【04 Limited Sazabys
ライヴレポート】
『YON EXPOʼ21』
2021年11⽉28⽇ at 幕張メッセ
間髪入れずに「Warp」「My HERO」と演奏の加速度を上げ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのトリビュート参加曲「未来の破片」の力強さ漲るカバーも聴き応え十分だった。“かかってこいよ!”とRYU-TAが煽ると、2ビートで駆け抜ける「monolith」を皮切りに、「escape」「Alian」「Utopia」とバチバチのアサンブルで観客をジャンプさせる至福の光景が広がっていく。次の「fade」においてはステージ上の炎とスモークの量が尋常ではなく、GEN曰く“劇場版フォーリミ”の言葉に偽りない非日常感で観客を昇天させていった。
次に荒ぶるロックナンバー「Jumper」につなぐと、中盤すぎには恒例のアコースティックコーナーへ。「Terminal」、続けて2014年の初・幕張メッセのライヴで1曲目にやったという「Buster call」の2曲を披露。GENは伸びやかな美声はここ幕張メッセでも存分に発揮。その流れでステージ上のミラーボールが煌々と回る中で「midnight cruising」を投下する。壮大なる幻想世界に誘ったあと、「Cycle」の《止まらない未来 目を逸らさず進め》の歌詞にも激しく鼓舞されてしまった。
後半は「Letter」「hello」、観客をあえて座らせて「milk」と歌モノを丁寧に届ける姿も印象的で、“俺たちの人生はまだまだ続く!”と宣言して「Feel」を、さらに「Squall」とエモーショナル全開に突っ走り、多くの人たちにカタルシスをもたらしていた。アンコールではフォーリミ主催の野外フェス『YON FES 2022』が3年振りに帰ってくるお知らせもあり、個人的にも非常に嬉しかった。そして、バンド/ロックシーンやみなさんの未来に光が射すようにという願いを込めて「swim」をドロップ。希望輝くメッセージでフロアーを照りつけると、ラストは「Give me」で観客全員を笑顔にさせるファンな空気を作り出して大団円。
全26曲を駆け抜けた今回のワンマンは気負わず、飾らず、普段着(ライヴ中に衣装を3回チェンジしたけれど!)の兄ちゃんたちが非日常の宴を繰り広げているムードにあふれていた。職場(幕張メッセ)に招かれたとはいえ、バンドにとっても、ファンにとっても居心地の良いホーム的な空気感も同時に感じた。炎やスモークを含む大掛かりな舞台セットと、どこまでも変わらない温かな人間味を放出し続けるフォーリミ。そのギャップの激しさに筆者はずっと魅了され続けているのだろう。毎回、平気な顔をしてすごいことをやってのけるロックバンドがフォーリミなのだ。そのカッコ良さを改めて噛み締めた最終公演だった。
撮影:ヤマダマサヒロ/取材:荒金良介
関連ニュース