親和性大! ダンスミュージックと“
アニメ”の最新リンクをTJOが解説

いまや毎期ごとに注目を集めているアニメのラインナップ。

その中には昨今ダンスミュージックとリンクした作品が多数ある。それこそ、自分が幼いころからもそれはあったけど、近年はこの2つの要素の積極的なアプローチはますます勢いを増している。
今回は数多くのアニメラインナップから、最新のダンスミュージック×アニメ作品をTJOが紹介!

TJOが最新のダンスミュージック×アニ
メ作品を紹介。

◆「キャロル&チューズデイ」
昨年大きな話題を集めたボンズ制作、渡辺信一郎監督による「キャロル&チューズデイ」。
民放のフジテレビのみならずNetflixで全世界配信も行われたこの作品は、ミュージシャンを目指す2人の少女のストーリーを中心に、そこで使用される楽曲では国内外のダンスミュージックのプロデューサーを数多く起用。

日本からはNulbarich小山田圭吾☆Taku Takahashi(m-flo)、yahyel、津野米咲(赤い公園)、G.RINA、YUC’e、Maika Loubté、そして海外勢はBenny Sings(ベニー・シングス)、Lido(リド)、Mockey、Flying Lotus(フライング・ロータス)、Thundercat(サンダーキャット)、Taylor & Madison McFerrin(Bobby McFerrinを父に持つ)、Mark Redito(マーク・レディート)からSteve Aoki(スティーヴ・アオキ)、 MOGUAI(モグアイ)までとジャンル問わず錚々たるメンバーが参加しシーンを驚かせた。


渡辺信一郎監督の音楽に対する想いは熱く、1998年の『カウボーイビバップ』では菅野よう子と組みジャズにリスペクトを捧げ、今でもテレビなどでもよく耳にする機会の多い名曲“Tank”などが生み出された。
2004年の『サムライチャンプルー』ではヒップホップを演出手法にも大々的に取り入れ、NujabesやSHAKKAZOMBIEのTsuthie、FORCE OF NATURE、そして海外からfat jon(ファット・ジョン)らと作り上げた音楽世界は広く海外で支持を集め、近年のLo-Fiヒップホップのムーヴメントにも大きな影響を与える事となった。さらに2014年の『スペース☆ダンディ』と、渡辺信一郎監督の作品はその音楽性も合わせて世界的な評価を受けている。

最近ではそういった音楽とアニメの融合だけでなく、漫画やゲーム、ラジオさらには舞台、リアルでのライヴなど音楽を主題としたメディアミックスコンテンツが人気を集めている。なかでも代表的なのは、音楽原作キャラクターラッププロジェクトとして社会現象にまで発展した「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」。
ここではZeebraCreepy Nutsなど日本のヒップホップの重鎮やラッパーが実際に楽曲を提供しシーンにも大きなインパクトを与え、またバンドをテーマにした『BanG Dream!』を手掛けたブシロードが新たに始動させたプロジェクトがまさにDJをテーマに扱った『D4DJ』とその融合は止まらない。
◆「THE GOD OF HIGH SCHOOL(ゴッド・オブ・ハイスクール)」
こういった流れの中でダンスミュージックとアニメの繋がりは、より身近なものとなり、今期のアニメ作品でも、韓国のWebマンガサイト「NAVER WEBTOON」にて連載され、全世界累計閲覧数が約40億回と世界的な人気を博したマンガ原作の「THE GOD OF HIGH SCHOOL」ではオープニングテーマにKSUKEの“Contradiction feat.Tyler Carter”が起用されている。
ヴォーカルにはポストハードコアバンドIssues(イシューズ)のフロントマンとして、またソロとしてもONE OK ROCKやblackbearのコラボレーターとしても人気のTyler Carter(タイラー・カーター)が参加し、激しいエレクトロ・サウンドにエモーショナルな歌声が激しく展開されるアクションアニメの世界観を見事に表現している。

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◆「日本沈没2020」
そして、1970年代に書かれた、小松左京による戦後日本最大のSFベストセラー小説と知られ、幾度に渡って映画化されてきたパニック大作をアニメ化したのがNetflixの「日本沈没2020」。手がけるのは「四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」、最近では「映像研には手を出すな!」などの話題作を手掛けてきた湯浅政明監督。
原作小説、そして最初の実写映画化された1973年と時代はもちろん、普通の家族を中心に描く設定は違えど、数々の自然災害をここ数年で経験してきた我々の心により響く「いま描かれるべき日本」をテーマにしている。

そんな普遍的な内容の中で新たに生まれたのが、スピンオフ企画“シズマヌキボウ”プロジェクト。これはどんな過酷な状況においても前を向くことを忘れない「日本沈没2020」の登場人物たちにインスピレーションを受け、様々な未来への希望を「音楽」や「言葉」や「画像」でアーカイブしていくプロジェクトで、劇中にキャラクターとして登場するYoutuberのカイトがマイクリレーで感情を爆発させるエピソードを出発点として生まれたと言われている。

参加アーティストはそのカイト役を演じる声優・小野賢章(ラップは初挑戦とのこと)、グランドエンディングテーマも手掛けるバーチャルシンガー・花譜、さらにラッパーのDaichi Yamamoto、そしてシンガーソングライターの向井太一という豪華な布陣。彼らがコラボレーションして生まれる未来への希望が込められた「シズマヌキボウ」はMVと共に公開予定で、また番組と連動する『#キボウのマイクリレー』というソーシャル企画では湯浅監督のNetflix前作『DEVILMAN crybaby』でも本編のラップ監修を務めたKEN THE 390から始まるラップリレーが展開されるという。

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ダンスミュージック・プロデューサー達も魅了するジャパニーズアニメの世界
こういったアニメ側からのアプローチ以外にも、アニメの世界に魅了されるダンスミュージックのプロデューサーは多い。まずは「キャロル&チューズデイ」への参加でも知られるスティーヴ・アオキ。Netflixで配信された「攻殻機動隊」の最新シリーズ「攻殻機動隊 SAC_2045」で、King Gnuのリーダーでもある常田大希率いる音楽集団、millennium paradeの手がけるオープニングテーマ”Fly with me”をリミックス。

スティーヴ自身10代の頃に「攻殻機動隊」と出会い、彼のアルバム「Neon Future」シリーズは「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」から影響を受けていると公言するほどの思い入れで、2017年に公開されたハリウッド実写映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」でも1995年公開の劇場版「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」のテーマ曲のリミックスを手掛けるなどその繋がりは深い。
また「キャロル&チューズデイ」に参加したフライング・ロータスも昨年リリースされたアルバム「Flamagra」収録の”More feat. Anderson .Paak”のMVを渡辺信一郎監督に手掛けてもらい、彼の持つ壮大な世界観をさらに増幅させている(ちなみにフライング・ロータスの盟友サンダーキャットは来日時にドラゴンボールの仮装をしてパフォーマンスするほど日本のアニメやマンガといったポップカルチャーに大きな影響を受けている)。
そして、日本アニメやカルチャーに大きく精通しているプロデューサーと言えばやはりPorter Robinsonポーター・ロビンソン)だろう。大の親日家としても知られる彼だが、なんとMadeon(マデオン)と共に手掛けた2016年の名曲“Shelter”ではそのMVを「あの日見た花の名前を僕はまだ知らない」、「四月は君の噓」などの作品で知られるアニメーション・スタジオ「A-1 Pictures」に直接依頼し、声優の三澤紗千香を起用するなど、楽曲だけでなくそのミュージックビデオにおいてもアニメファンも唸らせる名作を作り上げた。
今後も生まれるであろうダンスミュージックとアニメのリンク。引き続き面白い作品をどんどん紹介していきたいと思っているのでお楽しみに!

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