【Mizki インタビュー】
切ない曲ですけど、
最後にどこか温かいものが残る
R&Bを土台としつつも、日本的な情緒も漂わせているミディアムバラード「River」。少しずつ深まっていく秋、終わってしまった恋の悲しみを描いている。幼少期から歌とダンスのレッスンを重ねて、さまざまな大舞台も経験してきたMizkiの豊かな表現力の背景にあるものとは?
子供の頃から
とにかく音楽が大好きだった
小学校に上がる前から歌やダンスのレッスン受けていたんですね。
はい。5歳の頃から始めました。保育園の園長先生に勧められたのがきっかけです。“歌とかダンスを絶対に習ったほうがいいよ”と私の親に言ったらしいんです。
お遊戯会とかで目立つ女の子だったんですかね?
すごく音楽が好きだったし、人前に立つのも好きで、ステージに立ったら絶対に一番前に出て踊らないと気が済まないタイプだったみたいです(笑)。それを見て園長先生が勧めてくださったんだと思います。
園長先生は、今、Mizkiさんがこういう道に進んだことをご存知なんですか?
どうなんでしょう? でも、この間、おばあちゃんが保育園の前を通りかかったら、私の写真が貼ってあったらしいです。私が通っていた当時の先生がいたらしくて、“ご活躍を拝見させていただいております”と言われたそうで。だから、もしかしたら園長先生も知ってくださっているかもしれないですね。
小さい頃に憧れていたアーティストは?
AIさんです。初めて行ったライヴもAIさんなんです。ずっと憧れています。
4月にリリースされたミニアルバム『Bet on me』に収録されている「Stay」は、そんなAIさんがヴォーカルプロデュースをしてくださっていますよね?
Mizkiさんにとって、音楽はずっと特別なものだったんですね。
はい。子供の頃からとにかく音楽が大好きでしたから。お母さんの話だと、音楽が鳴ると哺乳瓶が咥えられないくらいリズムをとっていたらしいです(笑)。
(笑)。Mizkiさんが小さかった頃にはJ-POPにR&Bやヒップホップが完全に浸透していましたから、ダンスも含めて歌を表現するというのは、自然なこととしてずっととらえてきたんじゃないですか?
そういうイメージでしたね。歌もダンスも小さい頃からやっていたので、どっちも私にとって自然なことでした。だから、歌手を目指すきっかけというのも、特にはないんですよ。その辺はわりとあやふやというか、気づいたら歌手を目指していたという感じなんです。
通い始めたスクールでは、どのように過ごしていました?
私はすごく負けず嫌いだったんです。だから、一番じゃなければ嫌で、発表会でセンターをとれるようにすごく頑張って練習していました。
中学生の時にLDHのスクール、EXPG STUDIO BY LDHの特待生になりましたけど、その前に通っていたのは地元の広島のアクターズスクール?
そうです。中学生の時にEXPGから声をかけていただきました。
EXPGには歌とダンスが猛烈にうまい子がたくさいますよね?
はい。地元にいた頃には分からなかった広い世界が見られて、すごく刺激をもらいました。EXPGは大阪だったので広島から通っていたんで。お母さんとおばあちゃんがかわりばんこで車を運転して、本当に大変でしたね。だから、“もっとレッスンを受けたい”となった時におばあちゃんが“思いきって大阪に引っ越せば?”って、背中を押してくれたんです。
音楽の道に進むことに関して迷いはなかったですか?
なかったです。家族も応援してくれていましたし、歌手しか私は見えていなかったですね。“もっと上に行きたい!”という想いがずっとあったので。だから、“歌手になっていなかったら何してたのかな?”と考えても、まったく見当がつかないんですよ。学校の部活動もしていないですし。でも、部活は体験してみたかったですね。バスケ部とか。バドミントンも好きなので、バドミントン部とかやってみたかったです。青春を味わっておきたかった(笑)。
でも、スクールでレッスンを重ねてプロになるというのは、部活に打ち込んだ甲子園球児がプロ野球選手になるようなことですよ。
だから、私にとって“青春=歌とダンス”だったという感じです。
この世界に入る大きな転機となったのは、『アナと雪の女王2』の日本版エンドソングのオーディションですよね?
オーディションに受かった時は本当にびっくりしました。おじいちゃん、おばあちゃんも号泣していましたね(笑)。合格した瞬間は忘れられないです。それまではライヴに出てもバックダンサーだったので、自分が表舞台に出る機会は少なかったんです。だから、オーディションに受かったのは大きな一歩でした。
バックダンサーをしていたのは、LDH所属のアーティストのライヴ?
そうです。EXILEさんとか。すごく勉強をさせていただきました。私が初めて出たツアーがドームツアーだったんです。サポートメンバーですけど、ステージに立った瞬間に、お客さんのものすごい熱量を感じました。その日は眠れなかったです。
初舞台は?
初舞台が京セラドームって、なかなかない話ですよ(笑)。
今考えるとヤバいですよね(笑)。あの時は本当にパニックでした。でも、大きい舞台に立ちながら、“いつか私もメインでここで歌ってみたい!”っていう気持ちが高まりました。
素晴らしい修業期間を過ごしてきたんですね。
はい。スクールでも、いろんな方々が教えてくださって、さまざまな歌い方、さまざまなジャンルの踊りを学ばせていただきました。新しい何かを見つけるのが、本当に楽しかったです。先生が“洋楽も歌ってみたら?”とおっしゃって、セリーヌ・ディオンさんの「To Love You More」に挑戦したことがあるんです。発音が分かりやすい曲だからということだったんですけど、最初は“英語も分からないし、絶対に無理だと思います…”という感じでした。でも、スタジオにあったカラオケで練習したり、先生がピアノでディレクションをしてくださって歌えるようになったんです。そういう新しい発見は、本当に楽しいですね。
海外でも活動していきたいということも考えていますか?
世界に進出したいし、海外でツアーもしてみたいです。そのためにもいろんなタイプの曲に挑戦していきたいです。
『Bet on me』もそういう作品でしたね。先ほども少しお話したように、「Stay」はAIさんにヴォーカルプロデュースをしていただきましたが、改めて振り返ってみるとどのような体験でした?
寝られなくなることが多いですね(笑)。
すぐ寝られなくなるんです(笑)。当日もそわそわしていました。でも、AIさんは“全然緊張せんでいいよ”っていう感じで、緊張をほぐしてくれました。AIさんのハッピーオーラに包まれて、私はずっと笑顔でした。
歌に関してはどのようなアドバイスをいただきました?
“こう歌ったほうがいいんじゃない?”っていろんな歌い方、表現の仕方を指導していただきました。《stay》と何回も歌う部分は、ひとつひとつに関して“こっちにしてみて”とか“最後を伸ばしてみて”とか、いろんな歌い方を新たに発掘してくださったんです。
MVの映像を通して歌とダンスを表現する機会も増えていますし、メジャーデビューしてから世界がどんどん広がっていますね。
はい。初めてのMVが完成した時はすごく感動しましたね。私は歌もダンスも一緒にやってきたので、やっぱり踊りたいという気持ちも強いんです。「Crazy For You」はダンスも踊っているんですけど、曲にすごく合ったMVになっていると思います。K-POPにしても“歌って踊ることでひとつの作品”というとらえ方が浸透しているので、私もそういうことを目指していきたいです。ダンスも込みの表現だと多くの人に伝わりやすいですし、言葉が分からなくても伝わるものがあるんだと思います。
MizkiさんがYouTubeにアップロードしているMVには、海外からも既にコメントが寄せられていますしね。
英語とかでもコメントをしてくださってすごく嬉しいです。いつか海外でも歌ってみたいですね。