【ChouCho インタビュー】
私にとっての“約束”は
“また会おう”ってこと
来年にはデビュー10周年を迎えるChouChoが2年振りとなるシングル「灰色のサーガ」をリリースする。TVアニメ『魔女の旅々』のエンディングテーマとしてミステリアスな中にもポジティブなメッセージが込められた本作は、不安定な状況の中で生きる今の人々に大きな勇気を与えてくれるだろう。
魔女として歩んでいく主人公に
歌手として進む自分も重ねた
新曲の「灰色のサーガ」は神秘的でファンタジックで、魔女が旅をしていくというTVアニメのエンディングテーマにぴったりですが、その中にどこか不穏な響きがあるのはアニメの内容から導かれたものなんでしょうか?
そうですね。最初に『魔女の旅々』の台本や設定資料をいただいた時は、まず絵のきれいさに驚きました。すごく緻密で美しいイラストに惹き込まれたんですけど、ストーリーを読み進めていったら、結構ダーク&シリアスな表現がたくさん盛り込まれていることにギャップを感じて。主人公の可愛さからは想像もしていなかったのでびっくりしましたけど、その意外性に他の作品とは違う魅力を感じたんです。
なるほど。それで、その意外性を楽曲にも反映させようと。
はい。この作品の多面的な魅力を楽曲でも出せたらいいなって。制作サイドからも“ちょっと不思議な要素を入れてほしい”と要望があったので、変拍子の曲にしようっていうのは最初から決めました。主人公のキャラクターも物事を冷静に見てるような淡々とした部分がありつつ、少女らしい部分もあったりするので、“明るい”と“暗い”の中間にあるミステリアスな感じっていうのはすごく意識して作りましたね。中でも、Dメロは一番明るい展開になっているので、そこのメリハリも意識して歌いました。
それで展開もどんどん変わっていくんですね。タイトルは主人公の髪の色からですか?
そうです。彼女には“灰の魔女”というもうひとつの名前もあるので。作品の世界観がすごくしっかりしているおかげで、歌詞も迷いなくすんなりと書けて。『魔女の旅々』はタイトル通り“魔女の旅”を描いた作品なので、“どんどん前に進んでいくぞ”っていう想いだったり、特にサビには前向きな気持ちを入れてます。主人公のイレイナと同じように私も知らないことを知るのがすごく好きですし、学ぶこと、旅や海外も好きなので、共感できる部分もたくさんあって。彼女が魔女として歩んでいくところに、歌手として進む自分を重ねて歌詞を書いているところもあるくらいなので、サウンドはちょっと不思議でも歌詞は全然暗くないんです(笑)。
“私だけの物語を見に行こう”と見知らぬ世界に進んでいく主人公の姿が描かれていますし、根本的にはポジティブな曲ですよね。先ほどおっしゃっていたDメロは特に。
《追い風も向かい風も味方にして進もう》って一番前向きなことを書いてますね。メロディーがすごく明るいので、そこに引っ張られるようにして歌詞も考えたんですよ。ここのDメロの展開は自分でも気に入っているんですけど、残念ながらアニメサイズだと聴けないので、気になった方はぜひフルサイズも聴いてほしいです。
MVはどんな感じに?
今回、新たにアニメーションMVに挑戦しました。絵本の中でストーリーが展開していくようなものになっていて、そういったアニメーションのMVって以前からやってみたいなと思っていたんです。で、この楽曲すごくファンタジックなので、絶対に合うだろうと、今回、念願叶ってやらせていただきました。
では、ご自身は出演されていない?
そうなんです。今はコロナのせいで人を集めてMVを作るのも難しい状況だから、タイミングも良かったんです。