Keishi TanakaとKan SanoがFM802で語
った、急激に変化する今だからこそで
きることーー「選択肢が増えたと思え
ば良い」

Keishi Tanakaの活動意欲がここに来て加速している。短期間に楽曲リリースを重ね、曲ごとに新しいことへの挑戦が詰まっているものばかり。先月配信されたKan Sanoとの共作「The Smoke Is You」も、これまでのKeishi Tanakaとは一味違う世界を堪能できる一曲となっている。今回SPICEでは、そんなKeishi Tanakaと、作曲・アレンジを務めたKan Sanoがゲスト出演する、FM802のプログラム『MIDNIGHT GARAGE』(毎週月曜日 24:00〜27:00、DJ:土井コマキ)のオンライン収録に潜入し、楽曲をオファーするに至った経緯や、両者の現状に対する想い、「今だからこそできること」についてDJの土井コマキと共に語る様子を取材した。オンライン上で顔を合わせるという新鮮な収録だからこそのぎこちなさもありながら、リラックスしたムードで行われた3人のトークを、放送でも、そして文字でも楽しんで欲しい。
Kan Sano×Keishi Tanaka×土井コマキ FM802『MIDNIGHT GARAGE』
ーーFM802 『MIDNIGHT GARAGE』です。今回、初めての試みなんですけれども、今ネットで、Keishi Tanakaさん、Kan Sanoさんと繋がっております。よろしくお願いします。
Kan Sano:よろしくお願いします。
Keishi Tanaka:よろしくお願いします。この声、聞こえてますか?
ーー聞こえてます! まずは、Keishiくんの新曲「The Smoke Is You」が配信されました。この曲の作曲と、アレンジをKan Sanoさんが手掛けられたということで、今日はお二人に話を聞かせていただけたらと思います。
Keishi Tanaka:久々にKanちゃんの顔が見れて嬉しいです(笑)。曲を一緒に作ってから会う機会もなくなっちゃったし、ライブで演奏してもらおうとか、全部そういうのができなくなって。だから今日ちょっと楽しみにしてました。
ーーレコーディングをした後、お二人は会ってなかったんですか?
Kan Sano:会ってないですね。楽曲を制作していたのが、ちょうど世間がコロナで騒ぎ始めた頃で。見事に重なっちゃったんですよね。
Keishi Tanaka:打ち合わせとレコーディングで会うたびに世の中が変わってきていて。
Kan Sano:世の中の変化が凄く早かったですね。最初に打ち合わせをしたのが2月で、日本はまだそこまでという感じだったのですが、3月くらいに一緒にスタジオ入って撮る頃には、もう国内も大変な騒ぎになり始めていて。
Keishi Tanaka:あと1ヶ月、動くのが遅かったらレコーデイング自体も延期になってたかもしれないよね。そういう意味ではギリギリの時間でした。
「The Smoke Is You」レコーディング風景  撮影=山川哲
ーーそもそも今回の曲を一緒に作るという話の前から、お二人は知り合いだったんですか?
Keishi Tanaka:そうですね。去年のちょうど春ぐらいに別の取材で初めてお会いしました。もともと僕はKanちゃんのことは知っていたし、音楽も聴いていたのですが、お会いして、ライブの映像を観てから「音楽を頼みたいな」と思って。ライブに対するこだわりとか、熱量みたいなものがすごく良いんです。それから年末年始にやり取りして、2月から動き始めました。
ーーライブを観てお願いしようと思ったのが始まりというのが、ちょっと意外です。
Keishi Tanaka:一昨年くらいから、人に曲を書いてもらいたいなとちょうど思い始めてて。でも誰にでも頼めるものでもないし、探してた時にKanちゃんと出会って「見つけた!」という感じがありましたね。
ーーKanさんは、ライブだと音源のイメージとまたガラッと変わるというか、熱量がすごいですよね。
Keishi Tanaka:そうなんです。ライブの熱量が高いのは、昔から?
Kan Sano:どうだったかな。でも、ライブは音源と同じ曲が聴けただけで満足というのではなく、予想を超えていきたいので、ライブならではの熱量や満足感は意識しています。
ーー音源とライブのギャップが良いですよね(笑)。KanさんはKeishi君から曲を一緒に作ってほしいという話が来てどう思われたんですか?
Kan Sano:もちろんすごく嬉しかったですが、Keishiさんが他の人に任せることが今まであまりなかったので、ちょっとドキドキしました。
Keishi Tanaka:打ち合わせでも、全部を話しすぎるとあまり面白くないから、「BPMは120より下で」とか、「生音を意識できるトラックがいいかな」みたいな話しかしてないよね。
Kan Sano:そうですね。いつもは「こういうイメージで」という参考の音源とか送られてくるのですが、今回そういうのが何もなかったです(笑)。
Keishi Tanaka:細かい事を言っちゃうと、いつも作ってるのと一緒になってしまう気がしたので。そういうのは避けようと最初から思っていました。
「The Smoke Is You」レコーディング風景  撮影=山川哲矢
ーー今回のこの曲は今までになかったKeishi Tanakaが、存分に聴ける1曲だと思います。
Keishi Tanaka:一番理想的なリアクションをありがとうございます(笑)。
Kan Sano:僕もKeishiさんが頼んでくれてるということは、そういうことなんだろうなと思ったので、今までの曲のイメージに引っ張られすぎないようにしました。だから自分がしっくりくるように作ろうというのを第一に置いて作りました。
ーー音の数を減らす感じが、すごく今の時代っぽいですよね。
Keishi Tanaka:Kanちゃんはナチュラルに引き算ができてるので、そのままやって欲しくて。メロディーのラインも普段の僕が作るものよりちょっとだけ低いんです。だから僕が歌うとちょっと新鮮に聞こえる。
ーー3分半くらいでスパッと終わる感じとかも、すごい気持ちがいいですよね。
Kan Sano:最近の自分の感覚として、なるべく構成を、すっきりさせたいんですよね。だからイントロとかもなるべく短くしようとしています。あと今回に関してはバンドで鳴らした時に、楽しめる曲がいいなというのは考えていました。
Keishi Tanaka:この曲に関しては、弾き語り配信でも、いい意味で全然演奏する気分にならなくて。あの音はまずバンドで鳴らしたいなと。
ーー期待が高まりますね。
Kan Sano:そうですね。いつか鳴らしてもらいたいです。
ーー今回の曲からちょっと話が外れるかもしれないですが、お二人の最近の活動がすごく面白いと思っていて。Keishiくんは「The Smoke Is You」のあと、すぐにnoteという誰でも使えるサイトで「Fallin' Down」という曲をリリースしたんですが、特典でついてくるデータをプリントアウトしたら、ポスターにもできるZINEが作れるようになっていて。自分の手を使って、物を作るというのが、ライブを観に行くのとはまたちょっと違う形で、曲に参加する感覚が味わえたというか。
Keishi Tanaka:すごい理解してくれてますね。この企画を(笑)。新曲が出たばかりで、いつものタイミングではないんですが、こういう世の中だし元々の流れとかも忘れた方が面白いと思って。あと家にいる時間に、何か遊べるものを作ろうかなと思ったので、手作りできる特典を用意して、一緒にパッケージしました。
ーーそんなアイデアとかをパッとやっちゃう感じとか、すごいいいなと思います。
Keishi Tanaka:ありがとうございます。今までも思いついたことをとりあえずやってきたし、抵抗なくできました。
ーー抵抗なくというところでいうと、Kanさんが所属されてる、origami PRODUCTIONSも、「origami Home Sessions」という企画を立ち上げるまですごく早くて、鮮やか過ぎてかっこいいしか言えなかった(笑)。
Keishi Tanaka:あれは本当に素晴らしいですよね。この状況のなかで、まさにミュージシャンがやれることをすぐやった感じがして。本当にいいチームだなと思います。
Kan Sano:あれは社長のアイデアで。「なにかできることはないか」というのを考えていくなかで、「これはどうだろう」という提案があって。即答でやろうとなり、次の日にはニュースを出して、といったスピード感でやりました。僕はもともと自分のアルバム用に作ったストックの曲から、コラボに使えそうだなというトラックがあったので、それをパラデータという録音データを含めて公開して、提供する形で参加しました。
ーーそんなにささっとできるもんなんですね。
Keishi Tanaka:全員ができることじゃないですよこれは。本当にorigamiには素晴らしいミュージシャンが集まってる。
ーー技術的にも素晴らしいし、その想いもすごい素敵です。実際音源を使用して作成された曲は聴いたりするんですか?
Kan Sano:そうですね。ウェブサイトや、Twitterで随時情報が集まってくるんです。本当いろんな人がやってくれていたり、本当にクオリティーの高いものがたくさんありますね。
Keishi Tanaka:それこそ僕のサポートしてくれる鍵盤の別所和洋くんも、Kanちゃんの曲使ってすぐに作って、OTOTOYというメディアのライブハウス支援として売ったりしてましたね。
「The Smoke Is You」レコーディング風景  撮影=山川哲矢
ーーそういうのがすごくかっこいいです。そんな動きを含め、この日々を通じて何か変わっていかないと仕方ない気がします。
Keishi Tanaka:もちろんこんな状況にはならない方が良かったけど、こうなってしまった以上は、考えてやるしかないですよね。でも、何かを表立ってやってる人がすごくて、やれてない人がダメというよりは、自分の好きなものを応援する気持ちが、少しでもあればいいと思うんです。僕らはライブハウスが好きだから応援する。それは飲食店とか映画とかなんでもいいと思います。
ーーライブの楽しみかたとかも変わっていくのかなと思います。
Keishi Tanaka:またライブができるようになったら、いつものライブをやりたいですけど、今やってる配信とかは止める必要はないし、選択肢が増えたと思えば良いんだと思います。
ーー確かに。選択肢が増えたのはありがたいです。ラジオも大阪まで来てもらわなくてもできちゃうし。
Keishi Tanaka:確かに。でもFM802のスタジオに行きたいですよ。ラジオのために大阪行った日の夜は楽しいですから(笑)。
ーーKanさんはスタジオにお迎えしたことがないので、いつか来て欲しいです。今回の一曲でこのコラボを終わらせなくてもいいと思いますし、次はスタジオにお二人をお迎えしたいですね。
Kan Sano:是非よろしくお願いします。
Keishi Tanaka:Kanちゃんが弾くピアノだけで僕が歌うとかね、そういう話もしたよね。いつかできればいいなと思ってます。コマキさん、いいパスをありがとうございます(笑)。
ーーこんな場で社交辞令的に断れない形にして、実際やらせるのがKeishi Tanakaですしね。
Keishi Tanaka:よくわかってらっしゃる(笑)。
Kan Sano:これはKeishiさんあるあるなんですか?
Keishi Tanaka:「この前の件なんだけどさ」と連絡するから(笑)。
一同:ハハハ(笑)。
ーーまたお会いできる日を楽しみにしております!
文=城本悠太

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