時代の導火線に火をつける。鋭児が切
り開く理想の社会

誰にも飼い慣らされていない音がする。鋭児の音楽からはストリートのリアルと、アートに魅せられたピュアな憧憬と、時代に風穴を開けようという健全な野心が聴こえてくる。メンバーは御厨響一(Vo)、菅原寛人(B)、及川千春(G)、藤田聖史(Key)、田村 連(Dr)、市原太郎(Dr)の6人。都内で結成し、今年の1月にThe DomesticとFLAKE RECORDSにて初のEP『銀河』をリリース。初回入荷分が即刻完売すると、3月にリリースした『Fire』も軒並み売り切れを記録。早耳のリスナーたちは、早くもこの新鋭の登場を歓迎している。限定店舗でゲリラリリースされた3rd EP『連理』(10月20日から配信リリース)には、「$uper $onic」、「VIVID」、「LISA」の3曲を収録。中でもArctic MonkeysやFranz Ferdinandからの影響を、獰猛なサウンドでまとめ上げた「$uper $onic」には、彼らの魅力が凝縮されているように思う。本能剥き出しの荒ぶれるボーカルに、バンドサウンドとエレクトロをミックスした攻撃的な音が痛快である。妖艶な音色とダウナービートが印象的な「VIVID」、日本語詞のリリックをソウルフルに歌い上げる「LISA」など、楽曲ごとにカラーを変える新作だ。御厨響一と菅原寛人のふたりを招いて、リモート取材を行った。結成の経緯やふたりのルーツに始まり、鋭児の活動理念と今後のビジョンについて語ってもらっている。ZOOM越しでも火のついた目をしているのが伝わってくる。もしかしたら、今が革命前夜なのかもしれない。

鋭児のルーツ

ー活動は去年からですか?
御厨響一:
もうちょっと前?
菅原寛人:
活動自体は2年前とか。僕ら初ライブまで時間かかったんです。
御厨響一:
2019年の6月30日に下北沢シェルターで初ライブやったんですけど、超トチって。やべえ、俺こんなにヘボいんだってそこで気づいた(笑)。
菅原寛人:
ギターのインプットとアウトプットの順番逆だったんだよね。ずっと鳴らなくて。人のライブなのに15分くらい押しちゃうっていう(笑)。コントみたいだったよね。
ー(笑)。どういう経緯で皆さん集まったんですか?
御厨響一:
俺と寛人が渋谷のTSUTAYA前でストリートしてて、そこで出会ってバンドやろうぜって言ったのがきっかけです。
ー御厨さんはストリートではどんな音楽をやられていたんですか。
菅原寛人:
ラップじゃない?
御厨響一:
Rage Against the Machineが超好きで、ザック・デ・ラ・ロッチャ(Zack de la Rocha)のスピリットを継承している感じっすね(笑)。あと、RIZEがめっちゃ流行って、ONE OK ROCKとかSiM、マキシマム ザ ホルモンとか、あそこからの流れもたぶん継いでる感じはあるっす。
菅原寛人:
元々響一以外のメンバーとはインストでやってたんですけど、ボーカルが見つからなくて全然活動ができてなくて。僕が別の活動をやっている時に響一と出会って、彼を紹介したらメンバーともすぐ仲良くなって鋭児を始めました。
ー出会った時、お互い音楽的にシンパシーを感じたんですか?
御厨響一:
音楽的にシンパシーを感じたし、ルーツが近いと思いました。
菅原寛人:
ミクスチャー系とかね。
御厨響一:
あと、80’sも好きだったりするよね。聴いている音楽は寛人のほうが深いです。
菅原寛人:
深いも浅いもないよ。
御厨響一:
でも寛人は結構ディガーっす。今日はショパン聴いてたじゃんね?
菅原寛人:
聴いてた。友達のコンサートに行ったばっかで、すげえなと思ってヘビロテです。
ー菅原さんはクラシックをやられてたんですか?
菅原寛人:
ちっちゃい頃にやってました。
御厨響一:
本当に!?(笑)。
菅原寛人:
あるある。ちゃんとある(笑)。ヴァイオリンとかやってて、クラシックがルーツにあるんです。でも、ちょっとグレちゃってRed Hot Chili Peppersにハマって。
御厨響一:
グレすぎだろ(笑)。俺もRed Hot Chili Peppersは同じです。
ー鋭児は如何わしいミクスチャー感がありますよね。
御厨響一:
やば(笑)。確かに如何わしいかもしれない。
菅原寛人:
The Stone Rosesとかも好きだよね?
御厨響一:
最高だね。俺はGorillazも大好きです。
ー新曲の「$uper $onic」は、Arctic Monkeysからの影響も感じました。
御厨響一:
そうですね。MuseとかArctic Monkeys、あとはBlurとかFranz Ferdinandとか、そこら辺の音楽が今回の『$uper $onic』にも入ってるっす。
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