King Gnu初の配信ライブのオフィシャ
ル・レポート到着

King Gnuが8月30日(日)にバンド初の配信ライブ『King Gnu Streaming Live』を開催した。

最新アルバム『CEREMONY』リリース後に控えていた初のアリーナ公演を含む全国ツアーが新型コロナウイルスの影響で見送られ、今回の配信ライブは実質的にアルバム『CEREMONY』リリース後初のワンマン・ライブとなった。そんな貴重な一夜のオフィシャル・ライブ・レポートが到着した。

なお、本公演は9月1日(火)24時までアーカイブが公開されている。

【オフィシャル・レポート】

Text by ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Photo by Kosuke Ito
King Gnu、初の配信ライブはライブ・バンドである魅力をストイックに追求した生々しいほどにロックな圧巻のステージとなった。本来であれば、最新アルバム『CEREMONY』を引っさげ、バンド最大規模となる全国ツアーだったこともあり、メンバーやスタッフが本公演にかける熱量は並々ならぬものがある。

オープニングは会場外の映像からはじまった。まるでライブ会場に訪れたような雰囲気。フロアは暗めでぼんやりと明かりがあるような状態。メンバー名が表示される、映画のようなクレジットが高揚感を高めてくれる。そんな緊張感あふれる雰囲気のなか、1曲目からアッパー・チューン「Flash!!!」のイントロダクションが突如鳴り響く。ライブでより映えるビートの効いた「Sorrows」、跳ねるビートと甘酸っぱいメロディーが感情をアップリフトする人気曲「Vinyl」が続き、一気にギヤがフルスロットルへ入る。
無観客であることを一切感じさせない没入感の高い濃厚なパフォーマンス。会場にはオーディエンスがフロアにいないこともあり、メンバーが互いに向き合いながら演奏するというスペシャルなスタイル。中心には、通常であればライブ後方に置かれていたKing Gnuのロゴが光るモニュメントが鎮座する。次から次へと繰り広げられる、スキルフルかつ熱量の高いダイナミックなプレイ。主役4人の力量が凄まじいこともあり、まったく飽きさせないステージングに、画面越しにSNSで声援を送るオーディエンスたち。

ギターと鍵盤を自在に操る常田大希(Gt.Vo.Key.)と、ピュアネスと混沌を併せ持つ井口理(Vo.Key.)によるツイン・ボーカルの高揚感。安定のテクニカルなプレイを解き放つ新井和輝(Ba.)、ダイナミックなビートを展開する勢喜遊(Drs.Sampler)による圧巻のサウンドが繰り広げられていく。中盤、俳優としての活躍も目覚ましい井口らしさが映える「傘」、「It’s a small world」とシアトリカルなナンバーを挟み、グルーヴィーに疾走するファンキーな「Overflow」、昨年の音楽シーンを代表する国民的楽曲となったメロウにたゆたう「白日」が続く。

MCでは、ライブの凄みとはギャップある、彼ららしいわちゃわちゃとした雰囲気が魅力だ。柔らかなトークが繰り広げられていく。お互い向き合ったステージは、アイコンタクトがしやすいなど発見もあったようだ。

後半戦は、まさにKing Gnuの独壇場だ。どんなバンドにも真似ることの出来ない、ずば抜けたドープさを発揮する「Player X」、「Hitman」、「The hole」で解き放つ、妖しくも危険な、極限までにピュアな美しさを空間いっぱいに解き放つ。
現時点でのベスト選曲で展開されていくセットリスト。ステージ上に配置されたメンバーを狙うカメラやレール、クレーンを使った躍動感溢れるカメラワーク。ハンディカメラを駆使し、通常のライブでは撮影できない距離感でのシーンなど、絵作りにかけたこだわりは鳥肌ものだ。天井から吊るされたカメラによる、4人を俯瞰するシーンも斬新だ。

オーラスへのスイッチが入ったのが、King Gnuらしさ溢れるテーマソングのようなナンバー「Slumberland」だ。そして「⾶⾏艇」、「どろん」というヘヴィかつ、画面から飛び出してきそうな勢いを感じさせるライブ感ある楽曲たち。

ラストは、キラー・チューン「Teenager Forever」の登場だ。甘酸っぱい高揚感を開放感あるギターポップ・サウンドによって解き放つ魔法めいたポップ・ソングに、オーディエンスは解放されていく。
無観客であっても、画面の向こうにいるリスナーと時間軸を超えて繋がれるのがKing Gnuライブの凄みだ。ミュージック・ビデオのイメージから楽天的な雰囲気もある「Teenager Forever」だが、実はシリアスな人間関係を匂わせる歌詞フレーズに着目したい。音楽ありき。人生は一度きり。一期一会なロック初期衝動が、ひさしぶりなライブ・パフォーマンスとしてこれでもかとパンキッシュに炸裂していく。ラスト・シーンは、ステージ上に火花も上がり、井口による「画面の前の皆さん、ありがとうございました!」の一言で終了した。

King Gnu=ヌーの群れは、混沌という知性にポップという名の秩序を与え、仲間を巻き込みながらもっともっとでかくなる。2020年の夏、King Gnuの大いなる旅はまだまだ続いていく。そんな決意表明のようなライブだった。
SET LIST

M1. Flash!!!
M2. Sorrows
M3. Vinyl
M4. 傘
M5. It’s a small world
M6. Overflow
M7. ⽩⽇
M8. Player X
M9. Hitman
M10. The hole
M11. Slumberland
M12. ⾶⾏艇
M13. どろん
M14. Teenager Forever
【配信情報】

『King Gnu Streaming Live』

日時:2020年8月30日(日) OPEN 19:00 / START 20:00
配信: Stagecrowd(https://stagecrowd.live/)
料金:一般 ¥3,500 / 限定 ¥3,600*

チケット販売(Stagecrowd)(https://clubgnu.com/1579516647/) :7月14日(火)18:00~8月31日(月)24:00

*「CLUB GNU」限定デザイン・カード付きチケット

※ライブ・パフォーマンスは事前収録となります。
※ご購入はスマートフォンのみ。視聴については推奨環境をご確認ください。
※見逃し配信:公開開始から9月1日(火)24:00まで
※見逃し配信は配信終了後、準備が整い次第配信スタートとなります。お時間をいただく場合がございますのでご了承ください。
※見逃し配信はチケット購入者のみ可能です。
※チケットは販売期間内にご購入下さい。

■ King Gnu オフィシャル・サイト(http://kinggnu.jp/)

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