首振りDolls

首振りDolls

首振りDolls、
ニューアルバム『ドラマティカ』の
オフィシャルインタビューが到着!

やっぱロックというのは軸にあるから、
そこからは絶対に外れない

ジョニー・ダイアモンド

ジョニー・ダイアモンド

――そういう意味でも『ドラマティカ』は、すごく幅広い選曲だったと思う。インディーズ1stアルバムの『首振人形症候群』からは想像できない変化を感じるからね。でも、そこの基盤が全く失われた訳ではなく。『ドラマティカ』から首振りDollsを知ってくれた人が、『首振人形症候群〜REVISITED盤〜』を聴いてくれたとしても、そこに絶対的な基盤とバンドの軸を感じてくれると思うからね。

ジョニー:基本、やっぱロックというのは軸にあるから、そこからは絶対に外れはしないから。

ナオ:『首振人形症候群』の曲は、俺の曲が多いんだけど、やっぱりそこの色は今回のアルバムに入っている「散り散り」や「バケネコ」なんかは、やっぱりすごく自分っぽいと感じてもらえる曲だと思うし。新しいことをやりたいっていうのも自分の中にはあるけど、やっぱ何処かで、“首振りDollsらしさ”というのは自分の曲が担っている部分が大きいと思っているから、そこを意識して選んだのが、今回の「散り散り」「バケネコ」「誰そ彼」だったりしたから。

――「散り散り」「バケネコ」は、ナオが作るいなたい首振りDollsの典型ではあるよね。

ナオ:「散り散り」は、“結局ひとりぼっち”っていう曲。ちょっと寂しい気持ちを歌った曲。ひとりぼっちの状況を歌った感じというよりは、大勢人が居る中で、何故か孤独を感じる様というか。

――激しさを持った曲だけど、不思議とそこには寂しさがあるよね。

ナオ:そう。より寂しさが際立つ感じかな。「バケネコ」のモチーフは、恋と猫。恋と猫を使って作文を作って、恋と猫を入れ替えたんです。寺山修司的な技法です。

――「誰そ彼」も、『真夜中の徘徊者〜ミッドナイトランブラー』の中でいうと「月のおまじない」、『アリス』の中でいうと「BROWN SUGAR」と通ずる世界観だし。

ナオ:うん。アルバムにはとびっきりのバラードが必要だからと思って「誰そ彼」を選んだんですよね。

――「誰そ彼」って、こういう字を書くんだね。

ナオ:昔って、街灯がそんなに明るくなかったから、遠くから歩いてくる人がよく見えなかったんだって。それで、誰そ彼って言うようになったんだって。そこが黄昏時の語源みたい。“逢魔が時”っていう言い方もあってね。赤い空が、青い空と混じって2つになっていくんだけど、結局その2色って交わることなく黒になっていくんだけど、その時間の経過を、この曲の1番2番3番で歌っていってるんです。茜色から藍色に変わって、最後は真っ黒な空に飲み込まれていくんです。交わらない空を、結ばれない2人に当てて歌っているんです。

――最高の泣きのロッカバラードだと思う。この曲をラストに持ってきた流れも最高に良いと思ったなぁ。

ナオ:ですね。最後、この曲で良かったです。

――ショーン曲もショーン曲で、ショーン・ホラーショーという個性の塊だよね。「SMILE」も「レッドドラゴン」も、納得のファンキーさが漂うショーン節だと思う。

ショーン:「Welcome to Strange Night」は、“変わり者の夜”をイメージに作った曲でしたね。歌詞は本当に2行くらいしか無いんですけど、最後には“Welcome to the Beautiful Night!”になっていて。フリークショー的なイメージですかね。“ようこそ、美しい世界へ”って、招き入れてる感じなんです。オープニングに相応しい曲を作りたいなと思って作った曲だったから、アルバムのオープニングになったのは本当に嬉しかったし。

ジョニー:もう、そこしかなかったからね。ショーンが加入していなかったから、首振りDollsがこういう曲をやることなんてなかったと思うくらいの大きな変化ですよ、これは。こんな曲作れないもん。

ショーン:そう言ってもらえると嬉しいです(笑)。いい具合に始まり感は持たせられたのかなって思いますね。

ナオ:俺的には、ちょっとスラム街的なイメージもあった曲でしたね。

――さっき、アナログ的な話になっていたけど、これを初めて聴いたときは、とにかくテンションが上がったというか。やってくれるじゃないか、首振りDolls! いいねぇ! って血が騒いだというか。ヤバイな、コイツら。やっぱいいわ! って思った。既にライヴでもお馴染みだけど、アルバムバージョンは、“ナオ”という黒人コーラスもね(笑)。

ショーン:あははは。はい。

ナオ:降臨しましたね、“ナオ”という黒人コーラスが(笑)。

――ショーンの意図としては、アルバムバージョンは、このコーラスだけでいいんじゃないかくらい振り切りたかったんだよね?

ショーン:はい。1曲目の前に来るインストみたいなイメージでもいいのかなって思ったんですよね。
ジョニー:なるほど。次のアルバムにはインストも入れてってみますか!

――いいと思う。ちょくちょくところどころに入れて行くのもありかもね。

ショーン:あ、それいいですね! 曲と曲の間にインストを挟み込んでいく系のもやってみたいですね。
ナオ:ね、こういう話してると、どんどんやりたいことが湧き出てくる! 

――いいことだね。

ジョニー:いいと思う! 

――「レッドドラゴン」は何をイメージして書いた曲だったの?

ショーン:曲的には、中国の霧がかかった山のところにいるドラゴンをイメージして作ったんです。

――だからちょっと中華が臭うんだな。

ショーン:そうですそうです。そのドラゴンが歩いたり飛んだりしてるイメージなんです。歌詞はナオくんに任せたので。

ナオ:任せられて、失恋の歌にしました(笑)。ドラゴンは出てきません(笑)。彼女が居なくなって、独り取り残された世界はモノクロの世界で、、、っていう歌詞です。

ショーン:昔は人気者だったドラゴンが、今は人気が無くなり、独り取り残されてしまった、、、っていうことかな?

ナオ:あははは。どうしてもドラゴンに繋げたいんやね(笑)。

ショーン:そうそう(笑)。

――こうやって1曲ずつの意味を聞いていくと、本当に1曲1曲存在感のある作品だよね、今回。逆に、アルバム曲っぽいのが無いのかも。

ジョニー:俺ね、今まで、ずっとA面B面って考えるタイプだったんだけど、今回このアルバムを作る上では、一切そこ考えなかった。

――もうA面B面を知ってる世代が限られてきてはいるけどね(笑)。今作の中でA面曲に置き換えるならば、それは、去年の12月に配信でリリースされた「サボテン」「散り散り」「SAILE」なんじゃない?

ナオ:その時点ではアルバムは発表していなかったけど、アルバムを象徴するような3作ではあったと思う。

――そうだね。その3曲の中では、リード曲として「サボテン」を最初に走らせた訳だけど、この曲でジョニーが伝えたかったこととは?

ジョニー:「サボテン」もモチーフ的には孤独かな。サボテンから見た、飛行機雲。ん〜、孤独というより命の大切さを歌っていたりするかな。サボテンって、なかなか花が咲かないんですよ。本人もそのいつか咲く花を知らずにいるっていう。そんな儚さを歌ってます。

――MVの案はジョニーが最初から“こうしたい”っていうイメージがはっきりとあったよね。

ジョニー:何気ない日常のオフショット風景を入れながら、思い出チックな、どこかノスタルジーな、モノクロな景色が良かったんですよね。ドキュメンタリー映画のエンディングみたいな感じにしたかったんです。物語にはなっていない感じだけど、バンドの歴史は感じるみたいな。歌詞がしっかりと届くように、映像の真ん中に置きたかったってのも自分の中にはハッキリとあって。

――バンドの歴史は詰まっているよね。ショーンが加入してからは本当にバタバタと時間が過ぎていって。2年という短さとは思えないくらいの歴史がある気がするというか。

ショーン:「サボテン」のMVといえば! MVの最後の方の3人シーンで、スカジャンを着ているんですけど、そのスカジャンにはちょっとストーリーがありまして。古着屋の一番目立つところに飾ってあったんですよ! それ見て、めちゃくちゃカッコイイなと思って欲しくなったんですけど、すごく高くて。あぁ、まだあるなぁ〜、って、行く度に気になってて。ある日行ったら無くなってて。あぁ、ついに売れちゃったかぁ、、、ってガッカリしたんですけど、なんと、棚の下の方に畳んで置いてあって、セールになってたんです! その瞬間、なんでそんなに売れなかったんだ、、、可哀想に、、、家においで! って思いで買った子です!

ナオ&ジョニー:・・・・・・・・・・・・・・。

ショーン:あんなに最初は神々しく飾ってもらっていたのに、セールにまでされちゃって、、、って思ったら切なくて。

ジョニー:「サボテン」全然関係ないじゃん(笑)。

ショーン:あ、まぁ(苦笑)。でも、本当に「サボテン」のMV撮る2日前くらいの話だったんです! 

ナオ:で、いくらだったの?

ショーン:絶対言わない(笑)。

ナオ:でも、本当に「サボテン」のMVを見ると、やっぱりツアーに行きたくなるし、ライヴしたくなるよね。自分もお客さんみたいな気持ちになって見ちゃった。あぁ〜、札幌行きたいなぁ〜とか。ショーンと俺、手を繋いでめっちゃルンルンで歩いてたよね(笑)。

ショーン:あれは札幌じゃないよ! あれは、gremlinsとの対バンの次の日に、gremlinsのワンマンを観に行かせてもらったときの映像だから、青山だよ(笑)。

ナオ:あ、そうだっけ(笑)。

――ショーンと初めてスタジオに入ったときの映像とか、上京してくるのに部屋探しに行ったときの映像とか、ジョニーがバイトしていた地元のバーとか、いろんな場所でのライヴ映像とか、ツアー先でのオフショットとか、本当に3人の2年間の歴史が詰め込まれているよね。

ショーン:DOLL Tシャツ(※現在も通販サイトで販売中)の原画を描いてるシーンとかもあって。
ジョニー:あのシーンね、よくみると俺、“SEX”って描いてて、、、ダメでしょ。

ショーン:俺なんて、まさかの“DOOL”って描いちゃって(笑)。

ナオ:あの原画、まだ事務所にあるから、どっかでみんなに見てもらってもいいかもね! なんか、本当にそんな素顔もたくさん見れるMVになっているんで、まだ見てない人は見てもらいたいですね。

OKMusic編集部

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