世界最高のギタリストのひとり、
ジョン・マクラフリン率いる
マハヴィシュヌ・オーケストラの
『火の鳥』
ジャズロックの元祖のひとりである
グレアム・ボンド
3人の中で最も若いグレアム・ボンドは、自身のグループグレアム・ボンド・オーガニゼーションを率いてR&Bやジャズを演奏していた。1963年に結成されたこのグループにはボンドの他、ジャック・ブルース(Ba)、ジンジャー・ベイカー(Dr)、ディック・ヘクストール・スミス(Sax)、ジョン・マクラフリン(Gu)という凄腕のメンバーたちが在籍していた。このグループで彼らは腕を磨き、後にクリームやコロシアムといったロック史に残るグループで活躍することになる。
マクラフリンは1年ほどで脱退し、スタジオミュージシャンとして活動する。また、ベイカーは66年に脱退、代わりにジョン・ハイズマンが加入する。
ジャック・ブルースのソロ作で再会
メンバーはジャック・ブルースのほか、ディック・ヘクストール・スミス、ジョン・ハイズマン、ジョン・マクラフリンで、彼らの熟練したテクニックが十二分に発揮されており、ポップ性が全くないだけに今聴いても全く古びていない秀作だ(クリームが好きでこのアルバムを入手した当時の中学生は、難解であるがゆえにこのアルバムのことは語れなかった…はい、僕のことです)。
このアルバムで当時のロックギタリストと比べるとまったく異なるジャズ的なプレイを披露していたのがジョン・マクラフリンである。ジャンルを飛び越えたフュージョン的な演奏が珍しくない現代と違って、60年代に登場したマクラフリンは、当時からすでにカテゴライズしにくい演奏を身上としている珍しいアーティストであった。彼の音楽性はロック、ジャズ、R&B、フラメンコ、インド音楽などさまざまなジャンルに及んでいて、それだけに彼のギタープレイには奥深さが感じられるのである。