藍井エイル・鈴木雅之・TrySail・中
川翔子・西川貴教など24組が出演 ラ
イブを世界へ配信『Sony Music Anim
eSongs ONLINE 日本武道館』レポート
 

藍井エイル鈴木雅之TrySail西川貴教中川翔子など24組ものアーティストが出演する『Sony Music AnimeSongs ONLINE 日本武道館』が、2021年1月3日、無観客のオンラインライブとして開催された。日本を含む、アメリカ、台湾、香港、マカオ、シンガポールの世界6カ所の国と地域に向けて配信となる。タイトル通り、ライブは日本武道館にて収録され、無観客ながらARカメラによる演出などを駆使し、豪華絢爛なステージを作り出した。2021年の幕開けに相応しい、アニソンファン必見の舞台の模様をレポートしていく。

『Sony Music AnimeSongs ONLINE 日本武道館』ロゴ
■藍井エイル
藍井エイル
真っ暗なステージの中、一筋のスポットライトに照らされながら、最初に登場したのは藍井エイルだ。1曲目にはTVアニメ『ソードアート・オンライン(SAO)』シリーズから「IGNITE」を披露。冒頭のフレーズ「その手で撃ち放て」に合わせて指で銃の形をつくると、次の瞬間、ステージから客席へと炎がブワッと燃え広がるような演出が起こり、炎の中から会場を埋め尽くすサイリウムが現れる。無観客の日本武道館が一瞬にして満席となる、魔法のような演出だ。
続く2曲目にも、『SAO』シリーズより「I will…...」を披露。青のサイリウムで埋め尽くされる中、会場へ向けて、そして全世界へ向けてその情熱的な歌声を放つ。この大舞台の幕開けに相応しいパフォーマンスを披露した。
the peggies
2番手として登場したのは、北澤ゆうほ(Gt&Vo)・石渡マキコ(Ba)・大貫みく(Dr)からなるガールズバンドthe peggiesだ。演奏したのは、TVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』オープニングテーマ「君のせい」、TVアニメ『彼女、お借りします』オープニングテーマ「センチメートル」の2曲である。
the peggies
3人それぞれの笑顔でいっぱいのステージ。中でもヴォーカル・北澤ゆうほは、1曲目の「私は綺麗になるの」のフレーズで、長い髪をサッと手で払いながらウィンクしてみせるパフォーマンスも見せてくれた。甘酸っぱい歌詞とみずみずしい歌声が、広い日本武道館の会場を満たした。
楠木ともり
3組目に登場したのは、女性声優・歌手である楠木ともり。歌う楽曲はTVアニメ『魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』エンディングテーマ「ハミダシモノ」である。身にまとう真っ黒なドレスにもよく合う、シリアスな楽曲。火球が舞台の上部を舞う演出もまた美しい。感情的に、舞台の足元へ、天井へと、絞り出すように放った歌声が、聴く我々の心へも直接訴えかけてきた。
CIVILIAN
4組目には、TVアニメ『魔王学院の不適合者』つながりで、コヤマヒデカズ(Gt&Vo)、純市(Ba)、有田清幸(Dr)からなる3ピースバンドCIVILIANが登場。1曲目にはアップテンポなオープニングテーマ『正解不正解』を歌った。サイリウムは前のステージに引き続き、赤一色。見ているこちらも曲に合わせて自然と体が揺れてしまう。
CIVILIAN
続けて2曲目には、TVアニメ『魔道祖師』前塵編オープニングテーマの「千夜想歌」を披露。1曲目とは打って変わって、観客席のサイリウムは白一色になる。ヴォーカル・コヤマヒデカズの感情的な歌声に乗り、切実な想いを綴った歌詞が、言葉が溢れていった。
スピラ・スピカ
ガラリと雰囲気は変わって、明るく楽しげなイントロがスタート。5組目、登場と共に飛び跳ねたのは、幹葉(Vo)・寺西裕二(Gt)・ますだ(Ba)の3人からなる男女3人組バンド、スピラ・スピカだ。「やっほー!スピラ・スピカです!」とヴォーカル・幹葉が挨拶をしながら、1曲目にはTVアニメ『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』オープニングテーマの「イヤヨイヤヨモスキノウチ!」が披露された。幹葉はハンドマイクを片手に、もう片方の手でさまざまな振り付けを交えながら、表情豊かに歌う。さらにカメラ目線でステージの端から端を駆け回り、間奏では徳島の阿波踊りを取り入れたダンスも披露するなど、元気いっぱいの舞台を作り上げた。
スピラ・スピカ
2曲目には、アニメ『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』オープニングテーマの「リライズ」を歌う。曲に合わせて、日本武道館の天井にはありえないはずの青空が広がるという驚きの演出も。幹葉の爽やかな歌声が、バンドの音色が、天にも届くようであった。
夏川椎菜
元気なら負けてはいない。6組目には女性声優・歌手の夏川椎菜が登場し、TVアニメ『プリプリちぃちゃん!!』エンディングテーマの「フワリ、コロリ、カラン、コロン」を披露。明るくポップな歌にもよく合う、飛び跳ねたり手を伸ばしたりといった可愛らしい振り付けを交えながら、笑顔いっぱいで歌った。また映像演出では、天井から吊るされたような巨大な音符や星たちが上下。ファンシーで、観ているだけでも幸せになるステージを生み出していた。
BURNOUT SYNDROMES
再び、舞台はシリアスに。7組目には廣瀬拓哉(Dr&Cho)、熊谷和海(Gt&Vo)、石川大裕(Ba&Cho)の3名からなる“青春文學ロックバンド”、BURNOUT SYNDROMESが登場。TVアニメ『ハイキュー!!』シリーズから、「FLY HIGH!!」「ヒカリアレ」の2曲を演奏した。
激しく情熱的な楽器演奏はもちろん、ヴォーカル・熊谷和海の固く真っすぐなテナーボイスにも心が揺さぶられる。間奏では「武道館!」と叫ぶ場面もあり、改めてリアルライブと見紛うようなステージだ。いや、ARの演出によって、鳥の羽根が客席から天井へ向けて一斉に舞い上がっていく映像が見られたのは、リアルライブ以上の熱気だ。ますますのライブの盛り上がりを期待させながら、序盤7組の演奏が終了した。
鬼龍院翔「2021年は倒れるくらいやりたい、3倍やる!」22/7メンバーによる「アーティスト初詣」前半戦が開催
ライブの中間パートとして、ステージを離れた一室にて「22/7のアーティスト初詣2021」コーナーがスタート。司会進行には、女性声優アイドルグループ22/7メンバーの中から、宮瀬玲奈・天城サリー・河瀬詩の3名が登場した。
最初のゲストには、BURNOUT SYNDROMESの3名が登場。質問コーナーで天城サリーが「落ち込んでいるときの立ち直り方」について尋ねると、ドラムス・廣瀬拓哉が、「とにかくふざけながら口に出す。『だって、人生が長すぎる!』」など、22/7の楽曲のフレーズを引用して解決策を回答し、「ガチファン」っぷりを明かした。
続いてはスピラ・スピカから、ヴォーカル・幹葉が登場。ライブの舞台を終えた感想について尋ねられると、「楽しかったですー!!」と身振り手振りで回答。続く「無人島に何か1つだけ持っていくとしたら?」という質問には、「大好きなハンバーグを持っていきたい!いっぱい!……あ、1個だけか!」と、天然っぷりを伺わせる面白回答も。また、2021年の抱負としては、「ライブが人生のご褒美だと思っているので、2021年こそはみんなのところに直接届けたい」という熱い思いを語った。
最後には、西川くんとキリショーこと、西川貴教・鬼龍院翔の2名が登場。これから披露する舞台について訊かれると、実は2人とも、ライブをやること自体は知っていたが、日本武道館でやるということは直前に知ったという驚きを語った。また、2021年にやりたいことについて尋ねられると、鬼龍院翔はコロナ禍の影響を受けた2020年を振り返りながら、「2021年は倒れるくらいやりたい。ぜんぶ取り戻す、むしろ3倍やる!」と語る。また西川貴教も、「今年こそ、主催している滋賀でのフェス(イナズマロックフェス)とかできればいいなと思って頑張っていきます」と期待いっぱいのメッセージを述べた。
■西川くんとキリショー
西川くんとキリショー
ライブは中盤戦がスタート。8組目として、西川くんとキリショーが登場。ふたりともキラキラの華やかなスーツ姿で、TVアニメ『ポケットモンスター』オープニングテーマ「1・2・3」を披露した。武道館のアリーナには、映像演出により砂浜が出現。寒い冬であることを忘れるような熱気であふれるステージを、画面はもちろん、力強いふたりの歌声によって完成させた。
西川くんとキリショー
■22/7
9組目には、秋元康総合プロデュースのデジタル声優アイドルグループ・22/7が登場。アニメやゲームで展開する『22/7』コンテンツから、「ムズイ」「風は吹いてるか?」の2曲を披露した。
22/7
総勢11人でダンスを披露する様は、キレが良いのはもちろんのこと、一人ひとりの動きまで精密に計算されており、芸術性が高い。「自分がどこにいるかわからない」「もうどこへも歩きたくない」とメンバーそれぞれが悲痛に放つセリフが、思春期の記憶を思い起こさせ、心をえぐってくる。さらに舞台にはCGで作られた「22/7」ロゴの巨大な旗が2つはためき、この舞台が彼女たちと一つになったかのようなインパクトを与えていた。
Who-ya Extended
10組目には、驚きのアーティストが登場。ヴォーカルWho-yaを中心としたクリエイターズユニット、Who-ya Extendedである。Who-yaのほかにはギター、ベースのメンバー2人を連れ、結成以来初めてとなるライブパフォーマンスを披露した。
Who-ya Extended
演奏したのはもちろん、『PSYCHO-PASS サイコパス3』TVアニメオープニングテーマの「Q-vism」と、劇場版主題歌の「Synthetic Sympathy」である。言葉数が多くてキーの高い歌うだけでもハードな2曲が、現実にWho-yaの口から、体から発せられる。演出により、連なったキューブが波打つ複雑な映像が作り出されるが、それがそのまま視聴者の熱気を視覚化しているかのようにすら思えた。
■Cö shu Nie
11組目には、中村未来(Gt&Vo)、松本駿介(Ba)、藤田亮介(Dr)からなる男女3人組ロックバンドCö shu Nieが登場した。1曲目にはTVアニメ『東京喰種 トーキョーグール:re』第1期オープニングテーマの「asphyxia」を披露。ヴォーカルの中村未来が、アンニュイな雰囲気を漂わせながらも、芯がしっかり通ったエネルギッシュな歌声を放つ。客席の演出ではたくさんの薔薇の花弁が舞い上がった。
続く2曲目の冒頭では、「ごきげんよう、Cö shu Nieです」と、ささやくように自己紹介。TVシリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス3』エンディングテーマの「bullet」を歌った。ウィスパーボイスや、特にサビで奏でられる、美しくも棘があるような力強い歌声。単に「変幻自在」という言葉では言い表せない、いろいろな表情がありながら、すべて同じ女性の歌声と納得できる、個性の際立った音楽が奏でられる。ずっと耳に残るような、中毒性の高い舞台だ。
■中川翔子
中川翔子
12組目は、歌手・声優・タレントとして幅広く活躍する中川翔子が、ダンサー2人を引き連れて登場した。1曲目に歌ったのはTVアニメ『天元突破グレンラガン』オープニングテーマ「空色デイズ」だ。もう14年も前の楽曲だが、当時とは大きな変化を感じさせる、より力強く、芯の太い声で歌われた。また間奏では、「みんなのドリルで天を突け!いくぞ!」という力強い掛け声も。エンターテインメントに富んだステージである。
続く2曲目では、「ポケモンだいすきなみんなー!ポケンちはー!」と自らが出演しているポケモンバラエティ番組の定番挨拶をしながら、手に持ったタオルを回し、ステージをダンサーらと駆けまわる。歌うのはもちろんテレビアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』エンディングテーマ「タイプ:ワイルド」だ。曲の終盤では、「健康祈願、寿命が延びるように一緒に叫ぼう!」と、カメラにマイクを向けながら「タイプ:ワイルド!」のコール&レスポンスも再現。エネルギー120%を消費し尽くし、圧巻の舞台を終えた。
ASCA
ASCA
13組目、黒と白のアシンメトリーな衣装に身を包んで登場したのはASCA。披露したのはTVアニメ『魔法校高校の劣等生 来訪者編』オープニングテーマ「Howling」だ。たった一人で舞台に立ちながら、どこまでも高く、広く届くような歌声を放つ。日本武道館全体を映すヒキのカメラの映像に切り替わっても、その存在がちっぽけに感じられないのは、アーティスト自身の力強さゆえだろう。衣装をはためかせ、長い髪をなびかせながら、アグレッシブに手を高く掲げ、叫ぶ。
佐藤ミキ
打って変わって、バラードを歌ったのは、14組目に登場した佐藤ミキだ。身にまとうドレスは白く、客席で揺れるサイリウムは紫一色である。披露したのはTVアニメ『魔法校高校の劣等生 来訪者編』エンディングテーマ「名もない花」。柔らかく、伸びやかな歌声で会場を満たしていく。星屑のようなもの光が客席へと降り注ぐ幻想的な演出も重なり、今の季節ともマッチした、冬らしい煌めきあふれる舞台となった。
麻倉もも
15組目の麻倉ももは、星柄のスカートや肩を出した白いトップス、髪を束ねる長いリボンなど、かわいらしさいっぱいで登場。HoneyWorksによるプロデュースで話題になったTVアニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』エンディング主題歌「ユメシンデレラ」を歌った。「もう、答えてよ!」など、セリフっぽく感情を込めて歌う箇所も「尊さ」を感じる。また、桜の花弁のように天井からハートが舞い散るファンタジックな演出も、ステージに彩りを添えていた。
halca
16組目には、赤いコートとチェック柄の帽子&スカートでhalca が登場。TVアニメ『彼女、お借りします』エンディングテーマ「告白バンジージャンプ」、TVアニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』エンディングテーマ「センチメンタルクライシス」の2曲を歌った。振り付けもいっぱい、笑顔もいっぱいで少女の揺れる想いを感情豊かに歌い上げる。元気で明るいだけでなく、時おり見せる大人っぽい表情もあり、誰もが恋してしまいそうな胸キュンのパフォーマンスで満ちていた。
■鈴木雅之

鈴木雅之 feat.伊原六花

17組目、“ラブソングの王様”でありながらもアニソンアーティストとしては大型新人である鈴木雅之が登場。1曲目はTVアニメ『かぐや様は告らせたい』シリーズから「ラブ・ドラマティック feat.伊原六花」。フィーチャリングアーティストである伊原六花は、白いドレスをまとって登場。ふたり、それぞれ両手で振り付けも交えながら、表現豊かに歌い上げる。

鈴木雅之 feat.鈴木愛理

2曲目には、同アニメシリーズから「DADDY!DADDY!DO! feat.鈴木愛理」を披露。鈴木愛理は真っ赤なドレスで登場し、鈴木雅之もまた違った柄のジャケットを羽織って登場。アグレッシブに、ふたりで歌とダンスをキメる。両ステージとも、巨大なシャンデリアが天井に現れ、日本武道館をゴージャスな舞台に作り変えていた。
鈴木雅之 feat.伊原六花
夏川椎菜「PS5を買いました!」22/7メンバーによる「アーティスト初詣」も後半に突入
ライブのステージも中盤戦が終わり、22/7による「22/7のアーティスト初詣2021」後半の模様が流された。
まずは、今回のライブではTrySailとして、それぞれソロアーティストとしても出演している夏川椎菜・麻倉もも・雨宮天の3名が登場した。2020年の大きなお買い物について尋ねられると、雨宮天は「iPadと録音機材を」とアーティストらしく回答。一方で夏川椎菜は「PS5を買いました!価格もですが、サイズもデカかったですね!」と羨ましい報告をし、皆を驚かせた。
さらに麻倉ももは、「家にいる時間が長くなったので、ちょっといいテレビを奮発して買いました」と回答を重ねる。2021年の豊富については、「2021年はみなさんと会う機会を増やしたい」と麻倉ももが回答。雨宮天は「あんまり(TrySailの3人で)遊べなかったから、遊んで、仲の良さをステージでぶつけたい」と答えた。夏川椎菜もまた「オンライン飲み会でお酒に強くなった気がするから、3人で飲みたい!」と仲の良さを感じさせる話題を重ねた。
続いては鈴木雅之が登場。小さいころに影響を受けたアニメについて訊かれ、1963年に放送された『エイトマン』を挙げた。加えて、実はこのアニメのテーマ曲では、自分が所属するRATS & STARのメンバー・桑野信義の父親がトランぺットを吹いていたという秘話も語った。2021年の抱負について訊かれると、「春先から全国ツアーをスタートさせたい。去年はみんな心も体もネガティブになることが多かったから、そこで勇気を推してあげられるのがミュージシャン。みんなと共に、笑顔で全国ツアーを繰り広げたい」という思いを述べた。
最後は、終盤ステージで歌う5人組男性ロックバンドFLOWから、ヴォーカルを務めるKEIGOとKOHSHIの2人が登場。質問として、これまでの武勇伝について訊かれると、KEIGOは、以前の武道館ライブのステージ上で肉離れを起こしたままライブをやりきったという恐るべきエピソードを語った。2021年の抱負については、KOHSHIから「僕らはライブをしないと生きている感じがしない。ぜひみなさんと、面と向かって『GO!!!』できる瞬間を楽しみに活動を続けていきたい」と、ライブの定番楽曲名ともかけながら希望を語った。
■Rude-α
いよいよ日本武道館のライブも終盤。18組目には、沖縄出身のラッパーRude-αが、DJと共に登場。TVアニメ『Dr.STONE』エンディングテーマ「LIFE」、TVアニメ『SK∞エスケーエイト』オープニングテーマ「Paradise」を2曲続けて披露した。少しレゲエの要素もあるメロディアスなラップを、ロックなサウンドに合わせて響かせる。ときにカメラ目線で、ステージを端から端へ。ラップ好きはもちろん、疎いリスナーでもきっと心地よさを感じるであろう、クールさと情熱が兼ね揃えられた新世代の音楽で舞台を満たした。
■雨宮天
雨宮天
19組目には、女性声優・シンガーの雨宮天が、4人のダンサーを引き連れ登場。「こんばんはー、雨宮天でーす!いっしょに楽しみましょー!」と叫ぶ。その姿は、頭をお団子にし、チェック柄のワンピースで、まるでデートに来たような可愛らしさだ。
愛らしい歌と振り付けでTVアニメ『理系が恋に落ちたので証明してみた。(リケ恋)』オープニングテーマ「PARADOX」を披露。普段、ソロでみせるクールな一面とはまた違う可愛らしい側面をみせた。
ナナヲアカリ
20組目には、『リケ恋』つながりでナナヲアカリが登場し、同アニメのエンディングテーマ「チューリングラブ feat.Sou」を披露した。ナナヲアカリはマイク片手に、振り付けも完璧に披露。サビの部分では、VJも舞台の前に飛び出し、ダンサーとして踊った。
2曲目、TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』オープニングテーマ「Higher’ s High」の演奏では、ナナヲアカリもギターを持ってパフォーマンスを行う。叫ぶような歌い方でもありながら、それが聴き手の感情を刺激する、ナナヲアカリ節全開でステージを締めくくった。
斉藤朱夏
21組目には、女性声優・歌手の斉藤朱夏が登場。1曲目にはTVアニメ『俺を好きなのはお前だけかよ』オープニングテーマ「パパパ」を歌った。ポップで明るい曲と歌声で、ステージの天井から大量の「パ」文字が舞い散るという、ファンタジーな演出も。心も体も弾むような面白すぎる演出だ。
続く「しゅしゅしゅ」では、ピアノの音色に合わせて体をゆらす大人なダンスも披露。演出では、「しゅ」の文字がステージから客席へと向けて発進していくように空を舞う。映像だけでなく、斉藤朱夏の笑顔とキレのよいダンスで、楽しさあふれる舞台であった。
■TrySail
TrySail
22組目には、TrySailの3人が登場。夏川椎菜・麻倉もも・雨宮天の3人は、それぞれ、ジャケットやスカート、パンツなど形は異なるが、色は統一された衣装で現れた。1曲目にはTVアニメ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』オープニングテーマ「ごまかし」を披露。ゆったりした静かなイントロから、一気にアップテンポで、シリアスで切ない音楽へと広がりを見せる。
2曲目はガラッと表情を変え、「TrySailでーす!」と3人声をそろえて元気よく挨拶しながら、TVアニメ『エロマンガ先生』エンディングテーマ「adrenaline!!!」を歌う。この日それぞれソロでも出演した3人、それぞれの魅力をぶつけた圧巻のパフォーマンスと、仲の良さが垣間見える3人のコンビネーションが光るステージになった。
■FLOW
FLOW
23組目には、男性5人組バンドFLOWが登場した。まずはTVアニメ『コードギアス反逆のルルーシュ』より「COLORS」を披露。曲の歌詞に合わせ、映像演出で天井に青空が広がる。さらに2曲目には、リリース前の新曲でライブとしては初披露となる、TVアニメ『シャドウバース』オープニングテーマの「新世界」を演奏。壮大な行進曲とロックサウンドが融合した楽曲に、客席の黄色いサイリウムが揺れて応える。
FLOW
そして、「もっともっと一つになっていきましょう」と、3曲目にTVアニメ『NARUTO-ナルト-』よりオープニングテーマ「GO!!!」を飛び跳ねながら披露。楽曲終盤では、KEIGOの「ビッグウェーブカモン!」に合わせて、サイリウムのウェーブが1階席から最上階まで「ぐわん」と波打つように広がっていく演出が驚きだった。もはや、無観客とは感じさせないその映像は、見逃し配信などで是非実際にみていただきたい。
もちろん「ファイティングドリーマー!」のコール&レスポンスも音の演出により再現されていたが、最後のサビでのKOHSHIによる「せーの!」の後だけは、あえてボイスが入っていなかったのもニクイ。きっとこの瞬間も、世界からの「Oli oli oli oh-!」が日本武道館へ向けて響いたことだろう。
■西川貴教
西川貴教+ASCA
いよいよラスト24組目として、西川貴教が登場。1曲目は西川貴教+ASCAとして、TVアニメ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』オープニングテーマ「天秤-Libra-」をコラボレーションで披露した。ASCAは白のワンピースで、西川貴教は黒のノースリーブジャケットを直接地肌に羽織った姿である。鍛え上げられた胸筋と腹筋をさらけ出し、ASCAと共に力強い声で歌い上げる。間奏部分で、アニメから引用したセリフの掛け合いも、もちろん実現した。ミュージカルのように、ドラマのように、舞台を劇的に魅せていく。
西川貴教
そして2曲目には、西川貴教がソロとして、TVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』オープニングテーマ「Bright Burning Shout」を披露。有観客なら、観客の熱気も最高潮に達しているラストのステージ。演出ではそれを再現してか、1階席が炎に包まれるというとんでもない演出が見られた。その中を、薔薇の花びらが舞い上がるのもまた美しい。文字通りの完全燃焼となり、力強さに満ち満ちたステージが幕を閉じた。
西川貴教
2021年の希望へ、アニソンの炎は消えない
最後までライブを観終えて、画面にFinの文字が現れ、そのあとには、『Sony Music AnimeSongs ONLINE 日本武道館 THANK YOU』の文字が並ぶが、しばらく放心状態であった。正月からすごいものを見たのは間違いない。改めて、今回のステージの物凄さを振り返りたくなる。
Sony Musicの粋を結集したと言って間違いない、豪華絢爛のステージ。これを本当に日本武道館でやったのだという驚きが、観終えた直後には実感がわかない。本来ならば、きっと今回も有観客で、沢山のアニソンファンが一堂に結集した中で開催されるべきであったものだ。舞台が豪華であればあるほど、それとは反比例して、その場所に我々が「行けなかった」という悔しさも高まる。
こうしたライブが、家でも・世界でも、配信という形で楽しめるような時代となったことは、ある意味喜ばしいことでもある。これを機に、ライブを初めて体験したという音楽ファンもきっと多いことだろう。だからこそ、早くこのコロナ禍が終わってほしい、ライブ会場に不安なく足を運べる未来が戻ってきてほしいと願う。そしてそれは、そんなに遠くない未来であるはずなのだ。会場やイベントスタッフは当然だが、向かう我々一人ひとりの心がけこそ重要なのだ。
今回の「2021年の抱負」として、アーティストがそろえて口にした、「ライブがやりたい」「皆に希望を届けたい」という言葉に、改めて想いを馳せる。きっと2021年は、そんな年になる筈である。だからこそ、どんな絶望的な話題が飛び込んできても、我々は負けてはいけないのだと思う。心が折れそうなときこそ、またアーティストたちの熱意に満ちた歌声を聴いて、心を強くしていこう。そう願い続ける。
2021年は、いよいよ始まったばかりだ。これから我々も、またアニソンの炎に新たな薪をくべ、燃え上がっていこう。
取材・文:平原 学

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