VR演劇『僕はまだ死んでない』の配信
期間の延長が決定 原案・演出のウォ
ーリー木下よりコメントが到着

2021年2月1日(月)より、VR演劇『僕はまだ死んでない』が配信されている。この度、配信期間が3月31日(水)まで延長されることが決定した。また、本編場面写真と原案・演出を務めたウォーリー木下のコメントが届いたので、紹介する。
本作は、演劇のオンデマンド配信作品ではなく、映像で演劇を楽しむことを目的に誕生した作品。演劇の醍醐味のひとつに、舞台上のどこに注目して観劇するか、観客の自由に委ねられていることが挙げられる。VR(ヴァーチャルリアリティ)技術を用いた本作は、360度自由に観ることができるので、「自分のカメラワーク」で物語を楽しむことが可能だ。
さらに、対応デバイスは、専用のヘッドマウントディスプレイをはじめ、PC・タブレット・スマートフォンなど、幅広く対応しており、デバイスを整えてこれ以上ない臨場感に没入することや、気軽にスマートフォンでお試し視聴することもできる。
VR演劇『僕はまだ死んでない』本編場面
物語の主人公・直人は、脳卒中で倒れ、自分の意思で動かせるのは眼球と瞼だけ、という状態。直人を取り囲むのは、父、兄貴分の幼馴染、担当医、離婚の話し合いが進んでいた妻。もしも、自分の大事な人が、もしくは自分自身が倒れて生死の境をさ迷う状態になったら……。そのとき人は、何を想い、何を選択するのか。本作では、誰もがいつかは迎える「人生の最期」について描いている。
VR演劇『僕はまだ死んでない』本編場面
出演者は、白井直人役を内海啓貴、白井慎一郎役を斉藤直樹、児玉碧役を加藤良輔、青山樹里役を輝有子、白井朱音役を渋谷飛鳥、白井直人(幼少期)役を瀧本弦音、児玉碧(幼少期)役を木原悠翔が演じている。
ウォーリー木下 コメント
ーーこの物語の出発点、着想は?
この企画はまず、VRで演劇を作ろう、というところから始まりました。
私自身も初めてのVRだったので色んな形のVRを体験しましたが、その中でも360度カメラのVR映像にとても惹かれました。その360度カメラを使って、円形舞台の反対、お客さんが真ん中にいて周りを役者が囲む「ドーナツ型」の舞台を作ろうと思いました。つまり、舞台上の真ん中にカメラを置くことで、真ん中にお客さんの視点がある、という形です。
そのお客さんの存在を役者も感じながら話が進んでいく、また、一方的でアクションは起こせないという制約などを考え、当時ちょうど「終末医療」について勉強していたことも重なり、この物語を作りました。
ーー映像作品でもありますが、本作を“演劇”たらしめる要素とは?
昨年は、無観客配信やアーカイブの配信など、私自身も色んな演劇の配信を観ましたが、あくまでも舞台演劇を記録した映像であって、これまでいつも実際に客席で体験していた「生」の作品とはやはり違うなとも思いました。
どうやったら映像配信でもより演劇に近い臨場感を与えられるか……と考える中で、「お客さんが好きなところを観ることができる」「色々な人たちが一堂に集まって、個人個人の心の中でドラマを楽しむ」というのが演劇の魅力だと思いましたが、それに近いことを、360度カメラを体験した時に感じました。それがこの【VR演劇】の、もっとも演劇らしい部分のひとつかなと思います。
ーー完成した作品を観ていかがでしたか?
「終末医療」という重たいテーマであり、ズシリとも来るのですが、広田(淳一)くんの脚本によって軽やかな人間ドラマに昇華されていて、良い意味で他人事のようにも感じられ、その距離感がVRにとても合っていたと思います。
終末医療というテーマについては、広田くんと何度もやり取りしながら作り上げました。日本では終末期の患者さんなどが、自分で死、すなわち生き方を選べない状況もある……という難しい現状があり、それに対して問題提起というか、自分が将来そうなった時にどうするんだろう、とも考えていますが。それを「当事者の話にしたい」という思いが広田くんと私の中にありました。
ーー今後【VR演劇】でやってみたいことは?
たくさんあります。お客さんが能動的に動くことでアクションやドラマが変わっていったり、例えばVRグローブを使ったりなど、もっとインタラクティブ(双方向)なものが作れたら、より演劇として面白くなるなと思っています。
「VR演劇元年」が2020年に始まったと感じています。演劇の豊かな発展につながっていくと思いますし、いちアーティストとしてとても面白い表現だと感じています。これをどんどんブラッシュアップさせ、ここから新しいものが生まれていくのだと思います。ぜひ、怖がらずに試していただけたら嬉しいです。

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