ズーカラデル、ミニアルバム『がらん
どう』リリース記念ライブのオフィシ
ャルレポート到着
ズーカラデルのサード・ミニ・アルバム『がらんどう』のリリース・ライブ『がらがらどん』が、10月20日(火)、恵比寿リキッドルームで行われた。
フロアに座席を設置し、入場者数を本来のキャパシティの1/8程度の100名弱に抑え、オーディエンスはマスク着用とCOCOAのダウンロードが必須、歓声NG、立ち上がっての観覧NG、入場時に検温、終演後は規制退場──という、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底したオペレーションでの開催。イープラスの配信サイト、Streaming+のプラットフォームを使って、生配信も実施された(チケット¥1,800/10月25日(日)23:59までアーカイブ視聴可能)。20:00という、通常よりも遅い開演時刻は、それを考慮してのことだと思われる。
これも『がらんどう』からの「スターイーター」を経ての3曲目、アッパーでダンサブルな「ダンサーインザルーム」から、目に見えてバンドのギアが上がり、2018年のセカンド・ミニ・アルバム『夢が醒めたら』の曲順どおりに、ノンストップで「恋と退屈」につなげていく。座ったまま身体を左右に揺らすオーディエンスのアクションが、さらに大きくなる。
これも『夢が醒めたら』の曲順どおりだ。この曲と次の「リトル・ミス・ストレンジ」、手数の少ないシンプルなアンサンブルに、まるで会話のように自然に吉田崇展のメロディが載っていく2曲が続く。
「あるある、そういうこと、ある」と、その静寂を破った鷲見こうたのフォローに、吉田崇展、「……心拍数が上がった」と応え、フロアに微笑みが広がる。
鷲見こうたのベース・タッピングが耳を奪う「前夜」からの「イエス」では、「不自由な状態ではありますが、我々はでっかい声で歌いますので、皆様どうぞ、心の中で歌ってください」という吉田崇展の言葉に応えて、ここまででもっとも多くの腕が振り上げられ、リキッドルームは、この日のライブ一回目のピークを迎える。
そして「季節はすっかり冬でございますが、季節がいくら巡っても、同じように我々の生活は続いていくものでございます」という前口上から「生活」へ。絶望や不幸があっても生活は続いていく、そのことの残酷さと希望を描いたズーカラデル屈指の名曲に、オーディエンスはじっと耳を傾ける。この曲と、次の「ころがる」では、歌い終えた吉田崇展は、「ありがっと!」ではなく「ありがとうございます」と言った。
そして、「すべての人々、本当にありがとうございました」をお礼を言い、「次に演奏する曲は、こうやって音楽の元に集まったすべての人に向けてのラブソングでございます」と、以前からライブの定番曲だが、音源化はされていない「友達のうた」を、感動的に聴かせる。
そして「夜明けのうた」「アニー」、「TAPIOCA」の、新旧のライブ・アンセムの三連打でこの日三回目のピークを迎え、ライブは終了。『がらんどう』からの「夜明けのうた」と「TAPIOCA」が、ズーカラデルの存在を全国に知らしめる最初の名刺になった「アニー」と並んでもひけをとらない輝きを放っていることが、とても印象的だ。
客電が点き、BGMがかかり、終演を告げるアナウンスが流れても、アンコールを求めるハンドクラップはなかなか消えなかった。
文=兵庫慎司 撮影=鈴木友莉
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