GW開催の音楽フェス「VIVA LA ROCK」
開催に向けて。プロデューサー・鹿野
淳が本音で語る【インタビュー連載
・エンタメの未来を訊く!】

5月1日〜5日にさいたまスーパーアリーナで行われるロックフェスティバル「VIVA LA ROCK 2021」。関東近郊で1日あたり1万人を動員するものとしては、久々の音楽フェスの開催となる。出演は5日間で合計75組。ステージ位置の変更や事前抽選制のスタンディングエリアなど、これまでとは違う形で、感染対策を徹底した上で行われる「新しい様式のロックフェス」だ。2020年のオンラインでの開催を経て、2年ぶりにゴールデンウィークのさいたまスーパーアリーナに戻って有観客での開催となる。

VIVA LA ROCKプロデューサー鹿野 淳氏へのインタビュー。開催に至った背景から、大きく変貌しつつある音楽シーンの中でのフェスの意義まで、語ってもらった。
――VIVA LA ROCK(以下、ビバラ)を有観客で開催しようということは、いつぐらいから考えていたんでしょうか?
この取材をしている(取材日は4月9日)ちょうど1年前くらいに、去年のビバラの延期の発表をしたんですね。中止じゃなく延期だったのは、さいたまスーパーアリーナが東京オリンピックの会場で、オリンピックが延期になったことで夏が空いているとわかったからで。でも、残念ながら夏に有観客でフェスをできるような状況ではなかったので、そこから今度はオンラインフェスに切り替えたんです。これを7月31日、8月1日、2日の3日間合計30組の出演アーティストのおかげで開催できたんですけれど、終わった瞬間から、気持ちを180度切り替えたくて。その翌日から次のビバラは有観客でやるんだっていうことをずっと掲げて、いろんな準備を始めた感じです。
――去年の夏は「ビバラ!オンライン 2020」としてオンライン開催になったわけですが、終わっての率直な感触って、どんな感じでしたか?
当時としてはとても意味のあることだったと思いますが、同時にすごく難しかったです。まずブッキングが本当に難しかった。オンラインに切り替えるということを発表して2ヵ月あったんですけれど、最初の1ヵ月は「オンラインでライブをやりたくない」という反応が一番多かったです。ただ、それが徐々に変わってきて、しばらくオンラインでしかライブができないという状況になった。そうするとみなさんは自分たちのオンラインライブをやるようになるじゃないですか。そもそもフェスって、自分たちの楽曲やツアーのプロモーションのために出るわけなんですよ。だからフェスはカタログでよくて、その後の自分たちのライブに来てくれるファンを増やすために僕らもビバラに出ていただいていた。でも、オンラインライブのチケッティングもこれまでのツアーに比べてなかなか厳しい状況だということになって。そうなると、今度はオンラインフェスに出ることが自分たちのオンラインライブのプロモーションどころか妨げになるという考えが生まれた。とにかくすごく苦労しました。最終的にはあれだけの方々にご理解いただいて、出ていただき、しかもとてもエモーショナルでメッセージ性の強いライブをやってもらったんですけど、でもとにかく本当に難しかったし、精神的に今までのフェスオーガナイズとは比べ物にならない難題やストレスと向かい合った上で成立できたものでした。
――オンラインライブという形態が生まれて、いろんなアーティストがどういうオンラインライブを表現をするか試行錯誤を進めていましたが、そういう意味でオンラインとフェスとの相性についてはどうですか?
オンラインで3日間で30組もライブをやるようなことが行われていなかった時代に開催したものだったので、すべてが試行錯誤の連続でした。しかも、オンライン特有の収録ではなくて、すべて生でライブをやっていただいたんです。それがフェスだと思ったからなんですけどね。最初はフォートナイトのようなバーチャル空間も考えたり、オーディエンスにアバターとして参加してもらいたいと思い、そういうものを手掛けているトップメーカーの方と具体的に話をしたんですけど、残念ながら仕上がりが開催に間に合わないわけですよ。やりたいことはいろいろあるんだけど間に合わなかったり、お金のことも含めると、どうしてもできない。これにも心が折れていくんですよね(笑)。何しろ本当に難しかったです。ただ、やったことにはものすごく意味があったとは思います。現場でもスタッフ同士の私語は厳禁で、お互いがご飯を食べてるときも一言も話さないんですよ。今までだったら最後には酔っ払って抱き合って泣き合って盛り上がってたようなスタッフも、全員そういうムードでフェスを実行するわけで、逆にそれがすごく胸が熱くなりました。あれは思い返せば、ビバラを6回開催し合ってきた仲間だからこそのストイックさとエモーショナルさだったと思うんですね。そういう意味合いではやってよかった、これからのビバラに収穫の多かったフェスだったと思います。
――鹿野さんはフェスの運営だけでなく、いろんなアーティストと取材や現場で話をしてきたと思うんですが、そういう中でライブシーン全般の動きはどう見ていましたか?
平たく言うと、この1年間でみんなライブができなくなって、そのことによってプロモーションに変貌が生まれたというのが一つ。あと、これはコロナがなくても結果的には変わらなかったと思うんですけど、THE FIRST TAKEやTikTokも含めて、ストリーミングやネットから生まれたものが音楽シーンを変えたじゃないですか。そこから出てきた人たちって、必ずしもライブが自分たちの主流ではない表現方法を取っている。それによってYOASOBIのような方々が出てくる前にシーンを熟成させてきたアーティストの人たちは「自分たちのこの先は、2020年代はどうなるんだろう?」と考えていたと思います。みなさんとても賢いので、コロナによって変わってしまったことが容易に元に戻らないんだということを前提に考えた場合に、自分たちはどうしていくべきかということも考えて、それによって音楽の作り方も変わったし、ライブのやり方も変わった。ライブじゃないところで自分たちがどういうふうにあるべきなのかを考えていった人たちも、少なくなかったんじゃないかと思います。
――ライブありきのシーンでなくなったことで、考え方が変わっていった。
00年代の終盤か10年代に入るくらいの頃から、いよいよ日本の音楽シーンをフェスが支えてる感じになってきたと音楽業界全体が思っていた時代があったじゃないですか。でもね、正直ミュージシャンは、そういう時代を面白く思っていたわけではないんですよ。フェスに利用されているという気持ち、もしくはフェスが主役で自分たちが準主役になっているという気持ちを持つ人たちも多かったですしね。フェスに出続けていて成功していながらも、果たして自分たちはこのままでいいのか? 思いとは違うシステムに消費されていないか?ということを考える人たちが沢山いたんですよね。たとえばTHE ORAL CIGARETTESというバンドはフェスによってスターバンドになっていったんですけど、コロナになる前から、どういうふうに自分たちはネクストレベルに行くべきか、自分たちのストーリーをどう作っていくのかということをすごく考えていたわけです。10年代以降はそういうことを自覚的に考えるミュージシャンが増えてきたと思うんですね。他にも、たとえば歌詞が評価されているアーティストだったら、言葉の表現を突き詰めて文学の世界に入っていく人たちもいた。Creepy Nutsのように、自分たちの話術がエンターテインメントになるんだったらそれをラジオやテレビでパフォーマンスしていくアーティストもいた。そういう形でクロスメディア、クロスカルチャーしていくことを考えながらも、フェスに出続けていた。その上でフェスやライブがなくなったことによって、コロナ前からそうやって考えていたことをいよいよ具体化し、実行するしかなくなった。そういう変化が顕になった一年だと思いますね。
■フェスをやる以上は未来に繋げていきたい
――そうやってアーティストも様々な表現の試行錯誤が広がっていく中で、有観客のロックフェスとしてビバラを今年復活させるということには、どういう思いがあるんでしょうか。
まず前提として申し上げたいのは、僕はいわゆる音楽シーンの中でフェスの役回りはわりと早く終わってもおかしくないと自分自身が思ってますし、終えた時に誰よりもフェスにしがみつきたくないなと思ってる人間なんです。その上で最高のフェスを、人の気持ちがコンテンツの中で生々しく感じられるフェスをやりたいわけです。だから、これからのフェスの未来が必ずしも明るいかどうかは全然わからない。そこにポジティヴもネガティヴもない。ただ、フェスをやる以上は、未来に繋げていきたいんですよ。そういう気持ちで今年のビバラを開催するのが大前提です。その上で、去年オンラインをやった後に一番思ったのは、やはりフェスは有観客の中でやるべきものだということでした。これからオンラインのライブは様々な形に変容していくんだろうけど、そこにフェスがどう絡んでいくかはあまり考えにくいし、そこに自分の役割を本質的に見つけるのは難しいです。フェスよりもアーティストが自分の世界観をオンラインならではの形で表現するようなものになっていくべきだと思ったし、オンラインの世界でフェスが発展していくストーリーについてはポジティブに考えられない。やっぱりフェスはお客さんの前でやることによって独自のストーリーが生まれていくものだと思うんです。なもので、今年の2年ぶりにさいたまスーパーアリーナで有観客で行うビバラは、同時にオンラインでも楽しめる所謂ハイブリッド開催になりますけど、それは有観客のフェスに行けなかった方々に見せたいという思いが強いです。
――フェスはお客さんと場を共有するものである、と。
ありがたいことに自分はジャーナリストをやってるもので、いろんなミュージシャンと話をしていくと、コロナになる前までの2、3年は「フェスの時代は終わる、終わった」という話をしていた人が多かったんですね。それも本音だったと思います。でも、これだけフェスやイベントがなくなると、「やっぱりフェスに出たい、フェスの効果にあらためて気づいた」というアーティストが思いのほか多かったんです。要は、フェスが自分たちに何をもたらしていたのか失ってわかった。そして、今は素直にフェスに出たいという気持ちを持たれているアーティストの方が沢山いらっしゃる。そういう話をダイレクトに聞ける立場にいる人間がフェスをやってるんだから、まず有観客にこだわるフェスをやりたい。それはすなわち自分たちのリベンジにも繋がっていくわけで、それをやりたいと思ったことが一つ。あともう一つは、フェスっていうのはスケジュールと会場がすべてだと前からずっと言ってきているんですけれど、その会場であるさいたまスーパーアリーナが、本当に悲しそうなんですよね。
――アーティストの思いだけでなく、会場を運営してきた人たちの思いがある。
そう。これは有観客のフェスをやると決めた後の話になっちゃうんですけど、2020年の大晦日にさいたまスーパーアリーナでRIZIN(総合格闘技団体)の試合をやるというので会場に行ったんですね。そうしたら、さいたまスーパーアリーナの方々がほぼ全員出社していたんですよ。僕はそれを見て、やはり年末最後だから、みんなで盛り上がろう、来年へ向けて決起集会か? って言ったんですけど、全然違ったんです。要は、大晦日にテレビ放送の興行を行うということで、テレビを見た方々からのクレームに対応しきれない可能性があるから、そのクレーム対応要員として全員出社したんですって。それを聞いた瞬間に、言葉にならない気持ちが出てきました。………音楽業界にとって、会場ってものすごく重要なんですよ。この10年間、会場のスケールを上げていくことが、チャートの順位を上げていくことよりもよっぽど重要だったり効果的だったりもした。それを担ってきた会場が、今そういう気持ちで年越しを迎えているっていうことにやりきれない気持ちになったんですね。で、この人たちと、この人たちが持っているスキルと実績と会場と一緒にリベンジをしたいってもの凄く思ったまま年越しをしたんです。そこで完全にスイッチが入りました。とにかく我々は価値があることをやっている、と。一方で、去年の夏ぐらいから大阪でフェスやイベントを独自の感染防止対策を施してやってきたのもあるし、そもそもコロナが始まった頃にはライブハウスがクラスターとなったことで悪い意味のフォーカスがあたってしまったこともあって、だからこそ、どこよりも愚直に感染対策をしてきたのがライブ会場なわけですよ、その結果、ずっとライブの現場からは事故が起こってないんですね。それでもなお、ここまできて、やっぱり矢面に立っている。この状況を変えるのはものすごく重要だという気持ちになったのがもう一つ。あともう一つは、2020年の年末のフェスは開催されると思っていたんです。でも、COUNTDOWN JAPANもRADIO CRAZYも直前に中止になった。本当にショックだったんですよね。で、その時から、「ビバラはやりますか?」「やるんだったらご一緒したい」というお話が正直増えました。冬がなくなって、みなさんが「春こそは!」という気持ちになっているのが手に取るようにわかったんです。そういうのって、今まではあんまり背負いたくなかったんですよ。もっと勝手に勝手なフェスを作りたかったわけです。だけどVIVA LA ROCKをやりたい、成功させたい、リベンジしたいっていう以上の意味合いが、必然的に出てきた。そういったことが今に繋がっている感じがします。
■新しいエンターテインメント様式のスタンダードを手探りで作っている
――今回のビバラは今までの3日間ではなく5月1日から5日の5日間開催になったわけですが、これはどういう経緯だったんでしょうか。
やっぱり何日も連続で興行をやるのは本当に大変で(笑)。5日やるなんて最初ははあり得ないと思っていたんです。でも開催するには対策が必要で、それによって1日の中で今までとは違う、できないことが増えてきたんですね。具体的に言うと、我々のフェスは今年一つのエリアと一つのステージを失ってるんです。それに加えて、感染対策を強化する意味で、ステージの位置を変えました。全ては参加者の移動を少なくするのが目的です。しかも転換時間を長くしなくちゃいけない。そういうことが増えてきて、進めてきたブッキングと日数が合わなくなってきた。それが正直なところです。要するに、今の新しいフェス様式を考えていった結果、1日あたりの出演者数が少なくなった。それと日数が折り合わなくなっちゃって、5日間開催することになったというのがあまりいい話ではないんですけど、本音です。
――今おっしゃった感染対策という意味で、これまでとはフェスのやり方がかなり違っているわけですが、具体的にはどういった違いが出てきてるんでしょうか。
我々はこれまでモッシュとダイブを禁止したことがないフェスなんですよ。推奨もしないけど、ロックの中から生まれた遊び方を否定したくなくて、禁止もしないんです。でも今回はモッシュとダイブはできません。あと、うちのフェスに出るミュージシャンはステージから降りる人が多いんです(笑)。これまでは「しょうがないな」って怒ったふりをして心で爆笑してたんですけど、今年はそれもできないです。あとは、先ほど言った、会場内での移動を少なくするということ。本当だったら音楽を観るだけじゃないのがフェスですから、様々な場所を漂流してほしいという気持ちが強いんですけど、残念ながら今年に関してはフェスの成功と皆さん自身の安全のためにも、館内での目的を持たない移動はなるべくしないでもらいたいと思っています。そのために、ステージの位置を今までと変えて、同じ場所にいながら2つのライブを極力観られるレイアウトにしました。ぶっちゃけた話、コロナ対策のためにステージの位置も変えた結果、制作はものすごく大変になったし、お金も手間もものすごくかかりますが仕方ない。あと、これまではさいたまスーパーアリーナの外に無料エリアがあって、チケットを買わなくても音楽のコミュニケーションを楽しんでもらっていたんですけど、そのやり方では入場者の管理ができないし、近隣の方々が不安になるかもしれないから、その場所を泣く泣くなくしました。
――フェスのサイトには全員に公式アプリのインストールが必要であることなど、参加者へのガイドラインが詳しく書いてありますね。
これはうちだけじゃなくて、どのフェスもルールが必要で、いまやそのルールは基本的にスマートフォンの中でやり取りをしていかないと無理なんです。我々は今回前方エリアにスタンディングゾーンを作って、あとはイス席を作っています。前方のスタンディングエリアはひとつひとつのライブで入れ替わる抽選制になっています。無秩序にみんながみんなのやり方でライブを楽しめる時代ではなくなってしまった。そうなると、登録も抽選も、全部をアプリの中でやっていかなくちゃいけない。これが新しいエンターテインメント様式のスタンダードになりつつありますよね。僕らも今手探りでそれを作ってます。
■止まっていたフェスが開催されることによって、錆び付いてしまったかもしれない車輪をちゃんと回したい
――ラインナップを含めたビバラのフェスの中身についてはどうでしょうか。
ここ最近、フェスっていろんな音楽が合わさって、それぞれの価値観を持ち寄ったものになってきていると思うんです。つまりはロックの人、ソウルの人、ポップの人、アイドルの人たちが、お互いのリスナーにちゃんと楽しんでもらえる場所になっていたと思うんですけど、我々はあんまりそういうことはやってこなかったんですね。ロックや、ロックに端を発したソウルミュージックや、あとはインディミュージックにこだわってきた。で、結果的に、今年は2年越しのリベンジになるわけですから、ブッキングをするにあたって一番考えたのは、「ビバラらしいブッキングをしたい」ということでした。アーティストの方にも「ビバラに帰ってきてください」とか「我々はあなた方がビバラの背骨だと思ってるからご出演願いたい」という話をしました。年々フェスのブッキングは変容していきますけど、ビバラの母体には音楽雑誌の『MUSICA』がありますし、そこでの動向も含めて自然とこれまでそういうブッキングになってきた。だから、結論としては、敢えて前向きに今までと何ら変わらない気持ちを持ってブッキングをしています。
――今回、ビバラを開催することで、将来のライブシーンや音楽シーンに、どういうポジティブな影響をもたらしたいかという点についてはどうでしょうか。
綺麗ごとだったら何でも言えるんですけどね………今年のビバラは、今の時代というものを歌い鳴らしている方々に出ていただくことで今のロックフェスというものを表したいということと共に、もうひとつ、久しぶりにロックフェスの楽しさを取り戻したいという気持ちがあります。正直、これから先のフェスのあり方ということよりも、今までフェスってこういうところが楽しかったよね、というものをフェスの側が表していこうという思いがあります。具体的に言うと、たとえば今まで出店してもらうご飯屋さんは、他のフェスとはあえて違うメニュー、お店ということを割と意識して選んできたんです。でも今年は大きく違って、みんな久しぶりにフェス飯を食べたいんじゃないかと思ったので、いわゆるフェス飯を出すお店の方を中心に出てもらおうという発想で選びました。それって言ってしまえばノスタルジーですよね。僕は今、この時点では、久しぶりに開催する大型フェスの役割は瑞々しいフェスのノスタルジーを取り戻すことで、とりあえずはいいと思ってるんです。今回1万人規模で開催するんですけれど、関東近郊で1万人以上のフェスが行われたのは2019年の年末以来になる。1年半ぶりにフェスに行くっていう人の感情にちゃんとお応えしたいんです。そして、VIVA LA ROCKが今までロックフェスとしてどうやってきたのか、どうロックにこだわってきたのかということを、アーティストの方々に、目にものを言わせないパフォーマンスで見せていただく。そういうことが、今年の目的なんですよね。今までは、先のことを考えていくのが音楽シーンにおけるフェスのあり方だったと思うんですけど、久しぶりにフェスを取り戻そうっていうことと、今の音楽を鳴らしていただいてそれをやり抜こうっていうのが今年のVIVA LA ROCKの現実。僕は今年に関してはそれでいい、それがいいんじゃないのかなと思ってます。当たり前ですが、このコロナ禍でのロックフェスのあり方っていうものを考え過ぎるほど考え抜いて開催するんですけど、この先の音楽フェスがどうあるべきかとか、そういう批評的なことは、正直、音楽フェスのプロデューサーとして今は考えてはいない。それよりも、久しぶりのフェスを存分に楽しんでほしい。制約はあるけど、できるだけ生々しくやりたい。で、ずっと止まっていたフェスやイベントが開催されることによって、錆び付いてしまったかもしれない車輪を一回でもいいからちゃんと回したい。そこに力や希望が宿ると本気で表いますし、そうすれば春よりさらに素晴らしい夏に繋がるかもしれない。そのバトンだけはきちんとお渡ししたいんです。それ以上でも以下でもないかな。余計なことを考えるよりも、それを考えることの方がすごく大事なんじゃないかと今は思っています。
取材・文=柴那典
※この取材は4月9日に行われました。

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