苦悶の時を越えて

ボーカルのyskを中心に2015年に結成された、UCURARIP。そのサウンドは宇多田ヒカルをきっかけに音楽へ興味を持ち、邦楽ロック・ブラックミュージックへと潜っていった少年の影響を強く感じさせる。

R&Bやネオソウルに影響を受けたサウンドは「STAY TUNE」以降で耳にすることが増えた“ネオシティポップ”を感じさせるが、トラックのおしゃれさで押し切るのではなく歌詞の持つ世界観を優先。「大人のための気だるい時間を提供」と謳っていることもあり、メロウかつ浸れる音楽を展開している。
はばかることなく言わせていただくならば、ようやく彼ら自身がUCURARIPを受け入れられたような気がするのだ。売れたいけど、美学に反することはしたくない。自分たちがしているのはアートであり商業音楽じゃない。感覚的なことを大事にしたいけど、ロジックをないがしろにもできない。そういった様々な狭間での苦悶を乗り越え、たどりついたのが今のUCURARIPなのではないだろうか。

先日リリースされた『RAISON D’ETRE』は、“存在意義”をテーマに扱った1枚。サウンドからはどこか斜にかまえていた空気が消え、純粋に自分たちがいいものを追求していく姿勢が感じられる。今の彼らなら“メジャーのダサい音楽なんて聴くのやめて”と口走ることもなく、自身の信じる音を鳴らせると思うのだ。

UCURARIP アーティストページ

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