ナオ(首振りDolls)、ガラ(メリー)

ナオ(首振りDolls)、ガラ(メリー)

首振りDolls ナオ(Dr&Vo)と
ガラ(メリー)の対談を実施

1枚のレコードを擦り切れるまで
聴くなんてことは、
もう今の時代ないんだろうな

ナオ(首振りDolls)、ガラ(メリー)

ナオ(首振りDolls)、ガラ(メリー)

――いい話。そんな良い関係性の話の途中に水を差すようですみませんが、ガラ、最近のナオに一言あるんじゃなかったの?
ナオ:え!? なぁに? なになに? 私、なんかしちゃった!?
ガラ:なんだっけ?

――さっきも撮影しながらそんな話してたよね?
ガラ:あ〜。そうそう。ナオはなに?
ナオ:何と言いますと!?
ガラ:なんなの?
ナオ:何なのと申しますのは!?
ガラ:可愛いキャラ狙いなの? 前髪パッツンにして来ました〜みたいな、可愛い狙いのTwitterアップしてたりしてたでしょ? 何それ。
ナオ:そこ〜!? あはははは(爆笑)。そこですか! ガラ先輩!
ガラ:もっとさ、荒くれ者っぽく気だるく、カッコイイ感じの方がいいと思うけど? 可愛いって言われたいの?
ナオ:あははは。言われたい(笑)。心が乙女なところがありますからね、私(笑)。aikoさんとか大好きだし。
ガラ:ナオ、aiko好きなの? 乙女だわぁ。
ナオ:aikoさんはアーティストとしても、女性としても大好き! ああいうタイプ大好きだし、ピアノを弾く人だから、驚く様なコーラスの入れ方するんですよ! そこが本当に素晴らしいなと思って。曲ももちろん、歌詞も大好き。
ガラ:乙女だわぁ。大きな木に吸い付いてるカブトム的な?
ナオ:そういうの可愛いわよね〜。彼氏を大きな木に例えて、自分はそこに吸い付いてるカブトムシっていう。可愛い。私、そういうとこある。
ガラ:そっちの虫か! 俺はてっきりナオは「蛹化(むし)の女」の方の属性かと思ったのに。
ナオ:ガラさん! 当たり前じゃないですか! 戸川純さんだってもちろん大好きですよ! そっちの蛹化も大好きです!
ガラ:どっちなんだよ! 
ナオ:どっちもです(笑)!
ガラ:今日だってなんなの? バッティングやるよって言ってんのに、何で厚底とか履いてくるわけ? 山登り行くよって言ってんのに、ヒール履いてくる女子みたいなめんど臭さだよね。
ナオ:あははは。何その例え(笑)! めちゃくちゃ面白いんですけど、ガラさん! でも、ちょっと弁解させてくださいよ! 違うんですって! 私、厚底しか持ってないんですよ、靴! あとは、ドクターマーチンのサンダルしかなくて。雨だったし、ガラさんと会うのにサンダルは失礼かなとも思って。
ガラ:まぁ、何でもいいけどさぁ〜。だから球投げる時とかも内股になるんじゃん! 本当に、女子じゃないんだから。何、あのフォーム。
ナオ:あははは。だって、野球経験者じゃないですもぉ〜ん。
ガラ:もぉ〜んじゃないわ。ブラジャーとかしてないだろうね?
ナオ:ブラジャー(笑)!? 
ガラ:最近妙に綺麗で可愛い感じにしてるし、新しいアー写とかもグラムロックだったし、まぁ、あれはいい感じだし、首振りDollsっぽいなって思ったけど、Twitterのぶりっ子具合はどうもね〜。
ナオ:ブラジャーしてないですよ。ノーブラです(笑)。

――お好み? ノーブラ。
ナオ:ノーブラですよ! ガラさん! ノーブラ!
ガラ:え? ノーブラ!?
ナオ:キラキラした目で見ないで下さい!
ガラ:見てないし。興味ないわ。ナオがノーブラでも。まぁ、首振り“DOLLS”だから、可愛いのもいいかもしれんけども、、、、。俺はちょっと荒くれだったナオのが好きだな。てか、脱毛とか行ってないだろうね? そんなん行くくらいだったら、全部毟ってくれ!
ナオ:あははは。毟ってます毟ってます! もともと女子みたいなとこあるの。
ガラ:あるの。じゃないわ! ちょっと俺は、ナオのその“可愛い”に対して睨んでいこうと思ってる。
ナオ:いやぁ〜ん(笑)。でも、実際そうそう可愛くないですからね(笑)。
ガラ:ナオは逹瑯(MUCCのVo)顔だよね(笑)。
ナオ:めっちゃ光栄じゃないですか! 
ガラ:そうなの(笑)?

――ガラと逹瑯の関係性もいいよね。ガラの方が先輩なのに、絶対的なジャイアン感で逆転してる(笑)。けど、そんな中にも逹瑯のガラに対する敬意を感じるところがすごくいい。
ガラ:敬意感じる!? 俺はそうは思わないけどね(笑)。
ナオ:前にラジオでガラさんと逹瑯さんがやり取りしてるのを目の前で見させて頂いたとき、本当にすごいテンポ感で驚いて。本当に仲いいんだなって思ったんですよね。すごく羨ましかった。そんな仲間がいることが、本当に羨ましくて。いいなぁ〜って。
ガラ:そうだね。仲間が居てくれるのは本当に力になるからね。ナオは上京して来てどうなの? 憧れていたものや、感動はあった? これが花の都大東京か! みたいな感覚はあったの?
ナオ:いや、正直音楽やる上でやっぱり東京に居ると身軽に動けるし、いいな! ってくらいですかね。本当にそれ以外ずっと家に居て曲作ったりしてるから。東京に来て良かったって思うのは、人にたくさん会えるのと、仕事しやすくなったっていうことくらいです! 今はそれ以外あんまり求めてないし、興味ないのもありますけど。
ガラ:あ、そう。珍しいな。みんなが憧れて、夢抱いて、夢が敗れて帰って行く。それが花の都大東京ですよ。
ナオ:そういうドラマティックな街なんだろうなって、特に新宿の街を見てると思いますけどね。でも、こうしてガラさんとかが誘ってくれてすぐ呑みに行けるのは、本当に嬉しいです!
ガラ:ナオから誘って来たことないじゃん。
ナオ:いや、そんなことないですよ! 前に夜中に電話したじゃないですか、失礼だと思いましたけど、八十八ヶ所巡礼のかっちゃん(八十八ヶ所巡礼のGのKatzuya Shimizu)と呑んでたとき!
ガラ:あ〜、酔っ払って電話して来たやつね。
ナオ:自分から先輩を誘うのは悪いかなぁと思って、、、、。遠慮しちゃうんです。いいんですか? 誘って!
ガラ:いいよ。まぁ、たしかに、俺も自分が後輩の立場で先輩のこと考えると遠慮して自分からは誘えないんだけど、自分が先輩の立場になると分かるね。ちょっと待ってる自分がいるわ。
ナオ:ガラさん! 可愛い!
ガラ:ちょっと待って。俺はナオみたいに可愛いの狙ってないから、それ要らない(笑)!

――待ってるんだ、ガラ(笑)。たしかに、可愛い(笑)。
ナオ:そういうとこなんでしょうね! ガラさんモテるの分かるわ〜!
ガラ:うるさいわ。
ナオ:うるさいって言われた〜(笑)。でも、2回目に誘ってもらったとき、“すごく飲めるんでしょ? よし。今日はとことん飲もうぜ!”ってなって、2人でコンビニで『ヘパリーゼ』買って飲んで準備してから呑みに行ったんですよね(笑)。楽しかったなぁ〜。
ガラ:また一緒にステージに上がれたらいいね。
ナオ:そんなそんな! 本当に嬉しいです! こちらからお願いしたいところです! 
ガラ:この先のことはまだ見えてないけど、とにかく踏ん張って、ナオが言うように転がり続けていかないとね。ウチらもメンバー脱退のタイミングと重なっちゃったし、首振りDollsも上京して来て、ここからエンジンフル回転で行くはずだったタイミングでコロナだったもんね。
ナオ:そうなんです。首振りDollsとしては、延期になった3月の20日21日22日の3daysが上京して来た首振りDollsが勝負をかけた、起爆剤となるライブでもあったし、ツアーファイナルでもあったので、正直、行く道を閉ざされちゃった感があって。いやぁ、人生甘くないなって思いましたね。いきなり試されてるみたいで。
ガラ:そうだね。試されてるんじゃないかって思うよね。でも、きっと本当に試されてるんだと思うよ、今、俺たちは。この時間を使って何をするか、それで大きく差ができると思うしね。
ナオ:本当にそうですね。
ガラ:何かしてる?
ナオ:バンドとしての動きはいろいろと考えてます。新曲も書きためてますし、個人的には絵本描いてみたり、ずっと形にしたかった映像の編集を改めて勉強してみたりしてます。九州に居た頃、ずっとテレビ局でバイトしてたこともあったんで、もともと映像には興味あって勉強してたんです。
ガラ:俺たちの経験や全ての生き方は全部歌詞に活きて来たりもするからね。絵本も映像も全部繋がっているのかもね。本当に節目だよね。いろいろと世の中が変わって行く。俺、こうなる前までは、ライブがカッコイイのがバンドだって思っていたけど、この先、SNSとかで火が付いたバンドとかアーティストは、この自粛的な流れが完全に開けたとき、いざ生でライブしますって言ったとき、ライブしたことないですっていうアーティストや、ツアー経験ないですっていうバンドが出てくるんじゃないかなと思っていて。
ナオ:そうかもしれないですね。今はみんなが小型のコンピューターを持っている時代ですからね。音楽の在り方も変わって来てますからね。今までサブスクとかやっていなかったアーティストやバンドもどんどんやり始めてたり解禁になってるし、本当に変わって来たなって実感してるんです。
ガラ:昔は探すしかなかったからね。
ナオ:分かります! その探すのも楽しかったんです! 昔小さい頃ラジオでかかった曲を必死で探しましたもん。ガレージのリバイバルが流行った頃だったんで、それを漁りに古いレコード屋さんに行って、そこでまた関連したアーティストを見つけて好きなアーティストを増やしていった時代も、本当にすごくいい時代だったと思うんです。
ガラ:そうだね。よくジャケット買いしてたもん。ジャケットが好きで買ってみたら、思ったのと違ってガッカリした失敗も懐かしい。1枚のレコードを擦り切れるまで聴くなんてことは、もう今の時代ないんだろうな。そう思うとちょっと悲しいよね。今の時代、アルバムのイメージが凝縮されている、ある意味すごく重要なポイントとなるジャケットですらも、必要とされていないんだって思ったら、本当に悲しい。そこも作品つくりのこだわりの部分だからね。
ナオ:本当に昨日まで普通の高校生だった子が、いきなり次の日に大スターになることだって、あり得ますからね。そこも否定しないですけどね。でも、俺はライブで戦えるバンドで居たいです。やっぱりバンドはライブだと思うから。たたき上げというか。俺たちは完全に叩き上げのバンドですからね。でも、そこに今は誇りを持ってます。
ガラ:そうだね。昔はやっぱ叩き上げで、ドラマをたくさん持ってる人がカッコ良かった時代でもあったからね。
ナオ:でも、やっぱりいい音楽って形を変えてもずっと残って行くんだと思うんです。最近、サブスクにあって、飛び上がって喜んだのが、CHAKRAっていうバンド。「めだか」って曲が死ぬほど好きで、それしか聴いたことなかったんだけど、70年代後半に3年くらいしか活動していなかったバンドだからなかなか昔の音源を探して買うことが出来なかったんだけど、サブスクにあったんですよ! その感動たるや半端なくて。アルバム全部聴けちゃうなんて、なんて幸せなの!?って。
ガラ:それは感動だね。それに、40年前の音楽をそうやって聴けるようになったら、またそこから新しくCHAKRAを知ってくれる人もいるってことだもんね。解散してしまってるバンドだからライブを観ることは叶わないけど、それはすごいよ。そういう意味ではサブスクって本当にすごいよね。海外でもどこからでも手に入れることが出来るんだもんね。

――そう思うと、メリーも5人で発した音は永遠に残っていくということだもんね。
ガラ:そうだね。そこは永遠だからね。便利な世の中と、忘れちゃいけないところを共存していけたらいいよね。
ナオ:本当にそうですね。

――メリーはこの先の予定としては、8月1日から始まる『5 Sheep Last Tour』全16公演と、追加として発表されていた、そのツアーファイナルとなる9月19日の日比谷野外大音楽堂公演?
ガラ:そう。5人での最後のツアー。安全面とか最善を尽くして、5人でのツアーをメリーを支えてくれている大切な人たちと一緒にやりたいなと思ってる。最後に5人でツアーまわりたい。本当にそれだけというかね。8月9月のコロナ感染の状況は、今の時点では全く見えないけど、最後に5人でツアーまわりたい。ただただそれだけを願ってる。本当に今はそれを1番願っているかな。
ナオ:素敵なライブになることを祈ってます。ガラさん、本当にありがとうございました!
ガラ:こちらこそ、ありがとうね、ナオ。久々に楽しかったよ。バッティングも。久しぶりに本気で笑えたよ。ありがとう。
ナオ:私もです! 私もガラさんのような素敵な先輩になれるように頑張ります! ありがとうございました!


取材・文:武市尚子
写真・映像:DOLL RECORDS Co., Ltd.
ナオ(首振りDolls)、ガラ(メリー)
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OKMusic編集部

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