日向坂46が配信ライブ開催、ファンタ
ジックな世界観で約30万人魅了 9月
に1stアルバムリリースも発表

2020年7月31日(金)、日向坂46による配信ライブ『HINATAZAKA46 Live Online,YES!with YOU!~“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち~』が開催された。本公演の、オフィシャルレポートが到着したのでお届けする。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、開催が延期振替となった日向坂46の『春の全国アリーナツアー』。今回の配信ライブは、そのツアー内容をステージセットもそのままに完全再現するアリーナサイズの豪華公演だ。全21曲が披露され、衣装替えは10回にも及んだ。配信ならではの演出や、“おひさま”(日向坂46ファンの呼称)とのコミュニケーションもふんだんに取り入れられたこのライブは、複数の動画配信サービスにて配信。チケット購入者は約9万2千人、総視聴者数は推定30万人にのぼった。
ファンタジックな物語の始まりを予感させる映像と共にOVERTUREが流れ、ライブは「ドレミソラシド」でスタートした。絵本の世界から飛び出したかのような“音楽の街”のセットに現れたメンバーは、音符の描かれたワンピースに身を包んだこの街の住人だ。ピアノやトランペットを楽しげに演奏する演出から「ハッピーオーラ」につなげると、加藤史帆が「画面の前のみんな、いくよ~!」と呼びかける。ピアノの音色も新たに加わったこの曲で、にぎやかなムードが広がっていった。
撮影:上山陽介
撮影:上山陽介
最初のMCでは、キャプテンの佐々木久美が「ライブへようこそ!画面の前で声を出して楽しんでいただきたいと思います」と挨拶。渡邉美穂は「しばらくライブができない日々が続いていて、みんな本当に楽しみにしていたので…ぜひ画面の向こうのあなたも一緒に楽しんでいただけたらいいなと思います」と話す。新3期生の髙橋未来虹、森本茉莉、山口陽世も舞台に呼び込まれると、緊張しながらもライブを楽しもうと意気込みを語る。唯一の3期生である上村ひなのは「3人とも個性豊かでかわいい子たちなので、これからみんなで活動できるのが楽しみです」とうれしそうに胸の内を明かした。
舞台が暗転すると、不穏なBGMと共にメンバーのモノローグが流れる。「おかしいなあ。お客さんがいつもより盛り上がっていない気がする…」と不安そうに話す彼女たち。「何かがおかしい…何かが…ナゼだろう?」という言葉から、「ナゼー」のパフォーマンスへ。東村芽依、河田陽菜、松田好花の3人は、激しく点滅する照明を浴びながらキレのあるダンスを披露した。
撮影:上山陽介
楽曲が終わり、平穏な日常が邪悪な力によって奪われようとしていることを知ったメンバー。ここからライブは、世界を救うために、まだ見ぬ敵を探し出す旅に出た一行のストーリーと共に進行していく。
音楽の街を出たメンバーが最初に足を踏み入れたのは“迷いの森”だ。森の中で行き場を失った彼女たちは、「期待していない自分」を歌唱。センターの佐々木美玲は、焦燥感に駆られた表情でメインステージから客席に広がる回廊ステージを力いっぱい走り抜けた。この森でメンバーは、友達とはぐれてしまったという足の遅い馬と出会う。馬の話を聞いた金村美玖が「立ち止まらずに走れば、きっとこの森から抜けられる!」とひらめくと、「青春の馬」がスタート。力強い歌声と共に森を抜けると、足の遅い馬は笑顔を取り戻して森をあとにした。
撮影:上山陽介
「この世界を元に戻そう!」と改めて誓いあったメンバーたち。続いて訪れた“雨の止まない街”で出会ったのは、泣き虫なトラだ。「このまま雨が止まないと、みんなが楽しみにしているお祭りが中止になってしまう」というトラの話を聞いた彼女たちは、自分たちの思いを伝えるように「君のため何ができるだろう」を披露する。センター丹生明里の優しい表情が周囲に広がっていくように、傘を使ったダンスで温かな空気を作り出した。
舞台スクリーンに空まで延びる高い塔が映し出されると、1期生がタオルを手に登場。疾走感たっぷりの「好きということは…」を歌いだす。それぞれの場所でタオルを振りライブを楽しむおひさまたちの姿もスクリーンいっぱいに映され、一体感が高まっていった。塔を登る演出から“空の世界”に到着したメンバーたち。2期生の富田鈴花が軽快なラップを繰り出したあと、メンバーは「画面の前のみんな盛り上がってるか~?」と次々に煽ってみせる。ここからは「誰よりも高く跳べ!」「NO WAR in the future」と盛り上がり必須のキラーチューンを連発。画面越しの視聴者に向けて、パワフルなダンスを届けていった。
“空の世界”にある雨雲リセットバーを見つけだし、無事雨を止ませることに成功した彼女たち。街に戻ると、泣き虫なトラもご機嫌で踊りだし、パーティが開かれる。ここで披露されたのは加藤史帆、齊藤京子、佐々木久美、佐々木美玲、小坂菜緒、富田鈴花、渡邉美穂によるユニット曲「窓を開けなくても」だ。歌唱メンバー以外も、テーブルや椅子を使ったパフォーマンスで幸せに満ちたお祭りに加わった。
撮影:上山陽介

撮影:上山陽介
撮影:上山陽介

会場の換気タイムを経て、メンバーによるインタラクティブタイムへ。ここでは抽選で選ばれたファンクラブ会員約2000人とメンバーがリモートでつながり、トークを楽しむ。メンバーは、ファンとの久々のコミュニケーションに笑顔を弾けさせた。また新3期生は自己紹介を行い、それぞれフレッシュな魅力をアピールした。
ここからライブは後半戦へ。旅を続ける一行は、“時がまき戻る街”で時間にうるさい時計と出会う。イライラした様子のこの時計は、街の時計の針が遅くなったり止まったりするため、人々が困っていると話すのだ。時を戻すように逆回転の音が鳴り響くと、メンバーはけやき坂46時代の楽曲をメドレーで歌唱。1期生が「永遠の白線」を爽やかに歌い上げたあと、2期生は「未熟な怒り」を憂いのある表情で届けた。舞台上に設置された橋の上で「ホントの時間」を歌い終えると、時計の針についていた重りが外れ、時間は正常に進んでいった。
撮影:上山陽介
舞台が暗転すると、水の流れる音が聞こえてくる。時間の流れが元通りになったことで、川がいっきに流れ始めたのだ。清涼感あるサウンドが印象的な「川は流れる」では、真っ白な衣装が映える神秘的な照明が彼女たちを照らす。歌いながら“海の世界”にたどりついたメンバーを待っていたのは、電気の消えた提灯アンコウだ。暗い顔をした彼は、海を幸せにする歌声を持つという人魚を探しに、一緒に深海に行ってほしいと願う。美しい映像演出と切ない楽曲の世界観がリンクするような「こんなに好きになっちゃっていいの?」のパフォーマンスのあと、提灯アンコウは繊細な歌声に感激した様子で感謝して去っていった。
順調に旅を進めていた矢先、ステージには突然、勢いよくキツネの警官が飛び出してくる。「逮捕だ!逮捕する~!」とメンバーを捕まえた彼は、そのまま城の中にある牢獄に彼女たちを連れていってしまった。そこでメンバーは、音楽の街の住人に化けた“偽日向坂46”が城の宝物を盗んでいることを知る。困り果てた彼女たちの前に現れたのは、これまで助けてきた馬やトラなどのキャラクターたちだ。ピンチを救いにやってきた彼らのおかげで牢獄から脱出できたメンバーは、「力を合わせて私達の偽物を捕まえよう!」と宣言。キャラクターたちと共に息の合ったダンスで「キュン」を披露した。
撮影:上山陽介
勘違いで本物の日向坂46を逮捕してしまったことに落ち込むキツネの警官。そんな彼を慰めるようにして始まった「ソンナコトナイヨ」のあと、メンバーは宝を持って逃げ回る偽物をついに見つける。佐々木久美が「ついに見つけたわよ、偽物たち!勝負よ!」と宣戦布告すると、ライブもいよいよクライマックスへ。黒い衣装を着た偽物と、白い衣装を着た本物の日向坂46によるバトルが「キツネ」の歌唱と共に描かれる。メンバーは白と黒の衣装の目まぐるしい早着替えや、東村の大胆なアクロバットで視聴者を引き込んでいった。
キャラクターの仲間たちと協力して、ついに自分たちの偽物を退治した日向坂46。これで世界に平穏が訪れるかと思いきや、悪魔が彼女たちに忍び寄る。「キツネ」のバトルで疲労困憊したメンバーが諦めかけたとき、足の遅い馬が姿を見せた。森で泣いていたこの馬は、実は城の王だったのだ。力を取り戻した彼女たちは、この日2回目の「青春の馬」で最後の力を振り絞り悪魔に打ち勝つ。希望に満ちた楽曲を力一杯に歌うことで、不穏に包まれた世界を救うことができたのだ。
撮影:上山陽介
平穏が訪れ笑顔があふれる世界で、最後に披露されたのは「JOYFUL LOVE」。ペンライトを七色に灯すおひさまたちの映像が客席に映し出され、きらめく花火が打ち上がる映像演出がライブを盛り上げる。佐々木久美の「今日は楽しんでもらえましたか?私たちもたくさんパワーをもらいました。おひさま大好き!」という言葉と共に、本編は幕を閉じた。
3万人を超える視聴者からの「アンコール」のコメントを受けて、メンバーは再びステージへ。ここでキャプテン佐々木久美は、日向坂46の1stアルバムリリースが決定したことをサプライズ発表した。新曲「アザトカワイイ」を収録した本作は、9月23日にリリースとなる。
撮影:上山陽介
ライブを振り返り、加藤は「日向坂らしいステージを作らせていただいて、配信で見ていただけたことが本当にうれしくて。本当にいい環境でやらせていただけてるんだなって…本当に胸アツ!」と感極まる。金村は「実は馬くんは、前回のライブのときに少し現れていたんです。こうやってやって披露できてうれしいです」と明かした。
さらにアンコールでは、約2年ぶりに活動復帰となった1期生メンバー・影山優佳が呼び込まれた。影山は「今回のライブは春のアリーナツアーの再現のような特別なライブで。もともと出演の予定はなかったんですが、急遽参加させていただいてうれしいです。本当にうれしくて、ずっとわくわくしていました」と笑顔で挨拶。さらに「いずれは影山経由で日向坂を知ってもらえるような、“最終兵器”になれるようにがんばっていきます。応援よろしくお願いいたします!」と意気込んだ。
佐々木久美の「年末に控えている夢の舞台、東京ドームへ向けて歌った曲です」という言葉から、最後に披露されたのは「約束の卵」。22人全員でこの曲を歌い切ったあと、佐々木は「おひさまの皆さんのおかげでいつも活動ができています。会えない期間が続きますが、おひさまを思ってこれからも頑張っていきます!これからも応援してくださるとうれしいです」と挨拶し、配信ライブを締めくくった。
撮影:上山陽介
8月7日(金)にはドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』の公開、そして12月6、7日に念願の東京ドーム公演を控える日向坂46。勢いを増していく彼女たちの快進撃から、今後も目が離せない。

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