市川弘太郎主催で狂言・歌舞伎のオン
ライン公演『不易流行』が配信決定

2020年12月13日(日)18:00より、狂言と歌舞伎のオンライン公演企画『不易流行(ふえきりゅうこう)』の映像配信がイープラスStreaming+にて開始されることが決定した。
『不易流行』は、澤瀉屋(おもだかや)の市川弘太郎が主催。今回期間限定で有料配信されるのは、狂言界から善竹大二郎氏らを招き、 2020年10月19日に山梨県の身曾岐神社にて収録を行った映像だ。昔ながらの演目「宗論」を、狂言と歌舞伎の双方で視聴できる。それぞれルーツの異なる伝統芸能の違いを見比べながら、古典芸能を楽しんでもらうことを狙いとしている。狂言と歌舞伎で「宗論」を含めた演目を2つずつに加え、主催の市川弘太郎と今回ゲストとして出演する狂言師・善竹大二郎の公演後対談なども視聴が可能だ。本企画は、最少人数で公演を行うため、 演奏は別日にて撮影前にスタジオ録音を実施したり、zoomを活用した稽古を行うなど、 新たな手法に挑戦したという。
出演者は録音した演奏をイヤーモニターで聴きながら演じる
録音の様子
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて多くの公演が中止となるなど、大きな影響を受けている伝統芸能の世界。東京文化財研究所によれば、歌舞伎や能楽などで、感染拡大への懸念から中止や延期になった件数はこれまでに3000件以上に上るという。3月より全ての公演を中止していた歌舞伎座は、8月1日から公演を再開したが、消毒のための時間短縮や観客同士の距離を確保するため空席が設置されており、演技中に役者にかける「大向う」と呼ばれる掛け声が飛沫感染対策として禁止されるなど、公演を再開してもかつての風景は戻ってきていない。また、公演の件数が減っていることから、邦楽器の演奏家や知名度の少ない役者にとっては、いまだ苦境が続いているという。
本企画の狙いは、これまで受け継がれてきたものを守りつつも新たな伝え方を追求していくことで、 伝統芸能そのものやそこに関わる人たちへ活気を取り戻していくこととしている。なお、『不易流行』プロジェクトでは今後も定期的なオンライン公演に加え、 DVDの販売や、 古典芸能を子どもたちへ伝えていくためのクラウドファンディング企画なども予定している。
狂言「宗論」
歌舞伎「宗論」
『不易流行』に込められた想い~主催者より~
「不易流行」主催の市川弘太郎でございます。
新型コロナウィルスの流行に伴い、「毎日舞台に立つ」という当たり前の日常が突然消えました。当たり前が当たり前でなくなった今、自分たちで表現の場を模索するべきなのではないか。そんなことを考えている中、親交のあった狂言師の善竹富太郎さんが新型コロナウイルスによってお亡くなりになりました。
富太郎さんといつかやりたいと思っていた事が、いつまでも出来ないものになったという事実に直面し、この厳しいコロナ禍でも、今やろうと思った事は何としても実行し、やり遂げるべきだと思い至りました。
先人たちが築き上げてくださった伝統芸能を、今の時代だから出来る手法でご覧いただきたく存じます。
『不易流行』告知用PV

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