L→R  LowFat、Onyu

L→R  LowFat、Onyu

【FantasticYouth インタビュー】
武器になるようなものという意味で
“Guns”をタイトルに掲げている

歌い手シーンの中でも洋楽的なセンスを感じさせるヴォーカリストOnyu、そしてコンポーザー兼ラッパー&ヴォーカルを担うLowFatからなる音楽ユニットFantasticYouth。複雑なメロディー、EDMもラウドミクスチャーも叙情的なピアノサウンドも一曲に投入して成立させる曲の筋力と歌力はジェットコースター級で、最新作のEP『BlueGuns』にもそれが如実に表れている。そんな体験的な作品の理由を紐解く。

ティーンの気持ちを
代弁するような曲になればいい

ユニットを結成されてから4年ほど経っていますが、まずはFantasticYouthを組んだ経緯を教えてください。

LowFat
インターネットやSNSなどでもともとお互い歌を歌ったり、自分の歌った音源を投稿するような活動をしてたんですけど、そこでお互いの投稿してるものが目に止まり知り合ったのがきっかけで、一緒に活動しようというような流れになったという経緯です。

ふたりでやると面白そうだと思った理由は何だったのですか?

Onyu
自分が聴く側である時の音楽の好みも似ていて、“こういうの面白いよね。カッコ良い!”って感性が合うというところで、制作していく上でアイディアもたくさん出てくる感じだったんです。

他の人にはない魅力はどういうところだったんですか?

Onyu
行動力、発想力がずば抜けていると活動をし始めた頃から感じていました。自分にはない発想で、かつ共感・納得のできるアイディアが飛び出してくるというか。一緒に活動していて、やりたいことがたくさん見つかるなといつも思っています。

確かにLowFatさんは作詞作曲、アレンジからトラックメイク、クリエイティブに関するほとんどができちゃうんですもんね。それは物作りを始めた当初からそうなんですか?

LowFat
そうですね。多岐に渡る活動がもともと好きだったので、何かひとつのことにとらわれないような物作りというのは自分の中ではテーマとしてあります。

逆にLowFatさんはOnyuさんのどんなところに魅力を?

LowFat
まずはヴォーカリストとしての魅力っていうのが第一にあって…あとは、音楽に限らずに考え方だとか、さっき彼女も言ってたんですけど、共感できる部分が多いというか、ふたりでユニットとしてやっていくにあたって、安心感のある環境だと感じたところが大きいです。

Onyuさんのヴォーカルには現行の洋楽を含めたR&Bシンガー的な歌い回しも感じるんですけど、どういう影響がありますか?

Onyu
中学生ぐらいの時に、それまでは全然知らなかった洋楽というものに出会って、“あっ、世界にはこんなふうな歌があるんだ!?”という驚きがあり…それこそちょっと違った歌い回しとか、グルーブ感というか、そういうのがすごく自分にしっくりきて、“音楽って楽しい!”と思い始めたのがそこだったんですね。

自然に身についたものだからだと思うんですけど、LowFatさんから見てもそこはOnyuさんの魅力のひとつでもある?

LowFat
そうですね。お互いにいろいろなジャンルの音楽を聴いていたことが、さっきの共感を得られたという部分にもつながってくるんですけれども、そこは彼女がさまざまなものを吸収して自分を高めていくようなものだったのかなと思いますね。

では、曲作りの手法はどんな感じなんですか?

LowFat
基本的にはOnyuに作詞を任せていて、僕が作編曲を担当してるんですけど、各々にというか、曲を作る時にひとつのテーマがあるので、そのテーマに則って合わせるかたちで作っています。

EP『BlueGuns』の1曲目「莫迦芝居」なんて、すごい高速BPMですね。

LowFat
これの歌詞のテーマはどうでしたかね? Onyuさん。
Onyu
“これ!”っていうテーマを据えたわけではないんですけど、内面の葛藤と言いますか、普段生活している中でのふとした瞬間に“自分はひとりきりなんじゃないか?”みたいな瞬間にクローズアップしたイメージで歌詞は制作を進めていきました。

そのテーマに則った結果、高速BPMで展開も多い曲に?

LowFat
そうですね(笑)。

展開が多いのはトレンドでもあるし、聴いてて飽きないようにというのはあると思うんですけど、その中でもLowFatさんの曲作りのこだわりはありますか?

LowFat
今回は特になんですけど、彼女の葛藤というようなものも、わりと若い人に向けた、ティーンの気持ちを代弁するような曲になればいいなと思っていて。グループ名にも由来するんですけど、“若い時代を彩るような”ということで、そういう人たちに向けて、曲の展開の多さとか…僕は10代の頃って、もうしっちゃかめっちゃかというような印象があって、そういうものを表せればいいなという気持ちで曲は作っています。

LowFatさんの2バースぐらいのラップがいいですね。LowFatさんのラップパートも入れることでどういう効果を狙っていますか?

LowFat
あまり主張しすぎないような感じでラップが入っているグループってそんなに多くないイメージがありまして、他者との差別化の意味もありますし、僕自身はそんなに自分の声を主張しすぎないほうが、自分として楽しかったりして。バランス良く入れれば、スパイスとして楽曲に面白みが加わるというふうに考えています。

その“バランスが大事”という感覚はどこからきてると思います?

LowFat
これは音楽というか、もう自分の人間性ですね。何事に関してもバランスを重視してしまうタイプなので…まぁ、良くも悪くもなんですけど。

そうなんですね。トータルを俯瞰するのがLowFatさんの役目で、限界突破していくヴォーカルで表現するのがOnyuさんの役目なのかなと思っちゃいました。

Onyu
“限界突破”っていいですね(笑)。曲を作る過程というのは、基本的に私が作詞をして、曲が完成してまた全体を見るっていう段階を踏むので、出来上がってきた時にどういうふうに表現するかというのも、そこももうひとつスタートなので…限界突破できてたらいいですね(笑)。
L→R  LowFat、Onyu
EP『BlueGuns』

OKMusic編集部

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