発売予定
※インタビュー全文は近日オフィシャルHPに掲載

【ライブ情報】

『SAKAE SP-RING 2022』
6月05日(日) 愛知・名古屋サーキットイベント

『The;Cutlery × しらぬい共同企画「東京type」』
6月10日(金) 東京・新代田FEVER
出演:The;Cutlery、しらぬい、チョーキューメイ、downt

『華の乱-2022-』
6月19日(日) 東京・下北沢サーキットイベント
会場:下北沢近松 / MOSAiC / LIVEHOLIC / WAVER(全4会場)

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