重厚な
アフリカンジャズロックを聴かせる
ジンジャー・ベイカーズ・
エアフォースのデビューライヴ盤
『ジンジャー・ベイカーズ・
エアフォース』

本作
『ジンジャー・ベイカーズ・
エアフォース』について

GBAの記念すべきデビューアルバムとなる本作は、1970年1月にロイヤルアルバートホールで行なわれたライヴの模様を収めたもので、LP時代は2枚組でリリースされるも、長尺曲が多いために収録曲は8曲のみである(10分以上のナンバーが5曲を占める)。

「ダ・ダ・マン」「アイコ・ビヤエ」はアフリカンジャズロックとでも言うべき白熱した演奏となっており、ウィンウッドのオルガンをはじめボンドらによるホーンもノリまくったプレイを聴かせる。トラッドの「アーリー・イン・ザ・モーニング」や「マン・オブ・コンスタント・ソロウ」では珍しくリック・グレッチがエレキフィドルでのソロを披露している。お馴染みの「いやな奴(原題:Toad)」はベイカー、シーメン、カバカのトリプルドラムによる演奏で、これまでで最も迫力あるパフォーマンスとなった。また、「君の好きなように(原題:Do What You Like)」はジャズファンク的なテイストが感じられる演奏になっていて、ブラインド・フェイス時代とはまったく性質の違うアプローチを試みている。

GBAの先進的で重厚なアフリカンジャズロックは当時のアーティストたちに大きな影響を与え、中でもスティーブ・ウィンウッドに関しては、このライヴの参加したことがトラフィックの再編に果たした役割は大きい。

グループの面子からしてGBAは一時的なセッションと思われがちだが、この後、メンバーを大幅に入れ替え(ウィンウッドとクリス・ウッドはトラフィック再編のため抜けている)、2ndアルバムとなるスタジオアルバム『ジンジャー・ベイカーズ・エアフォース2』(’70)をリリースする。ここでも濃厚なアフリカン・ジャズロックは健在なのだが、クリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」のカバーが収録されているのはご愛嬌。

TEXT:河崎直人

アルバム『Ginger Baker’s Air Force』1970年発表作品
    • <収録曲>
    • 1. ダ・ダ・マン/Da Da Man
    • 2. アーリー・イン・ザ・モーニング/Early in the Morning
    • 3. ドント・ケア/Don't Care
    • 4. いやな奴/Toad
    • 5. アイコ・ビヤエ/Aiko Biaye
    • 6. マン・オブ・コンスタント・ソロウ/Man of Constant Sorrow
    • 7. 君の好きなように/Do What You Like
    • 8. ドゥーイン・イット/Doin' It
『Ginger Baker’s Air Force』(’70)/Ginger Baker’s Air Force

OKMusic編集部

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