AK-69

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【AK-69 インタビュー】
“ライヴ”と“生きる”の両方の
意味を表現した“LIVE : live”

約1年半振りのリリースとなるアルバム『LIVE: live』。まさにコロナ禍の中で制作された今作には、自身が生きていく上で感じた生々しいメッセージが並んでいる。困難な状況が続き誰もが不安感を抱く中で、聴き手の心を強く鼓舞する作品と言っていいだろう。そんなAK-69の今の想いが詰まった新作について話を訊いていこう。

AK-69の本質は生きてく中で紡いだ
メッセージをずっと歌い続けること

ニューアルバムの制作はいつ頃からスタートしたんですか?

ツアーファイナルだった2月の豊洲PIT公演が終わってから制作に入ったんですが、そのタイミングでコロナの問題が起きたんですよ。半年くらい前に「No Limit ~この映画のあらすじなら知ってる~」はできていて、あとEP『ハレルヤ -The Final Season-』の3曲(「See You Again -Season 1-」「I Don’t Wanna Know -Season 2-」「ハレルヤ -The Final Season-」)も作っていたので、それ以外の曲をコロナ禍の中で作りましたね。

コロナの問題で曲作りのアプローチは変わりました?

そんなに変わらなかったです。最初は作りたいように作ってたんですけど、途中で改めて現状を考えたんですよ。コロナの問題で本質のないものは淘汰されていく…それは飯屋でもアーティストでも。その時、こういう状況になる前に作った「No Limit 〜この映画のあらすじなら知ってる〜」を聴き直したんです。苦境に陥ってもがむしゃらにやるしかない過去の自分に“お前は間違ってないよ”って語りかける歌なんですけど、現状にすごく映える歌だと思えて。で、AK-69の本質は生きていく中で紡いだメッセージをずっと歌い続けることだって、改めて感じられたんですね。あと、もうひとつの本質として、その歌を届けるのはライヴだなって。それで、“ライヴ”って意味と“生きる”って意味の両方を表現する“LIVE: live”ってタイトルが浮かんだんです。

なるほど。では、楽曲に触れながら話を進めましょう。リード曲の「If I Die feat. ZORN」は自分の死をテーマにした楽曲になってますね。

今までも仲間の死について書いた歌はありましたけど、“自分が死んだら…”って直接なメッセージはなかったんですよ。2PACやビギー(ノトーリアス•B.I.G.の愛称)といった海外のレジェンドたちもそうした歌を歌ってきたんですけど、そのテーマを歌うとほんとに死んじゃうジンクスみたいなものがあって、自分も先送りにしてたんです。でも、誰もがいつ死ぬか分からないって状況が来て、このテーマを書こうと思えたんですよね。

その客演でZORNさんを迎えた理由というのは?

ZORNは人生をヒップホップに投じてる感がある…背負うものがあるっていうのがすごくリリックに出てるアーティストなので、この曲は彼とやりたいと思ったんです。ZORNとはそれほど深い言葉は交わしたことがなかったんですが、オファーの想いを伝えたら快諾してくれました。お互いの死生観がいいかたちでぶつけられたと思ってます。

そんなZORNさんをはじめ、今回のフィーチャリング勢は若いラッパーが多いですよね。

別に狙ったわけじゃないんですが、ガキの頃に俺の曲を聴いて育ったっていう人ばかりなんですよ。俺も最前線に立ってて、今キテる若手と一緒にやれる機会ってなかなかないんですよね。そういう意味でも、俺がバリバリ現役の状態で若い連中とやることで夢を与えられるし、俺も刺激をもらえたので、実際にやってすごく良かったです。

「Bussin' feat. ¥ellow Bucks」は“人生を動かすのは自分次第”というテーマを¥ellow Bucksさんと歌っていますね。

¥ellow Bucksが小5の時に初めて聴いた日本のヒップホップが俺の「Ding Ding Dong〜心の鐘〜」(2007年9月発表のシングル)だったらしく、当時は分からなかったけど、中学生になってヒップホップを聴き始めた時にその曲が俺の曲だったって知ったそうなんです。彼はABEMAの『ラップスタア誕生!』って番組で優勝して名をあげて…しかも、彼は東海エリアの岐阜出身なんで、そのストーリーに名古屋にしかない脈絡を感じたし、この曲ができるのは必然でしたね。さらに俺の相方のDJ RYOWが「Ding Ding Dong〜心の鐘〜」をネタにして作ろうって言ってくれて、この曲が成立しました。

アツい話ですね。

ヒップホップって客演と歌詞の意味、その背景にストーリーがあってさらにカッコ良くなるんですよ。そういう意味でも、この曲はドラマが詰まってると思います。
AK-69
アルバム『LIVE : live』【初回盤】(CD+DVD)
アルバム『LIVE : live』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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