ジェフリー・コマナーの
3rdアルバム『ア・ルーモア・イン・
ヒズ・オウン・タイム』は
イーグルス人脈が参加した注目作!
本作
『ア・ルーモア・イン・
ヒズ・オウン・タイム』について
リズムセクションを務めるのはベテランのコリン・キャメロン(Ba)、ゲイリー・マラバー(Dr)、デビッド・ガーランド(Key)で、AORっぽいガーランドのプレイとロックフィールを持つキャメロン&マラバーが意外とマッチしている。プロデュースは、ウエストコーストロックを知り尽したジョン・ボイランが担当している。
本作はウエストコーストロックとAORの中間的な仕上がりで、イーグルスの『オン・ザ・ボーダー』が好きなら間違いなく気に入ってもらえると思う。特にコーラスの分厚さではポコやファイアーフォールに負けていないし、コマナー自身のボーカルやギターも相当巧い。他にも78年にイングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーが大ヒットさせた『ウィル・ネヴァー・ハヴ・トゥ・セイ・グッドバイ・アゲイン』も収録されているが、この曲は本作がオリジナル。
アルバムはクーパーの燻し銀のオルガンとコマナーとドン・ヘンリーのコーラスが絶品の名曲「リッチモンド」で幕を閉じる。本作はレベルの高い楽曲、コーラスの絡み、曲にマッチしたギターワークなど、多くの聴きどころがあるアルバムなので、この機会にぜひ聴いてみてほしい。
余談だが、その後コマナーは音楽界を引退し、イラストレーター、俳優(これはミュージシャンの時から)、作家、子どもの歌の作曲など多彩な才能を発揮していたが、大学院に入ってカイロプラクティックの博士号をとり、現在はジョージア州にあるケネソー・マウンテン・クリニックの院長を務めている。
TEXT:河崎直人