大竹しのぶ「舞台の上で必死に生きる
のみです」~開幕した『フェードル』
より、舞台写真&初日コメントが到着

2021年1月10日(日)よりBunkamuraシアターコクーンにて、舞台『フェードル』が開幕し、舞台写真&初日コメントが到着した。
1月8日(金)より開幕予定だった『フェードル』は、1月7日(木)に東京都などに発令された緊急事態宣言を受け、主催者及び関係者一同で協議した結果、観客及び出演者・関係者の安全を第一に考え、開催計画を見直したうえで本日開幕となった。
本作はフランスの劇作家ジャン・ラシーヌがギリシャ悲劇『ヒッポリュトス』から題材を得て創りあげ、1677年1月1日、ブルゴーニュ座で初演。17世紀フランス古典文学の最後を飾る金字塔的な作品で、悲劇へと向かう女性の姿を描く美しく輝く台詞、神話的世界をもとに表現した抵抗しがたい破滅的激情は、演劇の醍醐味を堪能できる要素が凝縮されている。フランスを代表する哲学者ヴォルテールをして「人間精神を扱った最高傑作」と言わしめた歴史的名作だ。
林遣都  撮影:田中亜紀
(左)大竹しのぶ(右)林遣都  撮影:田中亜紀
開幕にあたり、安全な開催を確保するため、政府の指針に従い、以下の2点に関して、当初の計画を見直したそうだ。
下記の通り(原文ママ)
【1】劇場収容率50%制限の指針を受け、収容率50%にて開催致します。
これまで収容率100%での開催予定であったため、販売済みのチケットを全て払い戻し、改めて収容率50%までに設定した上、チケットを再販売。
【2】上演スケジュールを見直して開催致します。
20時までに上演が終了するよう、上演スケジュールを見直し。
今回の指針や感染拡大防止のガイドラインを遵守するとともに、感染拡大のリスクをできる限り排除するため最大限の対策を講じておりますため、何卒ご理解を頂ければと思います。

また、初演を迎えた演出・栗山民也、主演・大竹しのぶ、出演・林遣都のコメントも紹介する。
演出:栗山民也 コメント
とにかく、火傷しそうな芝居です。初日を終えての実感です。
この戯曲のもともとはギリシャ劇に根っこがあるので、神だの怪物だのと現在の科学からは程遠いものに縛られていますが、不可解なわたしたち人間の感情ということで言えば、その遠い昔と何も変わらず、全く同じに惑い、悩み、ぶつかり、愛し合うことを繰り返しているのです。
この120分の物語を埋め尽くす、ジャン・ラシーヌの言葉の熱く激しい温度に身を任せ、その体験を楽しんでください。コロナの荒涼とした時代の中で、この熱いという皮膚感覚は、とても貴重で素敵なものです。人間って、なんて乱暴で繊細で、でも最後まで強く愛してしまう生き物なのでしょう。その世界の、そこにいる人間たちの限りない不条理の美しさを見つめてください。
主演:大竹しのぶ コメント
初演の時に毎回感じた大きな濁流にのみこまれるような大胆で、スリリングな2時間。またあの体験ができると思う喜びでいっぱいです。この状況の中での幕開けは、正直に言って不安でもあります。それでも来てくださるお客様の為に一回一回を、一生懸命演じるだけです。うねる様な、湧き上がるエネルギーを同じ空間で共有できたら、それが明日への活力になるのなら、劇場のあるべき意味が伝えられたという事になります。劇場は今、絶対に必要なのかと問われれば違うかもしれません。
それでも私達は幕を開ける事を選びました。
万全の対策でお待ちしていますとしか言えませんが、あとは舞台の上で必死に生きるのみです。頑張ります。
出演:林遣都 コメント
無事に幕が上がるか分からない状況の中で、初日を迎えられたことを幸せに感じます。
大竹さんが高めてくださった士気のもと、細心の注意を払いながら稽古を重ねてまいりました。
演劇の力を信じ、情熱に満ち溢れ、純粋にお芝居と向き合い続ける今回の座組の皆さんと過ごした稽古期間は、僕にとってかけがえのないものとなりました。
観に来てくださる方一人ひとりに感謝し、大切に演じていきたいと思います。
(左)林遣都(右)大竹しのぶ(奥)キムラ緑子  撮影:田中亜紀
【ストーリー】
舞台は、ギリシャ・ペロポンネソス半島の町トレゼーヌ。行方不明となったアテネ王テゼ(谷田歩)を探すため息子イッポリット(林遣都)は国を出ようとしていた。
一方、テゼの妻フェードル(大竹しのぶ)は病に陥っていた。心配した乳母のエノーヌ(キムラ緑子)が原因をききだすと、夫の面影を残しつつ、夫には失われた若さと高潔さに輝くイッポリットへの想いに身を焦がしていると白状する。
苦しみの末、フェードルは義理の息子に自分の恋心を打ち明ける。
しかし、イッポリットの心にあるのはテゼに反逆したアテネ王族の娘アリシー(瀬戸さおり)。
イッポリットはフェードルの気持ちを拒絶する。そんな中、テゼが突然帰還して……

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