Kiroro金城綾乃、東日本大震災の津波
被害から蘇った“奇跡のピアノ”を題
材にした新曲リリースを福島県いわき
市で発表

Kiroro金城綾乃が、東日本大震災の津波被害から蘇った、福島県いわき市の“奇跡のピアノ”を題材にした新曲「奇跡のピアノ」を配信シングルとして3月10日(水)にリリースすることを発表した。
同曲は、柔らかく包み込むような優しい音色と、被災者に寄り添う希望に満ちた詞で織りなされたナンバーだという。
奇跡のピアノは、福島県いわき市の豊間中学校にあったグランドピアノ。津波にのまれて再生は不可能と思われていたが、市内の調律師・遠藤洋さんの懸命な修理によって蘇ったことから“”奇跡のピアノ”と呼ばれている。地震直前に行われた卒業式で生徒たちが歌ったのは、Kiroroの「未来へ」であったという。
昨年(2020年)1月に沖縄県那覇市でそのピアノを使用したコンサートが開催され、いわき市在住の親戚からコンサートが開催されることを知った金城が観客として参加。終演後に実際にそのピアノを演奏させてもらったことにより、想いがこみ上げ、メロディや歌詞が浮かび楽曲のかけらが誕生。当初ワンコーラスしかなかったデモ音源だが、金城がレギュラー番組を持つラジオ局や福島のメディアで話題となり、音源化の声が高まったことからフルサイズの楽曲として今年新たにレコーディングされ、3月11日を前にリリースされることとなった。2番以降の歌詞については、福島県の被災者の方々に実際に歌詞のアイデアをもらい、その想いやフレーズを汲んで作詞が行われた。
そして、ピアノとの出会いから約1年。昨日3月1日(月)に、実際に奇跡のピアノが展示されている福島県・いわき市にある“いわき震災伝承みらい館”を金城が訪問し、楽曲の完成およびリリースの報告会を取材陣に向けて開催した。
新型コロナウイルスの感染拡大の防止の観点から一般には非公開で行われた報告会では、震災経験・体験を地元発で伝承し続けるラジオ福島出身のフリーアナウンサー・大和田新さんが司会進行を務め、奇跡のピアノを蘇らせた調律師・遠藤洋さんや震災当時、奇跡のピアノがあった豊間中で教師をしていた小野覚久先生なども駆けつける中、新曲「奇跡のピアノ」のフルバージョンの弾き語りや、「未来へ」をピアノで演奏した。
写真左から:山田貴翔さん、金城綾乃
演奏中に想いがこみ上げ涙を浮かべながら「奇跡のピアノ」を初披露した金城は、「このピアノが鳴り続ける限り、命の大切さや大きさ、今の素晴らしさが伝わると良いなと思います」とコメント。調律師・遠藤さんは演奏を聴いて、「力強さを感じました。今後も多くの方にピアノの音色を聴いてもらい、ピアノに残っている傷を見て頂くことで、震災があったことを伝えていきたい」と語った。
さらに、震災直後の2011年3月15日に福島県に生まれ、奇跡のピアノを使用したコンサートにも出演歴のある郡山市立守山小学校4年生の山田貴翔(やまだ たかと)さんがゲストとして登場し、金城のピアノ伴奏でKiroroの楽曲「生きてこそ」を歌唱するといった一幕も。
演奏を終えた金城は、「1年前に弾いた時とピアノの音色が変わっていて、ピアノは生きているんだと感じました。ピアノが復活したことが、人間も生きていく上で諦めないでいれば、このピアノのように輝いていけるし、たくさんの意味を持って存在することができる、という象徴だと思っています。“奇跡のピアノ”をたくさんの人に聴いてもらって、このピアノと共に、この曲と共に、みんなと過ごせている今という日々が大切なんだということを伝えていけたらいいなと思っています」と語った。
なお、「奇跡のピアノ」のレコーディング・ショートムービーがKiroro公式YouTubeチャンネルで公開中。楽曲の一部が歌詞と共に視聴できる。

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