Editor's Talk Session

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【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
コロナ禍における
アイドル運営の葛藤と秘策

生の楽しさこそが
ライヴに足を運ぶ意味

千々和
とはいえ、今は感染拡大の状況によっては制限がある中でもライヴを開催したり、他グループとの共演もできるようになりましたね。
西川
今でも難しいと感じているのはサーキットイベントですね。うちは大阪が拠点なので、近場のライヴハウスだったらいいんですけど、遠征をした時は出番が終わった瞬間にお客さんがいなくなったりして、お客さん呼んでいるのがうちのグループくらいだったりするんですよ。遠征は時間もお金もかかるので、この状況では頻繁に行くのは当分難しいなと。
岡部
うちは多数の出演者がいるイベントには出ないようにしています。イベンターさんも大変な状況なので、物販を出すにも手数料がかかったり、コロナ禍以前とは条件がかなり変わっているんですよ。運営的なジャッジメントとしては、対バンイベントはあくまでプロモーション宣伝の一環として考えて、自主企画に他のグループを呼んだりして、なるべく自社で完結のできるものにしています。
千々和
バンドのライヴだと、そもそも人気がないとお客さんからの声出しってないんですよ。でも、アイドルのライヴでは200人キャパのライヴでも歓声やコールがあるので、声出しNGっていうのが特にお客さんの足が遠のく理由のひとつになっていると思います。
西川
状況を見つつではありますけど、自分の箱で主催する時はマスク2枚付けていたら声出しOKにしているので、“声出しできるなら行く”って来てくれる方もいますね。アクリル板も立ててやっているので、もちろんクラスターは起こっていないです。感染が広がるのって、だいたいが楽屋なんですよ。
岡部
そうですね。お客さんは入場時に体温を計って、アルコール消毒もしているのに、出演者や関係者の管理が甘いっていうのは目にするので、それで文句を言ったこともあります。その状態で楽屋の1フロアーに人が集まっちゃったら、もうダメですよね。うちは事務所の周りにライヴハウスがあるので、ライヴがある日は事務所内の部屋をメンバーの待機場所に使う時もあります。あと、そういった状況でクラスターを出したところがちゃんと公表をしないんですよ。それはフェアじゃないですよね。一時期はビジネスにも影響すると思いますけど、ちゃんと対応したほうがあとあとプラスになるのに。もっとひとりひとりが意識して行動していれば防げることがザルになっていて、そりゃお客さんも来なくなるよって思う時もあります。
西川
そこは自分たちだけが注意していても意味がないですからね。
千々和
お客さんが飽きてしまわないように工夫をしながら、自社で完結できる範囲での活動がメインになるわけですね。
西川
なので、今はライヴ力を上げることに集中しています。さっきも言った生歌の話にもなりますけど、ライヴに足を運ぶ意味っていうのは、やっぱり生の楽しさだと思うんですよ。
岡部
同感です。せっかくライヴが通常通りに再開できても、お客さんがいなかったら意味がないですからね。私たちは私たちが考えるコンセプトのものを作っていかないと生き残れないんじゃないかと思います。
石田
コロナ禍の中で切磋琢磨したからこそ、生き残るための方法が明確に見えましたね。
岡部
はい。横並びで同じようなイベントに出ていたグループが何組もなくなっているし、今もまだ油断ならない状況なので。ライヴの開催自体もそうですけど、きっとまたお客さんもライヴを控えるようになると思うんです。私も西川さんと同じ考えで、そうなると最終的にはグループのコンセプトや、楽曲の良さに戻ってくると思います。
西川
そうですよね。だから、僕たちは信じているものを作り続けます。

OKMusic編集部

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