YUKIの堂々たるソロ宣言!
実力派アーティストたちと
共に作り上げた『PRISMIC』

ソロならではの前向きを垣間見る

歌詞からも容赦なく熱情が感じられる。当時のインタビューで“大事なものは愛”といった発言をしていたことを紹介するまでもなく、いずれの歌詞においてもさまざまに表現した“愛”があふれており、それを音楽やバンドに重ねることもできるが、それよりも何よりも言葉にすることを躊躇していない感じが清々しい。

《私の闇を 振り払うその手は/ここには もう いない/生きている誇りもなく 誰かが言う/「ただのわがままの果て」》《私の髪を なでる愛しい手は/ここにはもう いない いないよ/残されて腐ってゆく 私は言う/「終わらない愛なんて」》(M1「眠り姫」)。
《ねえ見て もっと触れてみてよ/知ってる あたしの奥の方までずっと/好きにしていいの》(M2「the end of shite」)。(※作詞は日暮愛葉)
《間違いや 後悔はすぐ 恥ずかしい想い出になる/もっと、そばに おいでよ》(M5「惑星に乗れ」)。
《本当のことを 知りたい/うそでもいいから 知りたーーーーーーい!》(M8「忘れる唄」)。
《ゆっくりと大事に育てましょう/脳みその中まで踊るほどに幸せなの/そのしぐさのひとつひとつが私を/とりかえて/新しく》(M9「愛に生きて」)。
《花咲く丘まで 口笛吹いてこう》《いじわるな人が とやかく言うけれど/私は、どこかで まちがえたかしら?/今はわからない/答えは 空の上》《見たことのない場所へと まだ/歩いていけると 思ったんだ》(M10「プリズム」)。

これまた、本人がどこまで意識していたのか分からないけれど、ソロ活動をスタートさせるにあたって、自分の中のリミッターを外した印象はあるし、それによって視界がクリアーになったというか、思考がポジティブになった部分があったようにも見える。不安な部分も垣間見えるが、それも含めて表に出しているということは、総体的には前向きであったととらえてよかろう。ソロデビュー作として実に堂々としたアルバムと見ることもできる。

TEXT:帆苅智之

アルバム『PRISMIC』2002年発表作品
    • <収録曲>
    • 1.眠り姫
    • 2.the end of shite
    • 3.66db
    • 4.サヨナラダンス
    • 5.惑星に乗れ
    • 6.Rainbow st.
    • 7.I U Mee Him
    • 8.忘れる唄
    • 9.愛に生きて
    • 10.プリズム
    • 11.ふるえて眠れ
    • 12.呪い
『PRISMIC』('02)/YUKI

OKMusic編集部

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