May'n

May'n

【May'n インタビュー】
変わらない私のまま、
ずっとずっと変わり続けていく

今年5月末に15周年イヤーを終え、フルアルバム『momentbook』をリリースするMay’n。レーベル移籍第一弾であり、“等身大”をコンセプトに掲げた本作には彼女自身の人生に立脚した、より身近で日常に寄り添ったメッセージが込められている。どんな状況も選択も貪欲に取り込み、未来へとつなげていく彼女から贈られるエールは底抜けに力強い。

みんなを引っ張る“部長”として、
自分の言葉でエールを贈りたかった

15周年イヤーの記念企画として、5カ月連続でオンラインライヴを開催されましたが、5月30日の中野サンプラザホールでのファイナルは1年3カ月振りの有観客ライヴになりましたね。

もともと15周年にはたくさんライヴをしようと数年前から計画していたので、コロナ禍でもできることはやろうと、今回の企画を立てたんです。でも、5月31日までが15周年イヤーだったから、ファイナルだけはどうしても有観客でやりたいっていう想いをチーム全体が持っていたんですね。それが実現できるって決まった時から、きっと感動するんだろうなぁとは予想していたんですけど、まさかあんなに感情が乱れるとは!

幕が開けて客席の景色を見るなり胸がいっぱいという表情でしたが、あの時の胸中は?

自分の心臓が動きまくってるのを感じて、“落ち着け落ち着け!”って念じながら歌ってました(笑)。楽しみな気持ちだけじゃなく、こういった状況で本当にお客さんを入れてやっていいのかという不安があったからこそ、大切なファンの方々に会えた瞬間に“私が信じてきたライヴや音楽のパワーって絶対に間違ってないんだ”って確信できて、あんなに感動したんだと思います。15周年の集大成というよりも、“これからもよろしく”っていう気持ちも大きかったので、この先の10年、15年へ向けた決意を届けられたライヴになりましたね。

そのライヴ中のMCで“新作の『momentbook』は等身大の作品”とおっしゃっていましたが、今作はまさしくMay’nさんご自身の想いを詰め込んだ作品だなと感じました。

そうですね。15周年ということで自分自身を振り返った時に…ライヴは“ライ部”ということでファンの方は私を“部長”って呼んで、私はファンのみなさんを“部員”って呼んでいるんですけど、やっぱり私は部長として音楽をやっている時が一番自分らしいということに改めて気づかされたんです。自分自身の人生を振り返ってみても、学生時代からみんなを引っ張るのが好きで、学級委員とか部長とかをやるタイプだったんですね。もちろん10代でデビューした当初は年上のファンの方も多かったですし、チームの中でも年上の方に支えていただいてきましたけど、キャリアや年齢を重ねたことで“部長”としての意識も増して、より自分自身の言葉でエールを贈れる楽曲を増やしていきたいと思ったんです。なので、今回のアルバムでは部長としてみんなにメッセージを届けたいと、新曲6曲中5曲では日頃自分が考えていることなど、等身大な歌詞を自分で書かせていただきました。

しかも、今作がレーベル移籍第一弾ということですから、そういったチャレンジには打ってつけのタイミングですよね。

新しく担当してくださるプロデューサーの方も“もっとMay’n自身の魅力を出したほうがいいよ”とか“自分の好きな音楽をやってる時のMay’nをもっと見てみたい”って言ってくださったんです。15年の活動を通して、May’nっていうアーティストと自分自身に境目が全然なくなってきた感覚はあるんですけど、さらに音楽的にも自分自身がもっと自分らしくいられる作品を増やしていきたいですしね。みんなの日常に沿う音楽にしたいっていう想いから、“身近な音楽”だとか“等身大のアルバム”というコンセプトを立てて、タイトルも“momentbook”とつけたんです。

これって日本語に訳すとどうなるんでしょう?

“瞬間集”かな?(笑) イメージとしては“自分の大切な日常をクリップ”するみたいな感覚ですね。海外だと“#momentbook”っていうタグも流行っていて、実際にInstagramとかでも使われていたりするんですよ。言ってしまえば、15年間歩んできた中にある大切な思い出たちはもちろん、今までならスルーしていたような些細な心の動き…今回の収録曲だったら「イリタブル」みたいなものまで、自分の大切な瞬間を集めたアルバムにしたかったんです。

リモートワークで始まる「イリタブル」なんて、まさしく“今”の日常ですよね。

プロデューサーも“めっちゃMay’nを感じてすごく好き”って言ってくれました(笑)。“頑張りすぎる人って全部自分で抱えがちだけど、たまには肩の力を抜いて天気のせいにするくらいがちょうどいいよ”って、そういう第三者目線でのMay’nが忙しい時ほど現れるんですよね。いつも何かのせいにするのはダメなんだけど、コロナ禍になってオンラインでできることが増えた分、自分のタイミングで休んだり、自分を甘やかしたりして、自分が生きやすくなるためのちょっとした言い訳って、絶対必要なんじゃないかって思うんですよ。

May’nさんのような頑張り屋さんにこそ贈りたいメッセージですよね。でも、最初に作ったのはご自身で作詞作曲している1曲目の「Walk with moments」では?

そうです! 田中隼人さんにコライトというかたちで参加していただいているんですけど、一曲は自分で作詞作曲しようと決めていたので、このアルバムを象徴するタイトルチューンを作りたいとは考えていました。自分の15年間を振り返った時に立ち止まったこともあったし、走りたいのに走れなかったこともあって、その最中は“なんで?”っていう悔しさや悲しさのほうが大きかったけど、“あの時はあの時で頑張れてたな”って過去の自分に対して思えるんですね。だから、ちょっとだけ早歩きくらいのBPMで歩き続けている曲にしたくて、このテンポにしたんです。

気持ちの良い朝みたいな曲で、アルバムの幕開けにはぴったりだなと。

ありがとうございます。私自身の道である“May’nストリート”を、これからも変わらずに歩き続けていく…っていうメッセージを伝えて、過去、現在、未来をつないでいけるような曲にしたかったんですよね。この曲を作ろうとして“歌詞どうしようかな?”って考えた時に、この15年間で一番通ったのは事務所で、その近くの目黒川をよく歩いたことを思い出したんです。目黒川もずっと続いていく道だからと、そのまま目黒川を歩きながら作った曲なので、自分の15年間のキャリアや人生を振り返りながらリアルな気持ちで作ることができたという意味では、すごく大切な曲ですね。
May'n
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アルバム『momentbook』【CD+Blu-ray】
アルバム『momentbook』【CD】

OKMusic編集部

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