【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#153
編曲家・萩田光雄の言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

作曲家からもらった縦糸に、横糸を通し
て模様を描き出す

より

今回の名言は、1970〜80年代にかけて歌謡黄金時代を牽引した、日本を代表する編曲家・萩田光雄のインタビュー記事からの抜粋。この言葉から、萩田の仕事に対する哲学と人柄が伝わってくる。萩田はまた、人生初のレコーディングの日からずっと“演奏家に感謝し、演奏家をリスペクトする気持ち”を持ち続けているという。作曲家、演奏家、歌手などの共同制作者を「楽曲という宝を共有した方たち」、あるいは「不思議な絆」とも表現する。そんな集まりから生まれた楽曲が、時代を超えて多くの人を魅了し続けているのだ。

萩田光雄(はぎたみつお)
1946年6月16日生まれ、静岡県出身。作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。1965年、慶應義塾大学工学部電気科入学し、同大学クラシカルギタークラブに在籍する。1970年、ヤマハ音楽振興会の作・編曲教室に入学。その後、ヤマハに勤務し、『ヤマハポピュラーソングコンテスト』の応募作品のミキシングなどの仕事に関わる。1973年、高木麻早の「ひとりぼっちの部屋」で編曲家としてデビュー。1975年に、布施明の「シクラメンのかほり」、1976年には、梓みちよの「メランコリー」で『日本レコード大賞編曲賞』を2年連続受賞。70〜80年代の歌謡曲黄金時代に、山口百恵の「プレイバックPart2」「ロックンロール・ウィドウ」、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」「赤いハイヒふール」、中森明菜の「少女A」、久保田早紀の「異邦人」、あみんの「待つわ」など、多くのアレンジを担当し、次々とヒットを生み出す。作曲作品としては、桜田淳子の「サンタモニカの風」、大場久美子の「エトセトラ」、南野陽子「あなたを愛したい」などがある。映画やアニメの音楽監督としても多く作品を残す。現在もなお、第一線で活躍している。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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