生き様と音楽が直結した
ブランディ・カーライルの力作
『バイ・ザ・ウェイ・
アイ・フォーギブ・ユー』
本作『バイ・ザ・ウェイ・
アイ・フォーギブ・ユー』について
プロデュースは今アメリカで最も乗っているアメリカーナ系のデイブ・コブ(ジェイソン・イズベル、スタージル・シンプソン、クリス・ステイプルトンを手がけグラミー受賞)と、ウェイロン・ジェニングスの息子でアウトロー・カントリーの継承者として知られるシューター・ジェニングスの二人が担当している。また、ストリングスアレンジにはエルトン・ジョンやデビッド・ボウイなどを手がけたポール・バックマスター(2017年没)が参加、生前の彼にとって、この仕事が最後だったのではないか。カーライルはエルトン・ジョンがアイドルのひとりであるだけに、バックマスターの起用は彼女の希望であったのだろうと思う。
収録曲は全部で10曲。全曲文句なしの出来であるが、中でも「ザ・マザー」は曲の素晴らしさはもちろん、ミュージックビデオが秀逸なので是非ご覧いただきたい。
本作のあと、カーライルはマレン・モリス(恐るべき歌唱力)、アマンダ・シャイア(ジェイソン・イズベルの妻)、ナタリー・ヘンビー(著名なソングライターでもある)と、カントリーグループのハイ・ウイメンを結成し、アルバムもリリースしている(全米カントリーチャートで1位、グラミー賞も受賞)。
最後に、カーライルの新作『イン・ジーズ・サイレント・デイ』(’21)は10月1日にリリースされたばかり。僕は未聴であるが、本作同様、コブとジェニングスがプロデュースを担当しているだけに、本作のスタイルを踏襲していると思われる。
TEXT:河崎直人