道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニー
ズJr.)、茅島みずきらが名作を熱演
 『Romeo and juliet-ロミオとジュ
リエット-』取材会&ゲネプロレポー

シェイクスピアの名作として、世界中で繰り返し上演されている「ロミオとジュリエット」。普遍的なテーマとロマンティックな物語は多くの人を魅了し、様々なアレンジや新訳が生まれている。
今回は『プラトーノフ』や『メアリ・スチュアート』、『エレファント・マン』などを手がけた森新太郎が、19年に菊池風磨主演で上演した舞台『HAMLETーハムレットー』に続き、東京グローブ座で2作目のシェイクスピアに挑む。
また、ロミオは本作が初の舞台単独主演である道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、ジュリエットは本作が初舞台となる茅島みずきが演じる。
戯曲の設定に近い10代の二人の周りを固めるのは、宮崎秋人、ナイロン100℃所属・森田甘路、小柳心、坂本慶介、栗原英雄、太田緑ロランス、高橋克明、扉座所属・鈴木崇乃、冨永竜、青年座所属・久留飛雄己、天野勝仁、和田慶史朗、平田敦子、花王おさむ、斉藤暁といった、確かな実力を持つ中堅・ベテランキャスト陣。
長きに渡り愛される古典の名作を、フレッシュなロミオ&ジュリエットと多彩な実力派が鮮やかに描き出す。
(左から)茅島みずき、道枝駿佑
まずは道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、茅島みずき、森新太郎を迎えて行われた取材会の様子をお伝えしよう。
道枝は、「まだ実感が湧きませんが、とうとうこの日が来たなと身にしみて感じています。稽古が始まってからここまであっという間でした。明日からの本番も頑張りたいと思います」と意気込みを語り、茅島も「すごく緊張していましたが、森さんがたくさん稽古をしてくださって、ちゃんと声も出るようになり、感情も込められるようになってきたので、この調子で千秋楽まで一生懸命頑張りたいです」と意欲を見せる。
また、なにわ男子主演ドラマ『メンズ校』で共演経験がある二人。
印象に変化があったかを尋ねられた道枝は「すごく大人っぽくなっていて、雰囲気がガラッと変わりましたね。でも、ちょっと抜けてらっしゃるんですよ(笑)。天然なところは変わっていないです」と茅島をいじる。
だが、茅島の天然エピソードを聞かれると「たわいない会話で? ってなることがあるので……エピソードは忘れてしまったんですけど」と答え、森から「お前のが天然だよ(笑)」とツッコミが。茅島からも「絶対そうですよ!」と言われ、「僕は天然じゃないです!」と異議を唱えていた。
茅島は「前の共演ではちゃんとお話しできなかったんですが、その時からマイペースでちょっと抜けてるところがあったので、変わっていないなと思いました(笑)」と反撃。
「でも、ちゃんと話をしたら、真面目で一生懸命考えている方なんだとわかりました。お芝居に関しても、稽古を通してどんどん変わっていって、道枝さんらしいロミオになっていると思います」と笑顔を見せ、道枝も「よかった〜!」と胸を撫で下ろしていた。
『Romeo and juliet-ロミオとジュリエット-』取材会より
森は「最初の頃は宇宙人と話してるみたいだった(笑)」と道枝の天然っぷりに苦笑。「こっちがどれだけ厳しく言っても「ありがとうございます!」って。今は慣れましたが、調子狂うなぁと思いながら(笑)。茅島のことを抜けてるって言うけど、誰が見ても道枝のが抜けてる!」と笑いながら振り返る。
稽古に関しては、「二人とも10代なので緊張しましたし、大事にしないとと思いながらも気付いたら初日からバリバリ稽古していましたね。この二人は本当に根性がある。よくここまでついて来たなと思います」と労っていた。また、道枝について「最初は喉が弱くて虚弱体質みたいなことをすごく訴えかけてきたんですけど、声もよく出てますね」と称賛。
森 新太郎
さらに、細身すぎるということで、役作りを兼ねた筋トレを命じられたという道枝。「ジャニーズWESTの小瀧(望)くんから、一日5食しっかり食べて筋トレしたらいいよとアドバイスをもらって、その日に気合い入れてたくさん食べたら胃がびっくりしちゃって……」と、天然な一面を覗かせる。
また、筋トレに関するアドバイスと併せて「その年で森さんの演出を受けられるのが羨ましい」との言葉をもらったそう。「毎日稽古しても全然慣れなかったんですが、ある意味すごく新鮮な気持ちで臨めているのかなと感じました。心が折れそうになったこともありますが、森さんは褒めてくれるところは褒めて、叱ってくれるところは叱ってくれるので、すごくありがたいです」と話し、小瀧からかけられた言葉が理解できたと深く頷いていた。
また、なにわ男子のメンバーも稽古を気にかけてくれていたとのこと。特に心配してくれていた西畑からは「僕もメンタルブレイク3、4回してるから大丈夫。できるよ」とアドバイスをもらったという。大橋からは「観に行くよ」と電話があったと話し、「僕もまだ不安はあるけど、よかったって言ってもらいたいですね。いい意味で期待を裏切りたい」と意気込む。
茅島は「舞台について何もわからない状態から始まりましたし、言葉の意味がわからないところも多すぎて。森さんに1聞くと10返してくださるので、色々教えていただきました」と、苦戦しながらも道枝と励まし合いって名作に挑んだことを振り返っていた。
茅島みずき
最後に、お客様に向けて、茅島からは「今回が初舞台ということで、今すごく緊張しています。未だに森さんに指導される部分はありますが、自分なりに一生懸命素敵な作品にしたいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください」とのアピールが。
道枝は「初主演舞台がロミオとジュリエットという作品で、光栄に思います。健康第一で、体調を崩すことなく、千秋楽まで共演者の皆さんと森さん、スタッフさんと一緒に作品を盛り上げられるように頑張っていきたいと思います。本番をやりながらどんどん良くしていけたらと思っているので、よろしくお願いします」と、主演らしい堂々とした笑顔を見せていた。
続いて、ゲネプロの様子を紹介する。
<あらすじ>
中世イタリアの都・ヴェローナで、長年にわたっていがみ合いを続けているキャピュレット家とモンタギュー家。
ある日、キャピュレット家で行われた仮面舞踏会にモンタギュー家のロミオとその友人たちが忍び込む。そこでロミオはキャピュレット家の一人娘・ジュリエットと出会い、瞬く間に恋に落ちてしまう。
相手が対立する家の人間だと知り、ショックを受けながらも愛を貫こうとする二人。若き二人は、ロレンス神父のもとで密かに結婚式を挙げた。
その矢先、喧嘩に巻き込まれたロミオと友人たち。そこで親友・マキューシオがキャピュレット夫人の甥・ティボルトに殺されてしまう。親友を失った怒りからティボルトを殺めたロミオはヴェローナから追放される。
仲を引き裂かれてしまった二人のために一計を案じるロレンス神父だったが、不運なすれ違いが重なり、若い二人は更なる悲劇へ向かっていく……。
『Romeo and juliet-ロミオとジュリエット-』舞台写真
道枝は、やんちゃながら紳士で、コミカルさもあるロミオを好演。運命に翻弄され絶望しても、他人への礼儀や優しさを忘れない好青年だ。対する茅島は、少女らしい夢見がちな中にも意志の強さを感じさせる、ひたむきで可憐なジュリエットを演じ切った。共に10代、初主演・初舞台の二人ながら、恋人たちの激情と悲しい運命を魅力的に表現している。
また、脇を固める中堅・ベテラン陣の存在感も光る。
両家のいがみ合い、ロミオを悪党と罵るティボルト(小柳心)によって作られる不穏な空気がロミオとジュリエットの純愛を引き立てているのに加え、マシンガントークで周囲を呆れさせる乳母(平田敦子)、下ネタ混じりの言葉遊びを繰り広げるマキューシオ(宮崎秋人)とベンヴォーリオ(森田甘路)の軽妙なやりとりといったコメディリリーフが心地良い。
そして、深い愛情を持って若い二人を見守るロレンス神父(斉藤暁)の父親のような優しさが胸に響く。
『Romeo and juliet-ロミオとジュリエット-』舞台写真
『Romeo and juliet-ロミオとジュリエット-』舞台写真
独特の台詞回しに加えて、恋の喜びと因縁の間で揺れる思い、次々に訪れる悲劇や絶望など、繊細な芝居が求められるシーンも多い本作。
ロミオとジュリエットの運命に体当たりで挑む初々しい道枝と茅島を周りのキャスト陣がどっしりと支え、観ている側に不安を抱かせない安定した作品に仕上がっている。結末を知っていても、固唾を飲んで熱演に見入ってしまった。
悲しくも美しい名作を、ぜひその目で見届けてほしい。
『Romeo and juliet-ロミオとジュリエット-』舞台写真
『Romeo and juliet-ロミオとジュリエット-』舞台写真
取材・文・撮影=吉田沙奈

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