内田雄馬

内田雄馬

【内田雄馬 インタビュー】
内田雄馬として
また新しいチャレンジ

6thシングル「Image」の表題曲は本格的ダンスナンバーであると同時に、彼の表現に対するストイックさが感じられるクールな楽曲。そして、カップリング曲「You Are Special」ではファンに対する個人的な想いを表現。また一歩、アーティストとして歩みを進める一作となった。

最終的に選択した答えに
磨きをかけることが大事

「Image」はミドルテンポのEDMで、MVでは一曲を通して踊っている姿が印象的でした。

今回はノンタイアップでのシングルということで、楽曲の方向性を自由に選択できるタイミングでした。なので、この機会に内田雄馬としてまた新しいことにチャレンジしたいと思っていて、それが表題曲でダンスナンバーを歌うということだったんです。

昨年から今年にかけて開催されたツアー『1st LIVE TOUR「OVER THE HORIZON」』でもダンスパフォーマンスが好評で、“内田雄馬=踊れる声優”というイメージを持った人も増えたと思うので、その期待に応える曲でもありますね。

そう思ってもらえたら嬉しいです。歌って踊るのは、自分のパフォーマンスのベースにしていきたい部分ですから。MV撮影にはライヴでたくさん踊った経験を活かすことができたし、出演してくれたダンサーチームもツアーの時と同じメンバーなので、いいチームワークを保ったまま、リラックスした気持ちで挑戦できましたね。

また、「Image」のヴォーカルは全体的に透明感のある歌声という印象があって、いつものアツく湧き上がるような歌い方とは違うテイストで新鮮でした。

今までの楽曲ではアツさやエネルギーを込めて、それが聴いてくださった方の力になるようにアプローチをしてきましたが、今回はどちらかと言うと、自分と…聴いてくれた人にとっても、自分自身と向き合うことにつながる曲であったらいいなと思ったんです。だから、この楽曲が力を与えるというよりは、その人が何かを選択しなければいけない時や、自分を奮い立たせたい時のきっかけになったらいいなと。アツくなりすぎると自分をコントロールできなくなるけど、客観的な視点を持ったり、感覚を研ぎ澄ませる瞬間はとても冷静になるじゃないですか。そういうニュアンスを歌の中にも込めさせていただきました。

歌詞からは内田さんの仕事に対する向き合い方や、役に入り込んでどんどん研ぎ澄まされていく瞬間のことが感じられました。

まさにそうなんです。仕事に向き合う時の自分の思考の様子が、すごく連想される歌詞になっています。僕の仕事はできるだけたくさん想像して選択肢をいっぱいまで広げて、最終的に選択した答えをさらに磨き上げていくことが大事で、それは歌でも芝居でも共通するところです。僕が仕事をする上で普段やっていることや、大事にしている原点を思い出させてくれる曲になっています。

内田さんが出演したアニメ『宝石商リチャード氏の謎鑑定』ではないですが、宝石は掘り起こした時はゴツゴツしていて、それを磨くことで商品価値が高まるみたいな。

“原石”という言葉があるくらいですからね。見つけた答えでどうアプローチしていくかも大事だけど、そこに至るまでにどれだけたくさん可能性を模索して思考するかも大事で。例えば、声優の仕事ならシーンの空気感やその時の状況、誰と話しているのか、相手を好きなのか嫌いなのか…いろいろ想像して演じるキャラクターの日常や経験を追体験することで、その台詞が生まれた瞬間を明確にとらえることができるんですけど、それには本当にいっぱい想像を膨らませないといけないんですよ。

マイクの前に立った時はどんなことを考えますか?

作品や役柄によって違いますけど、僕の個人的な認識としては、基本的にはキューが出たら、もうその役になっているという感覚です。だから、実際に台詞を言って“もうちょっとこうだったかな?”とか“こう言ったらカッコ良いかな?”と考えてしまったとしたら、それは役に入っていない証拠だと思っています。

なるほど。マイクの前に立つまでにしっかり磨き上げておくと。

そうなんですけど、それも答えのひとつでしかなくて。いくら自分の中で磨き切ったものであったとしても、現場で違うものを求められることもあるんです。でも、声優という仕事としての面白さはそこからで、現場でもらったディレクションをその場で理解して、それまでに考えたことを踏まえて、キャラクターを通してどう表現できるのかを考えるのが、すごく面白いし楽しいんです。

役に入り込みすぎて、役から影響を受けてしまうこともありますか?

演じるキャラクターも生きているので、役からの影響はやっぱり受けますね。それも含めていろいろな影響を受けた自分の存在とか、選択の積み重ねによる思考が、さらに相手に影響を与えていっているわけで、音楽はそういうものが凝縮されたもののひとつだと思っています。今までの楽曲は思考した先にある感情を伝えることが多かった…例えば、デビュー曲の「NEW WORLD」(2018年5月発表)は新しく踏み出した世界でどんな出会いがあって、自分を変えてくれるかもしれないという期待を歌っていました。今回の「Image」は選択をする前の段階で、試行錯誤の中でどういった選択をしているかを歌っています。今の時代、自分の考えをどうまとめたらいいか分からない人が結構多いと思うんです。僕自身も以前はそうでしたし。どう思考したらいいか分からなくて、不安になることが多かったんです。そういう人がしっかり自分で選択を行なうためのきっかけを、この曲には込めたいと思いました。

考えごとをしながらこの曲を聴いたら、考えがまとまるかもしれないですね。

そうだったら嬉しいですね。僕自身は運転しながら考えごとをすることが多いんですけど、そんな時にこの曲をよく聴いてました!
内田雄馬
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シングル「Image」【期間限定盤】(CD+DVD)
シングル「Image」【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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