【超特急 ライヴレポート】
『BULLET TRAIN 10th Anniversary
Super Special Live
「DANCE DANCE DANCE」』
2021年11⽉23⽇
at さいたまスーパーアリーナ
恒例となっているリョウガによる影アナを経て、ついに迎えた開演。広大なさいたまスーパーアリーナの客席全体で一斉にペンライトが光を放つ様が壮観! そして、10年間の日々の中でのメンバーの成長が伝わってくる粋なオープニング映像を経て、カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシがステージに登場した。新型コロナウイルス感染予防のために8号車(超特急ファンの呼称)は声を発することができない。しかし、マスク越しで浮かべた笑顔、掲げたペンライトの動きが、会場全体の空気を明るいものへと変えていた。
アルバム『Dance Dance Dance』が11月にリリースされたので、同作の収録曲である「Magnifique」「Добрый день」「Dance Dance Dancing!」「같이 가자」などはもちろん披露。超特急のライヴを盛り上げる曲が一気に増えたことを印象付けてくれた。そして、最新の彼らの姿を感じたからこそ、お馴染みの曲たちの魅力を鮮烈に再確認できたことにもぜひ触れておきたい。今回の公演のために用意されたスペシャルメドレーは、本当にカッコ良かった。歴代のシングル曲が一気に駆け抜けながら“クール”“可愛らしい”“面白い”“セクシー”“ユニーク”“ぶっ飛んでいる”“規格外”…超特急がさまざまな表現スタイルを追求し続けながら唯一無二の輝きを手にしていったことが示されていた。“こんなにシングルがあるんだ! びっくりだよ。8号車の方々それぞれに“こんな曲あるんだ!?”とか“あの曲で初めて超特急と出会った”というのがあるんだと思います。来た人それぞれの楽しみ方がある、非常に考え抜かれたメドレーですね。この演出を作ったのは誰なんでしょう?”というリョウガの言葉を受けて名乗りを上げたのはユーキ。“ありがとうございます! 8号車のみなさんそれぞれが超特急と出会ったきっかけを思い出したり、メドレーを通していろいろな感じ方をしていただけたんじゃないかなと思います。これだけいろいろなものを刻んできたことをみなさんと共有できたのが嬉しいです”と想いを語っていた。
久しぶりの有観客ライヴということもあり、自己紹介の口上をしたあとに“久しぶりにやった”と感慨深げだったメンバーたちの姿も印象的な場面として思い出される。また、衣装、ライヴタイトルのロゴ、オリジナルグッズのプロデュースを担当したタクヤが、デザインに込めたコンセプト、テーマを語ってくれたのも興味深かった。メンバーそれぞれがスキルとセンスを磨きながら、自分たちの手で超特急を進化させていることを実感した。そんなMCタイムも経て、ライヴの後半は開放的に盛り上がれる曲が連発されていった。豊かに響かせるタカシの歌声がカイ、リョウガ、タクヤ、ユーキのダンスと絶妙に融合し、曲それぞれの世界がステージ上で構築されていくさまが、とにかく楽しくて仕方ない。配信ライヴならではの楽しさもあるが、実際に会場に足を運んで8号車と共に盛り上がれる喜びには、やはりかけ替えのないものがあった。
“思い返せばいろんなことがありました。まさに山あり谷あり。そんな道のりだったと言えると思います。だけど、今までもこうしてこられたのは8号車のおかげだし、8号車がいるからこれからも走り続けることができると思っております。どうかこれからも一緒にいつまでも走っていきましょう”と想いを語ったリョウガ。8号車とメンバー5人が“超特急です!”というポーズを決めて、絶大な一体感と共にスタートした「走れ!!!!超特急」は、とても温かいエネルギーで会場全体を包んでいた。こうして終演を迎えた10周年記念ライヴの初日。来年の4月から全国11都市18公演を行なう『BULLET TRAIN 10th Anniversary Tour 2022「Progress」』の開催が決定という旨が映像で発表されたのは、ラストの嬉しいサプライズであった。11周年に突入する中で、超特急はさらに魅力を深めていくことになるはずだ。
■さいたまスーパーアリーナ公演
撮影:米山三郎、深野輝美、林聖、富田望
取材:田中 大
■大阪城ホール公演
撮影:米山三郎、深野輝美
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