下舘夏希

下舘夏希

【下舘夏希 インタビュー】
誰かを動かすには強いパワーで
自分が動かないといけない

音楽のために生きているのに
生きながら死んでいると感じた

SNSは活動を広げるきっかけにもなっているんですね。そんな地前向きでチャレンジ精神旺盛な下舘さんですが、2020年12月に『ダテシモの挑戦』として、2022年1月に渋谷CLUB QUATTROでの弾き語りワンマンの実施を発表されました。その発表動画では借金をするか宝くじを当てるかで資金を調達すると話され、宝くじを購入していましたが、結果はどうなったんですか?

宝くじは13,000円分買いましたが1,200円しか当たらなくて。結果発表の動画でも言いましたが、もう二度と宝くじは買いません!(笑) そんなに世の中甘くないので、宝くじを買いつつも並行して借金の申請をしていたんです。なので、1月以内に借金をします。

借金にならないようにと思っていたので、宝くじの結果を訊いてみたのですが…(笑)。

でも、コロナ禍の影響で利子がつかない会社に借金をするので大丈夫です。さすがに利子がつくと借金地獄になってしまうので、そこはかなり考えて判断しました。

心配ではありますが、かなりの決断だったと思います。では、これの企画自体はいつ頃から計画されていたんですか?

実は2019年の8月くらいには考えていました。なので、2020年の4月1日にライヴハウスの下北沢ろくでもない夜との共同企画で発表しようと思っていたんですよ。1,500枚のシングルを完売させるというのは発表していたんですけど、渋谷CLUB QUATTROでのライヴはそこで発表しようと。そうしたら緊急事態宣言が発動されて、“これは、2020年は思っていた計画で発表できないな”と思って1,500枚完売だけは延期することを発表しました。その後も世の中は状況が最悪じゃないですか。でも、私は32歳なんですけど、32歳は人生で一年しかないし、今生きている私は今日しかない。もちろん、コロナで亡くなってしまう方もいるので、命より大事なものがあるとは思っていないし、“生と死”についての歌も歌っている。だけど、生きているうちにコロナ禍の中でも“やる”か“やらない”かは決められると思ったんです。コロナ禍の中でやるかやらないかは自分次第だし、“コロナでダメだ”と言うんじゃなくて、“どうやったらできるかな?”とは考えられると思って。もともとはサポートメンバーを誘ってバンドで渋谷CLUB QUATTRO公演をやろうと考えてたんです。でも、先のことは決められないし、この一年死ぬほど頑張ってCDを売るとなったら、ひとりでやるしかないんですよね。だから、そのまま渋谷CLUB QUATTRO公演は弾き語りワンマンにしてしまおうと決断しました。

前々から企画自体は考えていたと。弾き語りにしたのもコロナの影響が大きかったんですね。

もっと延期しても良かったとは思いますが、いつになるか分からなくて目標も定まらないことで自分が目指すゴールがぶれるのが嫌だったんです。私は音楽をやりたくて、音楽のために生きてると思っているので、それがコロナのせいでできないなんて、生きながら死んでると感じたんですよ。もし、来年の1月に全然状況が変わってなかったら、その時のルールに従ってでもライヴをしようと思っています。渋谷CLUB QUATTROさんがダメと言わない限りは(笑)。

『ダテシモの挑戦』の中で、7年半振りに路上ライヴもしようと考えていると聞きましたが、コロナ禍の中で実施するのは難しさもありますよね。

そうなんですよ。作戦を考え直さなきゃと思ったから、TwitCastingでダテシモーズ(ファンの呼称)に“緊急会議をします!”と声かけをして実施しました。その結果、この1カ月は配信で自分のことを知ってもらうとか、路上ライヴをするならカバーを演奏したほうがみんな立ち止まって聴いてくれやすいから、今はカバー曲を練習するとかそういう時間にしようというポジティブな考えに落ち着きました。

ファンの方に相談をして決めることも多いのですか?

事務所を2020年7月に退所したんですけど、退所後はファンの方と話し合うことが増えましたね。事務所に所属している時はマネージャーさんに相談したり、ダテシモーズの方に相談したりもしていましたが、どうしても近しいのは事務所の方になるのでそこまでダテシモーズの声を取り入れられないことが多かったんです。でも、今は自分で判断できるし、みんなともっと親しくしながら活動できるので、迷った時は頼るようにしています。

ちなみに事務所を退所された理由というのは? オフィシャルHPのプロフィールでは円満退所と記載もされていましたが。

本当に長年お世話になった大切な事務所ではあるのですが、音楽活動を本格的にしたいと思っても、芸人さんなど芸能の特にバラエティーに力を入れている事務所だったので音楽面では思うようにいかず。幅広い方とのつながりができる場所ではあったんですが、路上ライヴができないと1,500枚売るのは厳しいじゃないですか。それを実現するには事務所にいると厳しいと思ったのと、やっぱり音楽に集中したいのと。オーディションは結構ありましたけど、オーディションはたくさん受けさせてもらったし、お仕事につながったものはどんな仕事もとにかく一生懸命やるんですけど、本当に自分がやりたいことではなかったんです。7年半事務所でいろんな経験をしたけど、音楽に時間を使いたいと思ったし、たった一度の人生だから事務所を退所してでも新しい道を進みたかったんです。そのほうがワクワクすると思って。

その気持ちを事務所が受け入れてくれて、円満退所となったわけですね。

そうです! 今でも事務所で知り合った芸人さんとも配信企画をやろうという予定もあって。後輩とかもつながりがあるので。だから、他のジャンルの方と一緒に仕事をすることで『ダテシモの挑戦』を知ってもらうきっかけになればいいなとも思っています。その結果、私のファンの方も芸人さんのことを知ってファンになってくれたら嬉しいし、みんながハッピーになればいいなと思っています。音楽の枠だけじゃなく、私はタレントとしても活動していたから、垣根を作らないで私と関わる人全てのきっかけになれば嬉しいですね。

OKMusic編集部

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