「大人計画 怒涛の7カ月大特集」が
9/25より放送 松尾スズキが語る、当
時の思い出や3作品の見どころとは

2020年9月25日(金)WOWOWにて、「大人計画 怒涛の7カ月大特集」が放送される。この度、当時の思い出や、9月に放送となる3作品の見どころなどを聞いた、松尾スズキインタビューがオフィシャルより到着した。
WOWOWでは9月から来年3月までに7カ月に渡って、「大人計画 怒涛の7カ月大特集」をお届けする。9月は大人計画関連作と題して松尾スズキ演出の3本『大竹しのぶ✕松尾スズキ「蛇よ!」作・演出 松尾スズキ』、『「農業少女」野田秀樹✕松尾スズキ✕多部未華子』、『松尾スズキ作・演出「マシーン日記」(2013) 鈴木杏✕少路勇介✕オクイシュージ✕峯村リエ』を放送。
さらに10月には、『大人計画ウーマンリブvol.14「もうがまんできない」作・演出・監督 宮藤官九郎』を宮藤官九郎監督のもとで収録し、オリジナル番組として放送する。
大人計画ウーマンリブvol.14『もうがまんできない』
WOWOWでしか見ることのできない貴重な大人計画特集を楽しみにしよう。
ーー「大人計画 怒涛の7カ月大特集」ときいて、率直な感想は?
すごいですね。『エロスの果て』とか『ヘブンズサイン』『生きてるし死んでるし』とか、もう俺の中でも断片しか覚えてないようなものが、良い映像で見れるんでしょ?(デジタルリマスター版で放送)
今大人計画観ている人たちとか、観たことないのが結構いっぱいあると思うんで、そういう人たちが30代の俺とかみんなを見てくれるっていうのは恥ずかしくもあるけど、面白いですね。
ーー放送される全20作品の中で印象深いものはありますか?
ファンキー(『ファンキー!~宇宙は見える所までしかない~』)とかね、これで賞(第41回岸田國士戯曲賞受賞)を頂いたりしたし。この間見て、やっぱ面白いなと思って。
なつかしいですよね。みんなもう50代近くになって、彼らの20代前半の映像を見たことない人にはすごい貴重だと思うので。
ーー今回放送するのは、1996年~2017年までの21年にわたる20作品ですが、90年代と今で、演出に関して一番大きく変わったことはなんですか?
放送されるのは本多劇場での公演が多いじゃないですか?本多劇場には本多劇場の演出がありますね。仕込める美術も限られてるし。コクーンとか、スズナリだとまた違うけど。
『マシーン日記』は本多劇場の公演(2001年)と東京芸術劇場の公演(2013年)を見比べてみるのは面白いかもしれない。結構再演を重ねている作品なんですけど、芸術劇場にいってはじめて回転舞台になったので。ずっと家の外のシーンをどうするか悩んでいたのが、回せばいいんだっておもったんですよね。幕を下ろして処理するのは煮え切らなかったんで。再演を重ねていくことにはそういうことを見つけることができるっていう意味があって。そこが映画とは違うところですね。
ーー改めて再演したいものはありますか?
『サッちゃんの明日』とか、別バージョンでやってみたいですね。あと、初期のやつは話が壮大なんですよね。話が本多劇場に収まらないサイズで。それをコクーンとかでやったらどうなるのかとか。
ーー9月に放送の3作品について、まず『蛇よ!』で印象深いことはありますか?
『蛇よ!』 写真撮影:青木司
大竹さんと二人芝居をやるって、よく大竹さんも受けてくれたし、よく俺も思いついたなって。今考えると震えあがりますね。その頃って、あんまり怖いことがなかったんだなってしみじみ思います。
短期間でよくこれだけのことが思いつけたなと。大竹さんが絞り出してくれたところがあると思います。やっぱり「大竹しのぶ」とやるという緊張感から、「面白さ」と「芸術」のせめぎあいというか、不思議なものができたと思いますね。大竹さんなんでもやってくれるし。あとで聞いたら蜷川(幸雄)さんに相談してたらしいですけど。「精子の役がきたんだけどどうしよう」って(笑)。「女優なんだからやれよ!」って言われたみたいで。
ーー『マシーン日記』はいかがですか?
『マシーン日記』 写真撮影:引地信彦
パリでやったのが印象深いですよね。外国の人がみたらどう思うんだろうという一抹の不安があったんですけど、すごく受け入れてくれて。俺、海外向いてるのかな? って(笑)
フランス人に受けたっていう話があんまり日本に伝わっていないのが悔しかったんで、ぜひそこは見届けてほしいですね。
ーー『農業少女』はいかがですか?
『農業少女』 写真撮影:引地信彦
『農業少女』は元々、野田さんがおそらく僕に当て書きで書いてくれたであろう都罪(つつみ)という役で出演していて。そのあと、東京芸術劇場から、『農業少女』を松尾さんが演出しませんか? という話がきて。野田さんの作品って結構難しいから、どうかなと思ったけど、『農業少女』は比較的わかりやすいし、自分がやって一回体に入っているやつだったんで、すごく楽しくできた思い出があります。美術とかもかなりアイデアを出して、あと多部ちゃんがここから舞台やるようになって、めきめきと、賞を受賞したり、思い入れの深い舞台ですね。面白い芝居ができたなっていう印象はあります。出てる俳優もみんな個性的で面白かったですね。

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