ブリティッシュフォークの切実さと
アメリカンフォークの明るさを
併せ持ったリンディスファーンの
大ヒット作
『フォグ・オン・ザ・タイン』
本作
『フォグ・オン・ザ・タイン』について
収録曲は全部で10曲。冒頭の名曲「ミート・ミー・オン・ザ・コーナー」をはじめ、軽快でキャッチーなメロディーが目白押しとなっている。バーズの『ロデオの恋人』所収のディラン作「ユー・エイント・ゴーイング・ノーホエア」とそっくりの「トゥゲザー・フォーエバー」や、ラヴィン・スプーンフルのようなさわやかさの「アンクル・サム」、そしてアルバム最後のタイトルトラックはフィドルやマンドリンが使われたブリティッシュフォークロックの名曲である。なおCD化に際してはアルバムのアウトテイク2曲(「スコッチミスト」「ノー・タイム・トゥ・ルーズ」)のボートラが追加されたが、どちらもブリティッシュフォークらしいナンバーだ。これらを本編に入れなかったことは、ジョンストンの考える方向性が垣間見えるが、結果的にそれがビッグセールスにつながったのである。
今年の4月末、『初CD化&入手困難盤復活!! ロック黄金時代の隠れた名盤〈1965-1975編〉』というユニバーサルレコードのシリーズ(廉価盤・生産限定盤)がリリースされることになり、本作『フォグ・オン・ザ・タイン』も久々に再発されたので興味のある人は聴いてみてください。
TEXT:河崎直人