ガルニデ流のボカロ・邦楽カバーも満
載 誕生日のメイリアを祝い、新たな
約束へとつながる『GARNiDELiA-MARi
A Birthday Live-』レポート

2021.1.31(Sun)『GARNiDELiA-MARiA Birthday Live-』@Billboard Live TOKYO
2021年1月31日(日)、Billboard Live TOKYOにて『GARNiDELiA-MARiA Birthday Live-』が開催された。昼間の1部・夕方の2部ともに有観客、2部のみStreaming+での配信もありという形式で行われた。
新型コロナウイルスによる国内2度目の緊急事態宣言を受け、1月9日(土)から開催予定だったGARNiDELiA(ガルニデリア)10周年記念ツアーは再延期に。今回も開催できたとはいえ、感染症対策のレギュレーションに則り、さまざまな制限があった。それでもボーカル・メイリアの誕生日を祝う場にふさわしい、目にも鮮やかな美しい演出と、そして心躍る楽しい音楽で彩られた舞台の模様をレポートしていく。なお、今回は第2部の、ストリーミング配信での模様をお伝えする。

■真っ赤な姿に身を包み、メイリア登場。心を刺激するボカロ曲も
最初に舞台に現れたのは、黒いジャケットとハットをかぶった、シックな衣装のtokuである。頭の上で大きく手を叩きながら、さっそくメイリアを呼び込むと、今回の主役は真っ赤なドレスに身を包んで現れた。
1曲目には、誕生日にふさわしい「Birth」、そして2曲目には会場へ来てくれた皆への感謝の気持ちを込めるような「キミとボクが出会う確率」を披露する。前半から、明るく穏やかな出だしの2曲だ。いつも、歌い出しからアップテンポでスタートするガルニデのライブとは少し違った趣である。
MCを挟んで、ボカロ楽曲のカバーコーナーがスタート。3曲目は、ステージの照明は赤に、軽快でジャジーな「炉心融解 -melt down- JunK Arrange」を歌う。サビの後半は耳に心地よいファルセットで歌いながら、片手でつまんだドレスのスカートがヒラリとひるがえる様子は目に美しい。
4曲目にはステージのカラーバーが点滅する中、軽快なビートの「Just Be Friends」を披露。心が躍る楽曲を、メイリアも体を揺らしながらノリよく歌う。コーラスで入る声も、もちろんメイリアの声だ。楽しげな曲調ながらも歌詞は切なく、聴く一人ひとりの心を刺激するよう。5曲目では一転、ロック全開の「夜咄ディセイブ」を歌い、ますますライブの熱気を上げていく。歌い終わりには「センキュー!」と笑顔を見せるメイリアに、客席からは拍手のプレゼントが贈られた。
撮影:アンザイミキ
■​今年は「スカイダイビング」も実行?29歳の抱負を語り、ガルニデ流・邦楽カバーも披露
トークパートは、進行をtokuにバトンタッチ。Twitterで募った、ファンからのメイリアへの質問をtokuが読み上げ、メイリアが答えていく。
「20代最後の1年にやりたいこと」という質問へは、「20代最後だから、みたいなのはあまりない。やりたいことしかやりたくないし、だからアーティストになったの」と、実にメイリアらしい答えを述べる。そんな中でも、かつてtokuに誘われながら天候トラブルのために延期になっていたというスカイダイビングを挙げ、「今年、できればやりたい。落下中に風圧を受けている顔を、ファンクラブ用の動画に挙げたい」と楽しみに語った。
また「20代最後の抱負」へは、「最後なのかぁ。若かりし頃は、もっとちゃんと大人になっているだろうなと思ってた」と反省しながらも、tokuから「大人になったよ。仲間も増えたし」とフォローが入れば、「仲間は大事にしたい。30になっても、私は、私らしさを貫いていきたい」としっかりとした抱負を述べ、締めくくった。
ここからは邦楽カバーパートがスタート。6曲目として、久保田利伸 with ナオミ キャンベルの「LA・LA・LA LOVE SONG」を披露した。伸びやかなメイリアの歌声。カバーと言うよりも、もともと“メイリアver”があったような錯覚を起こすほど、ただただ耳に心地よい。tokuもショルダーキーボードを持ってステージの前に出、いっそう舞台を楽しげに盛り上げていく。
撮影:アンザイミキ
MCを挟んで、tokuのピアノで次の楽曲イントロが奏でられる間に、舞台の背後にかけられたカーテンが開く。その向こうに現れた六本木の夜景をバックに、歌われた7曲目はglobeの「DEPARTURES」、8曲目は広瀬香美の「PROMISE」だ。これまた30代・40代には馴染み深いであろう有名な楽曲だが、メイリアはどの歌を歌っても、自分の歌に変える。圧倒的な歌唱力はもちろん、原曲をリスペクトしつつ、ところどころに流れ星が降るような「キューン」という音を足すなど、ガルニデらしい楽曲のアレンジも効いていた。
■​「幸せだなぁ~」メイリアの気持ちに添うラスト2曲。「次の約束」となる新たな発表も
カバーの選曲についてのエピソードトークも挟み、早くもライブは終盤へ。9曲目には、誕生日を迎えた日のメイリアの気持ちにぴったりだという曲、「moon landing」を熱唱した。歌の終わりには、「私は本当に歌が大好きで、歌うことが、すごく、すごく幸せです」と満足げに語るメイリア。その気持ちがわかる、喜びに満ちた歌声だった。それが実現できたのも、この舞台と、tokuを初めとする仲間と、もちろんそれだけではない。「みんなが楽しかったという顔が、一番のプレゼントだと思いました」と言い、再び客席へとお辞儀をする。
ラストの10曲目には、「君が生まれた日」を笑顔いっぱいで歌う。コール&レスポンスは各自、心の声で。誕生日の楽しい雰囲気いっぱいの楽曲には、観客の手拍子も混じり、温かく祝いの舞台を締めくくった。
歌い終わって、客席に手を振りながら。「幸せだなぁ~。本当にありがとう!」と、心からの感謝を述べるメイリア。また、ここでガルニデの二人から発表が。国内の2度目となる緊急事態宣言を受け、予定されていた全国ツアーは中止が発表されたが、新たなライブとして、『GARNiDELiA stellacage 2021 REMAIN』が開催されるという。2月28日(日)、再びBillboard Live TOKYOでの有観客・配信ライブが開かれるとのこと。REMAIN は「存在し続ける」という意味から、「例え夜空は曇っていても、そこでずっと輝き続ける星はある」という思いが込められたタイトルになっているのだそう。
「直接会場に来てもらうのはなかなか難しいとは思うんですけれど、足を運んでいただけたらすごくうれしいです。また会おうね!次の約束ができることが嬉しい」と、客席に、配信先の画面の向こうへと、メイリアは言葉を贈った。
撮影:アンザイミキ
■​「29歳はドラゴンメイリア」で サプライズでダンサーREINA登場
「今日はありがとうございました!」とお辞儀をする二人。ライブはここで終幕かに思えたが、メイリアが顔を上げて観客席に手を振っているところで、唐突に流れ出す「ハッピーバースデートゥユー」の音楽。メイリアの手がピタリと止まり、「嘘でしょ!何この流れ、知らないよ!」と戸惑っているところに、ガルニデダンサーのREINAが大きなバースデーケーキを持って、サプライズ登場した。
ケーキには、2020年11月に発売されたアルバム『起死回生』ジャケット写真のメイリアが描かれ、沢山のキャンドルが立っている。火のともるそれらのキャンドルに向かって、「火、吹いていいですか?」と言うメイリア。「火を吹く?」とtokuから指摘され、「間違えた!私はドラゴンなのか!?」と笑ってしまう場面も。
「観客とカメラにケーキの見事なアートを見せようとするメイリア、しかしずり落ちそうだったので「あとでTwitterにあげるね」とコメント。終演後にケーキ横でピースサインを決める写真が投稿された。」
最後は「29歳は火を吹くドラゴンメイリアで!今日、(ドレス)赤いしね!」とメイリア。さらに「29歳のメイリアと共に、今年一年、突っ走っていきたいと思います」と、めずらしくtokuが締めの挨拶を述べる。
撮影:アンザイミキ
昨年の今ごろは、昭和女子大学人見記念講堂で全国ツアーの幕開けの舞台を終えていたガルニデ。社会情勢のために、そこでの規模よりも縮小し、さまざまな規制はあった。そんな中でも、まず今回のライブが開催できたことに、ファンとしても希望がもらえた。
規定に沿っているとは言え、緊急事態宣言下で有観客のライブをやることへ、さまざまな意見もあることだろう。しかし、これまでも無観客のライブなどを取材してきた筆者としては、規定が守れた上で会場へ行きたい人は向かうことができ、残念ながら向かえない人や不安を抱える人も配信という形で楽しめる今の形を取ってもらえたことは、やはりポジティブに受け止めたいと思う。
コロナ禍が続く現在は、何が正解かわからない時代ではあると思う。しかし「それだけはやってほしくない」と感じるのは、ガルニデを始め、アーティストとして誰かの心の支えとして活動している人々が、その足を止めてしまうことだ。音楽は要らない、エンタメは世界を救えないと、絶望し、すべてを終わらせてしまうことだ。
ガルニデの二人は、このコロナ禍において、いつも「歩みを止めない」「走り続ける」という強いメッセージを届けてくれる。その言葉に、これからも我々は、支えられ続けていくのだと思う。もう一歩、もう一歩先へ、また新たな約束を交わしながら前へ進めるのだと思う。
改めてメイリアに、「29歳のお誕生日おめでとう」の言葉を贈りたい。
撮影:アンザイミキ
取材・文:平原 学 撮影:アンザイミキ

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